前回からの素直な流れで、今日は
T.M.スティーヴンスのアルバムです。初のリーダーアルバム
“Boom”がリリースされた翌年、1996年に早々と発表された2枚目です。T.M.もレコード会社もこの頃は乗ってました。・・・実際のところ、僕はその1枚目の方を良く聴いていたんですが、今回はこちらにします。アルバムに収められた音楽は、どちらもT.M.の音楽
“Heavy Metal Funk”で、大きく違ったりはしませんが、この2枚目は参加メンバーがほぼ固定されているんですよ。T.M.スティーヴンスのソロでの初来日公演(僕は観てないですけどね・・・)をサポートしたメンバーでレコーディングされたようなアルバムなんです。言ってみれば、ちょっとしたバンドアルバム。・・・そのメンバーとは、ドラムに僕のFavoriteドラマーの1人である、
Living Colour(当時は活動休止中)の
ウィル・カルホーン、ギターにバークリー出身のメタル渡り鳥
アル・ピトレリ、もう1人のギターに男前で歌まで歌える反則男
リッチー・コッツェン、そしてファンクキーボードと言えばこの人、
バーニー・ウォーレルも数曲で参加しています。・・・ぶっちゃけ、このメンバーが出す音を久々に聴きたくなったというのが、こちらのアルバムを選んだ理由です(笑)。
・・・あとはアレですね、リッチー・コッツェンの“ストーンズ日本公演の前座って凄いなぁ、前座と言えどもドーム公演だもんね、それで何?
ビリー・シーンも一緒に出んの?日本以外ではあり得ない話ですな(笑)、でも“サラス/ファウラーコネクション” で、ミック辺りとは面識あったりして・・・、いや、どうかな~?微妙・・・、とりあえず
“Here I Go Again”は演らない方が良いと思うけどね、いずれにせよストーンズのオープニングアクト決定おめでとう記念”ということで。・・・メンバー紹介にどれだけ行数使ってんだよ。>俺
・・・え~と、僕がT.M.スティーヴンスの存在を初めて知ったのは、彼が70年代に日本人JAZZギタリスト増尾好秋のツアーメンバーとして来日した時で、その頃、バリバリのロック小僧だった僕は、音の方は当然聴いていなかったんですが(・・・いや、未だに聴いてないですよ)、Young Guitarの白黒グラビアで観たT.M.には、ホントビックリしました。ルックスが凄くて。・・・で、その後の彼・・・ジョー・コッカーやジェイムズ・ブラウンと一緒に活動していた頃の彼も大して知らなくて、彼のルックスだけでなく、音の方もちゃんと意識するようになったのは、やはり彼がググッとロックに近づいてきた頃・・・
スティーヴ・ヴァイや
スティーヴィー・サラスと組むようになってからですね。そこで殆ど初めて彼のベースを耳にした僕は、“ルックスだけじゃなくて、音も面白いな~”みたいに思いました。
ベチベチッ!ビーン!という彼の音は、ルックス同様インパクト大です。・・・僕がそういうベースが好きかと言うと、それはまた別の話なんですが(笑)、個性というのは大事です。音楽を演る上で一番大事だと思います。・・・そして、長いこと他人のサポートをしてきた彼が本当に演りたかった音楽はどんなものかと言うと、それは冒頭にも書いたように
“Heavy Metal Funk”というものです。T.M.本人がこう呼んでいるんです。観たまま、読んだままの音楽です。ヘビーでメタルなファンクです。・・・僕なんて、“出”がハードロックなもんで、コテコテでドロドロのファンクより、T.M.が提唱しているこういう音楽の方が気持ち良かったりするんですよね(笑)。←いつまで経っても、本格派には成れない奴。
・・・で、この
“Sticky Wicked”で聴かれる音楽も“Heavy Metal Funk”(笑)。もうそう言うしかない。T.M.とウィル・カルホーンの濃くて重くて強靭なリズム隊の上で、アル・ピトレリとリッチー・コッツェンが入れ替わり立ち代り、リズムに、ソロに、と見事なギターを聴かせてくれるんです。そして曲によっては、バーニー・ウォーレルがお得意のクラビネットをかましてくれるという・・・。ホント、ファンキーなハードロックで、ビシビシ、ドスドス決まるウィル・カルホーンのドラムが気持ち良いったらありません。上手いミュージシャンが音楽を楽しみながら演奏しているのが、こちらにも伝わってきます。・・・そんな中、そのメンバーで演奏していない
“Only You”という曲があって、これには元Rebeccaの
Nokkoが参加しているんですが、これがまたファンキーでカッコ良いんですよ。T.M.の“Nokko, you ready?”に“いいよ”と応えて始まり、後半盛り上がってくるところで
“サイコー!”と叫び、最後は“どうかしら~?”で締めるという、山田信子大フィーチャーのこの曲はホントにファンキーです。この曲には、T.M.の奥さん(タカさん)もキーボードで参加しています。・・・他には、
“It's All Good”という曲も良いですね~。・・・と、久々にT.M.のアルバムを聴いて盛り上がっているんですが、彼のアルバムって、その殆どが日本のみでのリリースで、どれを聴いても結構似たような感じなんですよね(笑)。まあ、これはT.M.周辺の人達・・・スティーヴィー・サラスやリッチー・コッツェンの最近のアルバムにも共通することなんですが・・・。でも、そんな彼等の音楽を僕は嫌いではありません。
・・・T.M.が仕切ったアルバムに
こんなのもあって、これも凄くカッコ良いですよ。