新潟県中越沖地震が発生して3日目になりますが、断水やガスの供給停止などが続いている地区は多いようだし、当然余震も未だに続いているしで、被災地が本格的な復旧活動を開始出来るのはもう少し先になりそうですね。先日も書いたように、僕は今回の地震による被害は殆ど出なかった下越地方に住んでいるんですが、同じ新潟というだけで、皆さんに御心配して頂いて、温かいメールやコメントなどを頂戴してしまいました。皆さん、本当にありがとうございました。・・・地震発生当日は“新潟県内で大変な目に遭っている人達が居るのに、呑気にブログの更新しているのも如何なものか?”と思ったので、とりあえずこちらの様子だけ書いてみたんですが、幸いなことに下越地方では普段とまったく変わらない生活が出来ているので、このブログも今日から通常営業に戻りたいと思います。・・・もう一度言っておこう。御心配頂いて、メールやコメントを下さった皆さん、本当にありがとうございました。
・・・え~と、それでは通常営業再開(2日大人しくしてただけですが・・・)第1弾は、ギターの新製品にツッコミ入れるという、興味のある人しか興味のない(当たり前)、興味がある人からも反応は殆ど得られない(笑)という、恒例になりつつあるネタで行きたいと思います。・・・既に何度か書いていますが、ここ最近の有力楽器メーカーは、各社ともアーティストモデルの開発に余念がありません。ギターやベースに限らず、アンプやエフェクターといった機材にまでそれは及んでいますから、もう“ブーム” と呼んでも良いかもしれません。・・・“有力”と書いたのは、やはりある程度力を持ったメーカーでないと、そういうモデルは作れないんですよね。特に欧米は契約社会ですから、メーカーにもそれなりの力が要求される訳です。アーティストとしても、しょぼいメーカーから自分の名前を冠したモデルを発表したのではカッコつかないじゃないですか(笑)。ロックミュージシャンなんて、“カッコつけてなんぼ”の仕事だし。そんな業界の流れ/状況なので、アメリカを代表する2大ギターメーカー、FenderとGibsonの力の入れ方は凄いんですよ。アーティストモデルのリリースラッシュです。・・・この2つのメーカーの場合、多くのアーティストが、元々そこの製品を使っていることが多いというのも強みですよね。まったくのオリジナルモデル・・・例えば
ブライアン・メイ・モデルみたいなギターをわざわざ一から開発しなくても、自社製品を少しアレンジするだけで、“アーティストモデル一丁あがり”な訳ですから。・・・そして、今回ツッコミ入れようと思っているのも、そういうギターです。・・・“買う気もないのに、何でオマエはいつも突っ込んでばかりなんだよ”と思われる方が居るかもしれませんが、買う気がない、それ以前に財力がない(泣)から突っ込めるんですよ(笑)。買う気とそれをバックアップする財力があれば、突っ込まずに褒めまくります。
・・・てことで、少し前も
アンディ・サマーズ・モデルのテレキャスターや、
エディ・ヴァン ・ヘイレンのハンドメイドギターのレプリカで大きな話題を呼んだ、Fenderから発表された最新のアーティストモデルが、下の写真にある
ジョー・ストラマー・モデルのテレキャスターで、対するGibsonからInspired Byシリーズの最新作として発表されたのが、
ジョン・レノン・レス・ポールです(ジョン・レノン・レス・ポール、冷静に考えてみると、2人のアーティストの名前が連なっていることになって、漫才コンビの名前のようにも聴こえます。“西川のりお・上方よしお”みたいに)。今更説明するまでもないことですが、ジョー・ストラマー、ジョン・レノン、2人とも故人です。アーティストの意向はまるで入っていないアーティストモデルということですね(笑)。偉大なロッカーは、亡くなったあとも莫大なお金を生み続けるということなんでしょう。どちらも結構な値段すると思いますよ(・・・あ、既に日本に入ってきている限定300本のジョン・レノン ・モデルは、最安値で65万ぐらいですね)。ジョー・ストラマー・モデルなんて、“きったないテレキャス”でしかないのに(笑)。・・・まあ、こういったギターの制作裏話的なものを知ると、そこには凄い時間と情熱がかけられていて、実際に作っている人もそのアーティストの熱烈なファンであることが多かったりするんですが、その手間暇がおもいっきり反映された値段、かつてそのアーティストの一ファン、純粋なキッズであった現在の大人を狙い撃ちしたかのような価格設定は“なんだかなぁ・・・”と思います。これは僕が毎月1本ギターを買えるような奴であっても(そうなりたい・・・)そう思いますね。こういったアーティストモデル・・・凄い値札が付いたレプリカに対して、決して触手は伸びません。同じお金を払うなら、もっと別の楽器買いますね。僕は。 “ギターとアンプ”だって良いし。大体、のりお・よしお・・・もとい、ジョン・レノン・レス・ポールの方なら、それを欲しがるリッチなビートルズファンの医者とか会社重役とか居そうですけど、ジョー・ストラマーをアイドルとするような元パンクスが、そんな財力つけているのか甚だ疑問です。どちらもおもいっきり偏見入ってますが(笑)。
・・・でもまあ、どちらも良く出来ていることは確かで(実際に触った訳ではありませんが)、楽器的にどちらが面白いかと言えば、チャーリー・クリスチャン・モデルのPUをフロントに増設したジョン・レノン・モデルの方なんですが、ジョー・ストラマー・モデルの方は、ギターを自分好みにカスタマイズ出来るように、ステッカーやステンシルがオマケに付いているところが良いですね(笑)。これは初回1500本限定のオマケらしいので、欲しい人は早めに買った方が良いと思います。・・・このオマケ付きというところも“ジョー・ストラマーのファンやパンクロッカーなめてる?”という気がしなくもないし、“そもそもジョー・ストラマー・モデルのギターってどうなのよ?クルマの塗装屋に持って行って、黒に塗り替えたというメチャメチャパンクな成り立ちを持つギターをFenderのような大メーカーが再現するってどうなのよ?”という感じもあったりしますが(ミック・ジョーンズの立場もないし・・・)、生前のジョー・ストラマーはその気がなくもなかったみたいなんですよね。彼が90年代後半に来日した時のインタビューで、 “もしFenderが俺モデルのギターを作ってくれることになったら、ボディはこういう(激しい弾き方によって右腕の当たる部分がコンター加工されたように削れている)形でなければいけない”とか言ってました。しかも、自分で勝手に
“ストラマキャスター” と命名していたという・・・(笑)。そんなところに彼のギターに対する愛情や意外と可愛い性格が見えてきて、何だか微笑ましかったです。“あぁ、この人、やっぱり良い人なんだなぁ・・・”みたいな。惜しい人を亡くしました。・・・って、そんなオチあり? ・・・まあ、“FenderもGibsonも、こういったアーティストモデルに注いでいる情熱をレギュラー品にも向けてくれればなぁ・・・”と思ったりしますけど、そんなことしたらこの2つのメーカーっぽくないですかね(笑)。