The Fabulous Thunderbirdsが、1997年に発表したアルバム
“High Water”です。今回も例によって少し古いアルバムで恐縮です。何故かこの時期に発表されたアルバムには、僕が気に入っているものが多いんですよね。このブログを始めた段階で、紹介したいと思っていたグループやアーティストがいくつかあって、その中にこのThe Fabulous Thunderbirdsも入っていたんです。それで、紹介するアルバムをこれにするか、バンドのボーカル、キム・ウィルソンのソロアルバムかにするかでちょっと迷っていたんですが、今日ある方から頂いた(笑)このコメント、
“スティーヴ・ジョーダンのドラム!” が決め手になって、こっちのアルバムになりました。
The Fabulous Thunderbirdsというと、スティーヴィー・レイ・ヴォーンのお兄さん
ジミー・ヴォーンが在籍していた事でも知られるグループですが、僕もやはりその流れでこのグループを知りました。ジミー・ヴォーンが在籍していた頃、
“Tuff Eno-ugh”というアルバムが少しばかりヒットしていた時期に、このバンドは
来日公演まで行なったんですよね。どういう訳か(笑)。その来日公演の模様(だったと思うんですが)は “SONY Music TV”というテレビ番組でも放映されて、僕も録画しながら観ていたんですが、当時 今以上にロックばかり聴いていた僕には、このバンドの音は
地味過ぎて、ジミー兄ちゃんのプレイも弟に較べると
渋過ぎて良さが分からなかったんですよ。それで 事もあろうに、“これはとっておいても観ないな”などと思って、そのテープを消してしまったんですよね・・・。今となっては後悔する事しきりですが、どっちにしろそのテープはβだったので、もう観れません(笑)。観れないのに、まだ手元に置いてるビデオテープいっぱいあるんだよなぁ・・・。
まあ、とにかく当時の僕には、T-Birdsの音は地味すぎた訳です。ジミー兄ちゃんのギターもしかり。もっと分かりやすい・・・例えば、目をつぶってソロを弾きまくるようなギタリストを擁したブルースバンドであればまだ良かったんですが、このグループはボーカルのキム・ウィルソンを筆頭に見た目も完全におっさんで、演っている音楽も
“スカスカのR&R”ぐらいにしか思えなかったんですよね・・・。僕は当時まだ3歳でしたから。その後、僕も無事義務教育を終えて、こういったバンドの良さを分かるようになっていった訳ですが、その頃はもうジミー兄ちゃんはバンドを脱退していました。
相変わらず、前置きが長いですねぇ・・・。この“High Water”は、ジミー兄ちゃんはとっくの昔にバンドから出て行った、他のメンバーもいつの間にか抜けていた、“Fa-
bulous T-birdsって、まだあるの?”という感じの時期にリリースされたアルバムで、一応バンド名義にはなっているものの、アルバムジャケットに“The Fabulous Thunderbirds
featuring Kim Wilson”とあるように、バンドのアルバムというよりは、キム・ウィルソンのソロプロジェクト的な要素もあるアルバムだと思います。ただ、このアルバムでT-Birdsのメンバー扱いになっていて、プロデュースもしているのが、冒頭に出てきたスティーヴ・ジョーダンと、ギタリストのダニー・コーチマーなんです。キム・ウィルソンという男に惚れて、このバンドに参加したであろう この2人が、まるで本当のバンドのようにキムと一緒に曲を作り、プレイをしています。
キム・ウィルソンという人、ちょくちょくベテランブルースマンのアルバムに顔を出していたり、はたまたボニー・レイットのLIVEにゲストとして招かれたりと、まさにブルース系の
ミュージシャンズミュージシャン、
男が惚れる男といった感じの人なんだと思います。勿論、ボニー・レイットは女性ですが。このアルバムに参加している2人のベテランミュージシャン(ギャラ高し)も、“おっちゃんの為やったら何でもしたるで~” といった感じだったんでしょう。キム・ウィルソンの渋い歌やハープをがっちりサポートしています。アルバムを通して目立つのがスティーヴ・ジョーダンのドラムで(この人
このアルバムではベースやギターもプレイしているんですが、これがまた上手いんです・・・)、僕はこの人のドラム大好きなんですが、こういった男らしい音楽には、彼の
ヤクザなドラムはもう完璧にフィットして最高だと思います。何と言いますか~、この人がドラムを叩けば、・・・極端に言えばスネアを一発叩くだけで、そこには既に音楽があるような気がしますよね。・・・僕、ちょっとカッコ良い事言ってますか?(笑)
タイトル曲
“High Water”、男の哀愁
“Promises You Can't Keep”辺りが、僕のお気に入りです。“High Water”、
男を感じさせるアルバムです。