世界最大の楽器見本市NAMMショーが、今年も1月中旬にカリフォルニア州アナハイムで4日間に渡って行われた訳ですが・・って、話題にするのが遅すぎますが(汗)・・・今年、各楽器メーカーが出してきた新製品には余り盛り上がりを感じませんでした。個人的に。買えるかどうかは別として(基本的には買えないんですけど・・・泣)、ギター好き/楽器好きの僕としては、例年“おぉ、これは凄い!”と、観ているだけで楽しめるものがあるんですが、今年はそういったもの・・・その年の目玉商品みたいなものが少なかったように感じました。・・・このところの傾向として、ギターメーカーに限らず、アンプやエフェクターのメーカーでも、アーティストモデルの開発に力を入れているようで、その類の製品には面白いものも少なくないんですけど(Deanから出た
トミー・ボーリン ・モデルのギターや、ランディ・ローズ・モデルの白いマーシャル等には“おっ!”と思いましたが、いくらファンでも、トミー・ボーリンの顔がでかでかとプリントされたギターを持つ気にはなれないし、ランディ・ローズの場合、そのトーンが好きじゃありません・笑)、そのアーティストのファンではない人には大してアピールしませんよね。やっぱり。また、今年、各ギターメーカーが出してきた新製品を観ていると、何か80年代に逆戻りしているようにも感じるんです(Taylorが発表したソリッドボディのエレキには興味を持ってますけど)。どうも心躍らない2008年のウィンターNAMMでした。2大巨頭の一角Fenderが最も力を入れていたのが、アメリカン・スタンダード・シリーズの改訂版だというのもちょっと淋しかったです。
・・・Fenderのそれは、彼等の楽器作りに関する真面目な姿勢が出たものと好意的に解釈することも出来なくはないですが、もう一方の雄、Gibsonは相変わらず飛ばしてます。真面目な姿勢や腕の良い職人は、アーティストモデルやレプリカの製作等を含む高級ラインに回して、あとはもう適当にやってます(笑)。昨年は、
“Guitar of the Week”と銘打って、適当なギターを次々に発表しましたが(中にはちょっと欲しいものもあった)、今年も似たようなことを始めました。今度は
“Guitar of the Month”だそうです。・・・まあ、商品開発部にすれば、こんなに楽しめる仕事は無い訳で(真面目さは殆ど感じられませんからねぇ・・・)、去年に引き続き、こういった企画を実行出来るというのはそりゃもう最高でしょうけど、週1本から月1本に減ったというのは、やはり社内に抵抗勢力も存在するんでしょうね(笑)。リンク先を観てもらえば分かるように、既にリリースのスケジュールは決まっているんですが、どれも80年代っぽいと言うか、その頃に通じるGibsonの迷走ぶりを表しているようなモデルばかりです(汗)。4月にリリースされるES-295とレス・ポールを合わせたようなギターや、5月リリースのPU交換が容易に出来るレス・ポールはアイデア的にも面白いと思うし、Flying VやExplorerの50周年記念モデルなんかも丁寧に作ってあるように見えるんですが、どれも他のメーカーが作った中途半端なコピー品のように見えなくもありません(笑)。今どき、本家Gibsonが、ケーラートレモロ付きのVやエクスプローラー出すってのも凄いっすねぇ・・・。この辺のモデルなんか、ホントに80年代的です。・・・でも、やはり1番インパクトがあるのは、9月発売予定の
Reverse Explorerでしょうね。昨年の“Guitar of the Week”の中でも一際目立っていた
Reverse Flying Vの反響の大きさに味を占めたのか(信じられないことに、このギター、現在ではレギュラーモデルに昇格してます・・・)、今度はExplorerをひっくり返してしまいました。何だかなぁ・・・。でもまあ、Vの時ほど笑えないと言うか、意外とメタルギターな感じがして、“使う人が使えばカッコ良く見えないこともないかも?” みたいに思ったりします(イナズマ型ピックガードは微妙・・・)。弾きにくそうだけど。 ・・・で、このギターを含む(ケーラー付きを除く)4本のVとエクスプローラーで面白いのは、糸巻きにSteinbergerのギアレスチューナーを使っているところです(新しいGibsonロゴも悪くない)。こういうのを観ると、“去年のGuitar of the Weekよりは真面目に作ってんのかな?”とも思いますが、Steinbergerのファンは、こういうことされると余計ムカつくでしょうね(笑)。Gibson、裸の王様化がどんどん進んでます。まあ、何だかんだ言って、僕は好きなんですけどね。