カバー曲特集も今日で3日目を迎える事になりました。しつこいですか?(笑) でも、やっぱり
笑えるカバー/
バカカバーを面白がって紹介しただけでは
“やり逃げ”のような気もするので(笑)、今日は素晴らしいカバー曲、色んな人に聴いてもらいたいカバー曲をいくつか紹介したいと思います。写真のアルバムは、それぞれ優れたカバーアルバム、素晴らしいトリビュートアルバムの代表として登場してもらいました。
ジョーン・オズボーンの
“How Sweet It Is”と、RAMONESトリビュートの
“We' re Happy Family”です。このブログでは、今までにもカバーアルバムやトリビュートアルバムを紹介してきて、今から書くような事も繰り返し言ってきました。確かにそういったアルバムは企画ものと言えばそうだし、中には酷いものも多いですが(と言うか、そういうものの方が多いですね・・・)、僕はその類のものは決して嫌いではありません。その曲やアーティストを本当に好きな人が、真摯な態度で取り組んだ カバー/トリビュートアルバムや曲には素晴らしい内容のものだってあるんですよね。
ダニー・ハサウェイの
“You've Got A Friend”なんて最高じゃないですか。
ジョーン・オズボーンの
“How Sweet It Is”、僕はこの人大好きで、いずれもう少しきちんとした形で紹介したいと思っているんですが、このアルバムもホントに素晴らしいです。R&Bやロックの名曲を凄く素敵なアレンジ、大人っぽいアレンジにして歌っています。オーティス・レディングの
“These Arms Of Mine”や Sly & The Fa-
mily Stoneの
“Everybody Is A Star”等、中には原曲に近いシンプルな形で演っているものありますが、アレサ・フランクリンの
“Think”辺りは現代っぽくアレンジされていて(と言っても、打ち込みバリバリではないですよ)、曲に新たなエネルギーを注いだようになっています。タイトル曲、マーヴィン・ゲイの
“How Sweet It Is”や ジミ・ヘンドリックスの
“Axis: Bold As Love”といった曲は、原曲とはまったく違うアレンジが施されているんですが、その曲の新たな解釈といった感じで素晴らしいです。この人はもうホントに歌が上手いですからねえ。そういう人が、過去の名曲に愛情を持って取り組めば、こんなに素晴らしいアルバムが出来上がるという良い見本だと思います。
一方
“We're Happy Family”の方は、トリビュートの対象が
RAMONESのようなバンドなので、参加しているアーティストの大半もシンプルな演奏に徹しています。そういった中で、
Marilyn Mansonや
The Pre-
tenders、
トム・ウェイツといった人達は、RAMONESの曲に自由な解釈を加えて、その曲に素晴らしい広がりを与えています。中でもThe Pretendersの
“Somet-
hing To Believe In”、この曲はスロー且つロマンチックにアレンジされていて、
“RAMONESの曲って、こんなに美しかったのか・・・
”と驚いてしまうほどです。シンプルにプレイしている人達の曲を聴いても、RAMONESに対する愛情を持っているというのが良く分かります。明らかにトリビュート対象に対して何の愛情も持っていないアーティストが参加しているようなアルバムも数多くありますが、このアルバムは違うと思います。それに、ここまでシンプルに演奏する
U2なんていうのも、滅多に聴けるものじゃないですから、そういう面から見ても、このアルバムには一聴の価値があると思います。
・・・まあ、
“こういったアルバムを聴くぐらいなら、オリジナルを聴く”と言う人もいるだろうし、それは勿論間違いではないと思います。僕だってそう思う事多いですから。でも、そこでこういったアルバムやカバー曲をいったものを一切認めなかったりすると、古いアーティストや曲は、そのまま過去に流れていってしまう事にもなると思うんですよね。もの凄く有名なアーティストならば話は別ですが。そういう風に埋もれて欲しくないアーティストや曲もありますよね。皆さんも、そんなに有名ではない曲で気に入っているものがあったりすると思いますが。そういったものを埋もれさせない為や、新たな世代に伝える為にもカバーやトリビュートって必要だと思うんですよね。
