ニューオリンズのバンド、
Coolbone のアルバムです。 ・・・ニュオーリンズのバンドだというのは、この記事を書く前に知りました(笑)。全然知らないグループのアルバムをここで紹介しようとしているんですね。何ていい加減な奴なんでしょうか。さすがに情報なしで書くのはまずいと思ってちょっと調べてみたら、ニューオリンズのグループという事でした。なるほどね~。このアルバムは僕にしては珍しく
ジャケ買いでした。ジャケ買いって滅多にしないんですよね。いつも欲しいアルバムが沢山あって、そういう買い方をする余裕がないんです・・・。でも、これは新品が500円で売っていたんですよ(笑)。500円なら何とか・・・。最近はあまりそういうのを見かけないんですが、少し前まではこの辺のレンタルビデオ屋で輸入盤のセールをよくやっていたんです。“家族連ればっかし”といった客層の店に、“こんなの誰が買うんだ?”といった感じのアルバムがいっぱいあって、“僕が買うしかないでしょう”なんて思いながら、言わば
救済のような形で買ったアルバムなんです。すみません、いきなり無駄口全開で・・・。
Coolboneというバンド名と
“Brass-Hop”というタイトルもカッコ良いと思いましたね。“Brass”というのがついていなければ恐らく買わなかったと思うんですが。読んで字のごとく、
ブラスバンドとHip-Hopが一緒になった音楽です。・・・僕は普段殆んどと言って良いほど、Hip-Hopは聴かないんですよ。まあ、今まで紹介してきたアルバムを見ても想像がつくと思いますけどね。別にHip-Hopという音楽を全然カッコ良いと思わないとかそういう事ではないんですが、常に聴いていたい音楽だとも思わないんです。僕はそういう場所で育った訳でも、憧れている訳でもないし、そんな奴がそういう音楽聴いて“かっけー”とか言ってても、何かウソっぽくなるじゃないですか。“かっけー”と書くのも恥ずかしいんですけど(笑)。僕の場合、
カッコ良いラップというと、Aerosmithの
“Walk This Way”や Blondieの
“Rapture”といった曲を思い浮かべたりしますから(笑)。
勿論、本物のHip-Hopカルチャー、Hip-Hopアーティストはカッコ良いと思います。誰が言っていたかは忘れましたけど、“ラップは昔のDoo Wopみたいなもので、楽器の買えない黒人がストリートで生み出した音楽だ” というセリフを聞いて、“あ~、そうか~、なるほど~”と思いましたが、それをただ真似しているような人はやっぱり好きじゃないんです。・・・それでまあ、“楽器の買えない”というのがありますけど、僕は楽器の音というのも好きなので、できれば音楽を聴く時には、そこに楽器の美しい音色があって欲しいんですね。Hip-Hopにはそういう音が入っていないものも少なくないので、その辺も個人的にはイマイチなんです。僕は、子供の頃 友達が外で遊んでいる間、部屋に篭もって楽器の練習をしていた事が伝わってくるようなミュージシャンに敬意の念を抱いたりしますから(笑)、やはりそういう作り手の顔が見えるような音楽の方が好きなんですよ。
・・・ここまで、Hip-Hop好きじゃない宣言みたいになってますけど(笑)、そういう事でもないんです。Hip-Hopの要素を取り入れた音楽をカッコ良いと思う事もよくありますからね。それも、やはりミュージシャンのセンスによると思うんです。・・・そして、ここでようやくCoolboneが出てくる訳ですが(・・・ホントすみません、こんな展開になるとは予想していませんでした・汗)、
Hip-Hopなブラスバンドなんですよ、このCoolboneは。最初にそう言ってますけど。さっきも書いたように、Hip-Hopのアルバムには、楽器の生の音が聴こえないものも少なくなくて、僕はそれが好きになれないんですが、このグループの音楽は管楽器の豊かな音色とHip-Hopの融合といった感じで、凄く温かい印象を受けるんですよね。管楽器の音色は人の声に近いものですから当然だとも思いますが。このアルバムを聴くと、“Hip-Hopにこういう行き方があったのか”、“ブラスバンドにこういう行き方があったのか”と思いますね(最近はこういうのも多いみたいですね)。
“さすが音楽の街 ニューオリンズの出身” という感じです。アルバムの大半の曲はラップが入っているんですが、リードラッパーもトランペットを吹いていたりで、ちゃんとしたミュージシャンでもあるみたいです。・・・こういうところに書いておいて、“みたいです”って何なんでしょうね。
トロンボーンと歌を担当するリーダーのニックネームが“Coolbone”であると今気づきましたが、メンバー全員素晴らしいミュージシャンであると思います。バンドのオリジナル曲の他に、ビル・ウィザースの
“Use Me”や
“聖者の行進”Hip-Hopバージョンが入っていたりと、結構楽しめるアルバムだと思います。なんてったってニューオリンズですから。“Use Me”はミック・ジャガーがレニー・クラヴィッツとのデュエットで演っていて、あれも非常にカッコ良かったですけど、Coolbone の“Use Me”も カッコ良いですよ。・・・でも、元々凄くカッコ良くて、カッコ悪く演る方が難しいような曲なんですよね(笑)。