それじゃ、今日はこのアルバムで。このところの流れとはまったく関係なく、
Shaw Bladesで。・・・ひと月ほど前から、このアルバムからのある曲が頭の中で流れることがあるんですが、それにひとまずけりをつけようかと思いまして~。・・・などと書くと、“ひょっとしてコイツ、精神を病んできたんじゃないか?”みたいに思われそうな気もしますが、決してそんなことはありません(笑)。少し前に “お好みCD”の編集をしたんですが、そこにその曲が候補として挙がったんです。残念ながら選曲の段階で落とされましたが、もの凄く久々に聴いたその曲が妙に頭に残ってしまって、そんな状況に陥ったのでした。・・・このアルバム、1995年にリリースされているので、殆ど10年近くは聴いていなかったと思うんですが、その曲が始まった瞬間に、“あ~、この曲好きだったな~”と思って、他にも色んなことを思い出したんですよね。どれもどうってことのない話なんですけど(笑)、何かの曲を聴いて記憶が蘇ることってあるじゃないですか。僕はそういうのが面白いし、それもまた音楽を聴く楽しみのひとつだと思います。・・・てことで、今日はShaw Bladesが唯一残したスタジオアルバム
“Hullucination”。
・・・Shaw Blades(日本での表記はショウ&ブレイズ)、顔を観れば分かるように、元
Styxのトミー・ショウと元
Rubiconのジャック・ブレイズ(笑)・・・と言うより、その後の
Damn Yankeesで強力なソングライティングチームとなった2人のプロジェクトです。僕はトミー・ショウが在籍したStyxは(ドモアリガトと歌い出す前までは)結構好きだったんですけど、ジャック・ブレイズが居た
Night Rangerはそんなに好きじゃなかったです。正直言って。演奏は上手いし、曲も良い、更にはLIVEも楽しいらしいけど、どうも好きじゃなかったです。凄腕ギタリストを2人も擁していたのに、シングルカットされ、ヒットした曲がすべてバラードというところを勿体無くも感じてました。バンドにしてもそう感じていたのかもしれないし、ひょっとしたら、ジャック・ブレイズやブラッド・ギルスが、Rubiconであれだけ派手に演って(
“Califonia Jam II”に収録されていた数曲しか聴いたことないんですが)売れなかったことの反省があったのかもしれないけど、彼等のアルバムにロックを感じることは少なかったですねえ。 ・・・それに何と言っても、パンチパーマが伸びたような髪形をしたドラマーが、横向きになって歌っているステージをダサく感じてました(笑)。・・・でも、その余り好きじゃなかったバンドのフロントマンの1人と、結構好きだったバンドのフロントマンの1人がテッド・ニュージェントと組んだバンド、Damn Yankeesは中々好きでした。彼等のアルバムからは、“ただ良い曲を書いて、楽しく演奏しよう”というスカッと爽やか的なものが感じられるところが良かったです(それでもプロデューサーは、当時大ヒットメイカーだったロン・ネヴィソンでしたが)。・・・まあ、メンバーの1人にテッド・ニュージェントが居たんじゃ、下手な小細工をしようとしても出来なかったのかもしれませんが(笑)。
・・・ここで、先日蘇った思い出話をひとつ。1990年当時、スーパーグループとも謳われた、Damn Yankeesの1stアルバムを発売日・・・の前日だったかな?その頃はマメだったから・・・に買いに行って、レコード屋の店頭で、それを手にとって眺めていたら、見ず知らずのお兄ちゃんに、“やっぱりそのバンドには期待してますか?”と話し掛けられ、ビックリしたことがありました。“えっ、誰だ?お前(汗)”と思いながら、 “いや~、Styxは結構好きだったもんで~”とか答えておきましたが、彼は誰だったんでしょうか。僕にどんな答えを期待していたんでしょう?“期待しまくってます!”という風に答えておいた方が良かったんでしょうか。彼のような熱いファンがハードロック/ヘビーメタルを支えているんでしょうねえ(Damn Yankeesメタルじゃないけど)。これを読んで、“ひょっとして俺のことか?”と思う方が居れば、是非御一報下さい。実際に連絡が来たら、1990年5月以上に焦るけど・・・。
・・・で、そこですっかり意気投合した(んじゃないかな)2人が作ったこのアルバム、Damn Yankeesより更に曲に焦点が当てられている感じで・・・と言うと聞こえが良いですが、あっちより売る気は減っていると言うか、もっと適当になっていると言うかで(笑)、“曲が沢山出来たらから、アルバムにまとめちゃおうぜ~”みたいなノリも感じられるものになっています。この力の抜け方、(StyxやNight Ranger時代とは違い)売ることに拘ってなさそうなシンプルなサウンドプロダクションが、却って彼等の書く曲の良さを引き立てているように思います。その当時、その当時の流行りの音作りをしていると、何年、何10年か経って聴いてみた場合に、逆に古臭く感じたりするものですが、このアルバムで成されている音作りはそういったものとは無縁です(ジョン・メレンキャンプとの仕事でも知られる何とかって人・・・ではまずいな(笑)、ドン・ガーマンとショウ&ブレイズがプロデュースしたそうです)。・・・そして、その肝心の曲、さっきから“良い曲”と言っている曲がどんなものかと言うと、これが大したことなくて・・・なんて書くと怒られそうですが(笑)、例えば“Stairway To Heaven”や “Let It Be”のような後世に残る名曲という感じでは全然なくて、“適当に口ずさんで気持ち良い”みたいな曲が並んでます。クルマの窓を開けて大きな声で歌いたいとか、キャンプでみんなで楽しく歌ってみたいとか、そんな感じの(僕はそんなことする奴じゃありませんけど・・・)。この間から僕の頭の中で鳴っている
“I'll Always Be With You”なんて、見事にそんな感じの曲です。僕はこれはこれで凄いことだと思うんですよね。そんな曲を書けるというのは。だからこそ、このソングライティングチームは、
アリス・クーパーや
Aerosmithといったスーパースターにも共作を求められたんだと思います(どれもシングルカット等されていないところが、また“らしい” んですけど・笑)。このアルバムを聴くと、ミュージシャンにとって、“曲を書き演奏する”というシンプルな作業が如何に大切であるかを改めて感じます。・・・これ、適当に言ってみました(笑)。