ミュージシャンの実力を白日の元へさらす為にも有効だし(笑)。当然、そういう事をしようとするアーティストには、力が求められる事になりますからね。単にコピーすれば良いというものでもないですし。それこそ良く出来たコピー品を聴くぐらいなら オリジナルを聴きますよね。今から挙げる曲は、単なるコピーではない、素晴らしいカバー曲です。・・・ブルースという音楽は、“そういう伝統”で成り立っているような面もあるので、今回は省く事にします。
“最初にカバーアルバムをカバーアルバムと意識して聴いたのは何だろう?”と考えてみて、今思い出せるのは
“Rubaiyat”というエレクトラレーベル40周年記念アルバムで、これは色々なアーティストが思いがけない曲を演っていたりして素晴らしい内容のものだと思うんですが、その中でも
トレイシー・チャップマンの
“House Of The Rising Sun”や、
Gipsy Kingsの
“Hotel California”が印象に残っていますね。“Hotel California”の方は、今ではGypsy Kingsのベストにも収められたりしているようですが、元はこのアルバム用の曲だったんですよ。他には
The Georgia Satellitesが演っていたCCRの曲とか、
Metallicaが演っていたQu-
eenの
“Stone Cold Crazy”辺り。・・・まあ、Metallicaというバンドは、こういう事をやる時はファンの気分で思いっきり楽しんでいるので、この曲もコピーと言えばコピーなんですが、もの凄いエネルギーを感じるし、ホントにカッコ良いので。
ジミ・ヘンドリックスのトリビュート盤は、それこそ数えきれないほど出ていると思うんですが、その中では
“Stone Free”や 昨年出た
“Power Of Soul”は、一聴の価値はあるアルバムだと思います(まあ、参加アーティストも豪華なんですが)。前者に収録されているものでは、
シールと
ジェフ・ベックの
“Manic Depressi-
on”、後者では
スティングの
“The Wind Cries Mary”(これはこのアルバム以前に“In From The Storm”に収録されていたんですよね、
ジョン・マクラフリンがソロを弾いていて、それがまた凄いんです)がお気に入り。スティングが演っていた
“Little Wing”も名カバーだと思います。この2枚のアルバムに比べると、参加アーティストは多少・・・いや、かなり地味なんですが、
“Searching For Jimi Hendrix” というアルバムも中々。ラストに収められている、
Five Blind Boys Of Alabama というゴスペルグループによる
“Drifting”なんて感動的ですよ。
“Manic Depression”で超攻撃的なギターを弾いているジェフ・ベックは、あくまでもギタリストであってコンポーザーではないので、カバーの名演も多いんですよね。
ジョージ・マーティンの
“In My Life”収録の
“A Day In The Life”、これは間違いなく彼の
名演のひとつで、彼がピックを使わなくなってからの
奏法の集大成とも言えるものだと思います。ここまでいくと誰にも真似出来ません。・・・元々無理でしたけど。
“Merry Axemas”収録の
“Amazing Grace”・・・は、カバーと言えるのか分からないけど一応挙げておこう(笑)。まあ、ギター馬鹿の彼なので、名カバーを残している一方で、素晴らしくないカバーもしっかり残しているんですよね。
“Love Is Blue”・・・恋は水色です。売れたかったのは分かるけど、何もこんなん演らんでも・・・(泣)。この曲なんて、昨日の
バカカバーに入れたいぐらいです。
うお~、次から次へと出てきて、一向に終わる気配が無い。しかも、ただ列挙しているだけで、まったくまとまりが無いし。・・・これはいつもか(笑)。ジョージ・マーティン “In My Life”には、あれもありました。
