F1チームの新車発表ラッシュも一段落した感じで、先週は2日金曜にウィリアムズの新型車
FW29の発表があっただけでした。・・・どうなんですかね?このクルマ。昨年型同様コンパクトにまとまっていて(若干シェイプアップされているようですね)、いかにもウィリアムズらしい質実剛健なクルマに見えますが、F1カーにしてはちょっと可愛すぎるような?ウィリアムズのようなチームのクルマを指して“可愛い”というものアレですが(笑)、そのカラーリングも関係して、例えばペンギンのような動物を連想してしまいます。TOPチームのクルマが持っているような、F1カーらしい尖った部分が感じられなくて、イマイチ速そうには見えません。別カテゴリー・・・同一シャシーを使って行われているシリーズのクルマなら文句はないんですが、これまでにドライバーズ及びコンストラクターズチャンピオンを何度も獲って来た、かつての常勝チームが、失地回復を狙って送り出すクルマにしてはちょっと大人しすぎる印象を受けますね(あくまでも見た目の印象)。一発逆転を狙って、もの凄く攻めたクルマ・・・あのブサイクなセイウチノーズを持ったFW25のようなクルマを出して来たら面白かったんですけど、そこでウケを狙ってもしょうがないですかね(笑)。それにしても、大人しい ・・・。
ニューエイをマクラーレンに取られてからのウィリアムズは、カッコ良いクルマを作ることはありませんでしたが、それでもBMWと組んでいた時はエンジンパワーに物を言わせていくつか勝利も挙げたし、このチームにはどこかピリピリしたところがあって(ラルフとモントーヤがチームメイトの時なんて面白かったですねえ・笑)、そこがひとつの魅力でもありましたよね。でも、ここ数年のウィリアムズは、どうも丸くなった気がします。最近のFWシリーズにはそれが表れているような・・・。ウィリアムズのようなチームが丸くなったら駄目なんじゃないだろうか?
故アイルトン・セナを始め、ドライバーなら誰でも乗りたいと思うようなクルマを次々に生み出していたチームが、去年はコンストラクターズ8位まで落ちてしまいましたからねえ・・・。ウィリアムズというチームが一番欲しているのはコンストラクターズタイトルで、“うちのドライバーが勝てたり、チャンピオンになれるのも自分達が作ったクルマのおかげ”という考えを持っているというのは良く知られた話ですが、僕はその頑固な考えがチームの今の凋落を生んだのではないかと思っています。個人的に、ハインツ・ハラルド・フレンツェンのファンだったりもしたので(笑)。でも、その姿勢こそがウィリアムズをウィリアムズたらしめているものだと思っているのもまた事実で、そういった昔気質の“レース屋魂”みたいなものにはカッコ良さも感じます。彼等のようなチームには、やっぱり頑張って欲しいです。メーカーチーム全盛の今のF1で勝つのは容易なことではないと思いますけど。・・・つっても、今シーズンのウィリアムズは、トヨタからエンジンの供給を受けるんですよね。レース屋集団と会社体質のチームが組むんです。この一見ミスマッチな組み合わせはどんな結末を生むんでしょう?1年や2年であっさり別れることになるとしても、ウィリアムズとしては(この先、他の自動車メーカーがF1に参入してきた時の為にも)自分達の技術力やノウハウの高さを見せたいと思っているでしょうし、トヨタはそれをウィリアムズから出来る限り吸収したいと思っているでしょう(既にギアボックスの技術提供を受けたようですが)。・・・まあ、両チーム共それぞれの思惑を持っての提携なんでしょうね。この組み合わせ、意外と上手く行くのかもしれないし、そうでないかもしれない。・・・って、そんなの当たり前ですが、“F1は始まってみないと分からない”ということで(笑)。でも、ホンダがスーパーアグリに喰われることはまずないとして、ウィリアムズがトヨタを喰うことは充分あり得るでしょうね。そうなると面白いし、是非そうなって欲しいです。