この人をオタクと呼ばずして誰をそう呼ぶのでしょう・・・。
The Moog Cookbookのメンバーとしても有名な(笑)
ロジャー・マニングが、ついにソロアルバムを発表しました。日本先行発売で。この日本先行発売には、“自分の音楽をよく理解してくれている日本のオーディエンスを大事したい”というロジャーの意思も強く反映されているらしいので、最近の僕としては珍しく、アルバム発売日当日に買いに行ったんです。・・・けど、当初、2月1日に予定されていたこのアルバムのリリースでしたが、その日、レコード屋に行ったら置いてないんですよね。“おっかしいな~、新潟にはロジャーの音楽を理解している人が少ないというデータでも上がっているのかな~”なんて思いながら(勿論ウソですが)、レコード屋に行く度にチェックしていたんですよ。・・・そして、昨日もそれを思い出して、“ロの段”(Rではなくてロ・笑)をチェックしてみたら、ありました・・・。出てました・・・。“何だよ~、出てんじゃねえかよ~”とホッとしながら買ってきたんですが、The Moog Cookbookのアルバム紹介にあれだけ情熱を注いだ僕には何の断りもなく(笑)、発売日は22日に変更されていたみたいです。
・・・まあ、そんなことはどうでも良くないけど、どうでも良いんですが、このアルバムは素晴らしいです。早くも
“今年のBest Pop Album”との呼び声が高いです。 “POPSファンがこれを聴かんで、どれ聴くねん”という感じの仕上がりです。ロジャーを最初に有名にしたバンド
Jellyfishのアルバムを持っている人は、全員買って下さい。そうすれば、彼のソロでの来日公演も夢ではありません。頼むから買って・・・、僕はまだ彼の演奏を直に観たことないんですよ・・・(泣)。
Jellyfish解散後(ロジャーは最近のインタビューで、“僕はWingsや10cc、Sweetのような音楽を演りたかったので、カントリーっぽいやつやサイモン&ガーファンクルのような音楽を演りたがっていたアンディ・スターマーと別れた”と説明していましたね)は、Jellyfishのツアーメンバーであり、現在は
Sextusのエリック・ドーヴァーと
Imperial Dragを結成したり(日本ツアーの前座はThe Moog Cookbook・笑)、BECKのレコーディング&ツアーメンバーを始めとする数々のセッションワークをこなしていたロジャーでしたが(彼のセッションワークは、有名無名を問わず、ホント多岐に渡っていて、今をときめくMaroon5の前身バンド
Kara's Flowersや、イケイケR&Rバンド
Burning Bridesのアルバムなどでも、その名前を確認することができます・・・これらはすべてブログの記事にする直前に気づきましたが・笑)、彼はバンドのメンバーに自分の持っているアイディアを伝えたりという作業を大変だと感じていたらしくて、やはり自分のソロアルバム・・・誰かと曲を共作するでも、プロデューサーと作業するでもない完全なソロアルバムを作りたいと思っていたようです。・・・そしてついに完成したのが、この
“Solid State Warrior”です。今回、フルネーム(?)のロジャー・ジョセフ ・マニング・Jr.名義でアルバムをリリースしたのは、そんな彼の考えの現れでしょうか?・・・あまり関係ないか(笑)。
・・・そして肝心の音ですが、昨日買ってきてまだ数回しか聴いていないので、“この曲はこうで・・・”といった細かい説明は省きますが(と言うか、どれも良いんですよね~)、Jellyfishの音楽が好きだった人なら・・・いや、POPSが好きな人なら、必ず気に入ると思います。先ほど“完全なソロアルバム”と書きましたが、このアルバムで演奏しているミュージシャンは、ロジャー・マニングたった1人です。すべての楽器をロジャーがこなし、すべてのコーラスをロジャーが重ねています。・・・アホです(笑)。POPミュージックの世界には、これまにでも
ブライアン・ウィルソンや
トッド・ラングレンといった、オタク的な資質と凄い音楽的才能を持った人が現れてきましたが、ロジャー・ジョセフ・マニング・Jr.もそういう人達の仲間だと思います。アルバムの“そこここ”で聴かれる、オルガンやムーグの音色に、ロジャーの拘りと、彼のPOPミュージックに対する愛情を感じます。・・・“Solid State”というのは、トランジスタやオペアンプなどの電気回路によって音を増幅する仕組みのことを指し(かなり適当な説明・汗)、ロジャーがこよなく愛するビンテージシンセサイザーなんて、それらの塊のようなものですけど、“Solid State Warrior”というタイトルも、“僕をアナログ人間だと片付けている人達をからかい、彼等と戦っていく為に付けた”んだそうです(笑)。やっぱりPOPミュージックはこういう音で聴きたいですよ。
僕もアナログ人間ですから!僕はこういう音を出せる人が、本物のミュージシャンだと思います。 ロジャーによるリードボーカルも中々のものですが、欲を言えば、“この曲をアンディ・スターマーやエリック・ドーヴァーと一緒に歌っていたらどうなんだろうな~、聴いてみたいな~” みたいに思わないこともないですかね。・・・でも、このアルバムが
傑作であるということは間違いありません。ムーグでファンタジーな、ロジャーのオタク趣味まる出しのジャケットも良い感じです(クレジットを確認してみたら、このジャケットは日本のデザイン集団
Adapterによるものみたいです)。
先日、プロモーションの為に来日したロジャーが革ジャンの下に着ていた、
スージー ・クアトロのTシャツ、カッコ良かったですね(笑)。そのTシャツ俺にくれ!