ゴールディ・ホーンの
“A Hard Days Night”、これが良いんですよ~。ゴールディ・ホーンがクラブ歌手の雰囲気で歌声を聴かせてくれます。昨日のジム・キャリーもそうですけど、向こうのスターはホント芸達者ですよね。・・・となるとThe Beatlesか、映画
“I Am Sam”のサントラ盤、あれは
実質的にはThe Beatlesトリビュートみたいなもんですよね。参加アーティストは、みんな素晴らしいパフォーマンスを披露しているし。中でも僕は、
ルーファス・ウェインライトの
“Across The Universe”がお気に入りです。ジョン・レノンの曲をあそこまで堂々と歌える彼と彼の声は凄いと思いますね。
ポール・マッカートニーの
“Run Devil Run”も、彼のR&Rへの愛情が感じられる素晴らしいカバーアルバムでした。バンドメンバーの人選がまず最高でしたね。
・・・ちょーまずい、ホントにキリがない(汗)。あと、
マーヴィン・ゲイは カバーされる人気アーティストですね。
ロバート・パーマーは アルバム
“Riptide”の中で
“M-
ercy Mercy Me”と“
I Want You”をメドレーにして演っていて、これも現代的なアレンジ(と言っても15年前の話)で素晴らしかったし、
トッド・ラングレンが
“W-
ith A Twist...”で演っていた
“I Want You”も素晴らしかった。このアルバムはトッドがボサノヴァに挑戦していて、この曲は勿論、自身のヒット曲も
ボッサ調で演っているんです。このアルバムは良いですよ~。もうこの辺で切り上げておかないと日付が変わってしまうので、いい加減にしときますが、最後はもう一度、
ジョーン・オズボーンさん登場してもらいましょう。
“Steal This Movie”という映画のサントラに収録されているボブ・ディランのカバー
“My Back Pages”、ここで彼女は
ジャクソン・ブラウンとのデュエットでこの曲を歌っているんですが、これが
ほんっとーに素晴らしいんです。ボブ・ディランに代わって僕が感謝状送りたいぐらい。こういった優れたカバー曲を聴くと嬉しい気持ちになるし、ちょっと大げさですけど
“音楽を好きで良かったな”みたいに思ったりもするんです。こんな風に、その曲の魅力を再確認する為にもカバーって必要だと僕は思うんですが、皆さんはどうでしょう?
よーし、今日はこの辺で勘弁しといたる。
乱文御免!
ここまで長く書いてきて、更に思い出したので追記です。日付も変わってひと安心(笑)。ここで紹介しておかないと、今度はいつ紹介できるか分からないので・・・。
Fleetwood Mac の
“Show-Biz Blues”というコンピレーション盤に入っている
“Twist & Shout”、これはカッコ良いですよ~。歌っているのは勿論
ピーター・グリーン、こんなにブルージーな“Twist & Shout”は他に聴いた事がありません。
まあ、LIVEの余興みたいな感じで、大したヒネリもないですけど、
僕はピーターのファンなんで。
一夜明けて再び追記。昨日この記事を書き始める前は、こういうものも頭にあったのに、日付変更が迫ってきてすっかり頭から飛んでました。もうちょっと早くから書き始めたらどうだ?・・・ってか、もうちょっと短くしたらどうだ?>俺 ・・・無理です(泣)。
VAN HALENの
“Won't Get Fooled Again”、VAN HALENは1stシングルもThe Kinksのカッコ良すぎるカバーでしたが、LIVEアルバム“Right Here, Rig-
ht Now.”で演っているこのThe Whoのカバーもカッコ良いです。もの凄く。The Whoの曲をここまでダイナミックに演奏できるバンドは、彼等以外にいないでせう。KISSトリビュート
“Kiss My Ass”に収録の
レニー・クラヴィッツの
“Deuce”も問答無用のカッコ良さ、ハーモニカを吹いているのは
スティーヴィー・ワンダーと、超豪華なカバーです。