つい先日、国内盤もリリースされた、ジョニ・ミッチェルのトリビュートアルバムです。これは素晴らしいですよ~。 毎月のようにリリースされる様々なトリビュートアルバムに、“またかよ・・・”なんて食傷気味の人も多いと思いますが、そんな人にも自信を持ってお薦めしたいです。・・・何たって、トリビュートの対象がジョニ・ミッチェルですからね。参加アーティストにも、それ相応の実力が求められる訳です。・・・実は僕、ジョニ・ミッチェルのファンなんですけど(その割に、アルバム全部揃えている訳ではない・汗)、彼女に対しては畏怖の念に近いものも持っているんですよ。“へへぇ~っ”となってしまうんです(笑)。その余りにもオリジナルな音楽に、ひれ伏してしまうんですねぇ・・・。なので、ここで彼女の音楽について、とやかく書く気にはとてもじゃないけどなれないんですが、音楽のみならず絵画や写真など、それぞれの分野で非凡な才能を発揮して、“音楽業界にウンザリした”という理由で、セルフカバー(with オーケストラ)アルバム
“Trave-logue”を最後にレコーディング活動を止めてしまった彼女は真のアーティストだな ・・・、天才というのはこういう人のことを言うんだろうな・・・という風にはいつも思ってます(彼女自身も、3歳の頃から自分が天才だと自覚していたらしいですが・汗)。 ・・・と言うことなので、今日は僕の思い入れや思い出話を書くのは止めといて、まずはこのアルバムの収録曲と参加アーティストを書いてみることにします。・・・手抜きしてる訳じゃないっすよ(笑)。
Free Man In Paris / Sufjan Stevens
The Boho Dance / Bjork
Dreamland / Caetano Veloso
Don't Interrupt The Sorrow / Brad Mehldau
For The Roses / Cassandra Wilson
A Case Of You / Prince
Blue /
Sarah McLachlan
Ladies Of The Canyon / Annie Lennox
The Magdalene Laundries / Emmylou Harris
Edith And The Kingpin / Elvis Costello
Help Me /
k.d. lang
River / James Taylor
・・・どうですか、この豪華すぎるメンバー。凄いですよね。このアルバムは、彼女の(今のところの)最後のレコーディング作の発売元、Nonesuchレーベルからのリリースですが、そこの社長が自ら制作に乗り出し、3年がかりで完成させたものらしいんです。ノンサッチ社長(仮名)の執念すら感じるメンツが揃ってますよね。レーベルの枠もおもいっきり超えてます。しかも、それぞれが確固たる自分の世界を持った人達ばかりです。そんな人達が、“孤高のアーティスト”ジョニ・ミッチェルの曲を敬意たっぷりにカバーしているんですから悪い筈はないんです。素晴らしくない訳がないんです(と言ってる割に、Topバッターのスフィアン・スティーヴンスという人は、今回初めて聴いた・汗)。ホント、どれも良いんですよね~。それぞれ個性はしっかり出しているし。・・・それでも、敢えて好きなところを挙げるとするならば、ブラッド・メルドーの
“Don't Interrupt The Sorrow”(当然これはインストにアレンジされてます)から、カサンドラ・ウィルソンの
“For The Roses”(ギターはブランドン・ロス)、そしてプリンスの
“A Case Of You”へと続く箇所ですかねえ。特にプリンスの“A Case Of You”、僕は今までこの人の音楽をカッコ良いと思うことはあっても、歌が好きと思ったことはないんです。正直言って。でも、ここで聴かれる彼のボーカルにはシビレました。歌も上手いんですね・・・だって(笑)。あと、初期の頃の曲をカバーするアーティストが多い中で、割と最近の曲・・・“Turbulent Indigo”からの
“The Magdalene Laundries”を取り上げたエミルー・ハリス、これも良いです。個人的に、70年代のジョニ・ミッチェルの澄んだ声よりも、歳喰ってからの(笑)少しハスキーになった声が好きだったりするので、同じような声の変遷を歩んでいるエミルー ・ハリスのこの曲にはグッときます。・・・と言うか、この曲自体、凄く好きなんですけどね(
The Chieftainsのこのアルバムに入っているバージョンも最高!)。
・・・ビョークもk.d. langもやっぱり素晴らしいし(k.d.は、
このアルバムでも、ジョニ・ミッチェルのカバー演ってます)、サラ・マクラクランは綺麗だし・・・と、褒めればキリが無いアルバムですが、“ジョニ・ミッチェルの音楽は余り聴いたことがなくて・・・”という人が聴いても充分楽しめるものだと思います(特に女性ボーカル好きの人には良いかも)。トリビュート/企画モノ嫌いの人も是非どうぞ(笑)。