無期限の長期休養宣言を出していた
Aerosmithでしたが、思いのほか早くシーンに戻ってきましたね。1年間オフを取ってみたけど退屈でしょうがなかったとか、スティーヴンがカミさんに逃げられた寂しさを紛らす為にツアーに出たがったとか、色々面白い話はあるみたいですが、彼等のようなLIVE中毒のミュージシャンがそんなに長く休んでいられる訳ありません(笑)。そんな彼等がツアーに出る為の理由付けとして(多分)、2002年のツアーから、ラスベガスのハードロックホテルで行われたコンサートを収録したLIVEアルバム
“Rockin' The Joint”を発表しました。そのツアーは
“Just Push Play”に伴うものだったので、最近の彼等のアルバムをまるで聴きこんでいない僕なんて、1曲目の
“Beyond Beautiful”が始まった時は“何だこの曲?”と思ったほどなんですが(笑)、そんな懐古趣味の年寄りである僕を喜ばせてくれる曲もしっかり入っていました。
“No More No More”や
“Season Of Wither”といった古い曲を演っているのも嬉しいですが、
Fleetwood Macのカバーである
“Rattlesnake Shake”、この曲が何と言っても嬉しいですね。・・・という事で、この曲を今週の“今日の1曲”として取り上げたいと思います。
“
ピーター・グリーンがいた頃のFleetwood Macのようなバンドを作りたかった”というのは、
ジョー・ペリーが結成当初のAerosmithについて訊ねられると決まって口にするセリフですが、それほどピーター在籍時のFleetwood Macは凄いバンドだったと思います。ジョー・ペリーは、エアロの前作
“Honkin' On Bobo”の中でもMacの
“Stop Messin' Around”を取り上げ自ら歌っていましたが、あの曲はアルバムに収録されるずっと以前から、LIVEにおける彼のレパートリーだったんですよね(彼は日本で買ったレスポールについて、“このギターはピーター・グリーンのレスポールのような音がするんだ”とインタビューで自慢していたり(笑)、かなりのピーターフリークと思われます)。・・・そして、“Rattlesnake Shake”も、Aerosmithがデビューする前からレパートリーにしていた曲なんです('91年リリースのBoxセット
“Pandora's Box”には、'71年にラジオ番組用に録音されたこの曲が収められています)。エアロバージョンは原曲に較べると少しテンポを落としていますが、原曲の持つ雰囲気を見事に再現していると思います。エアロらしさを盛り込みながら再現しているのが素晴らしいんですよね。・・・聴いてもらえば分かりますが、この曲には最近のエアロの曲・・・外部ライターと共に書いた曲からは失われてしまった猥雑さ、淫靡さみたいなものがタップリ詰まっているんです。
・・・察しの良い人はお気づきかと思いますが、この曲は“Rattlesnake Shake”という勇ましいタイトル(?)に反して、寂しい男の寂しい行為を歌ったものなんですよ(“Rockin' The Joint”の中で、ジョー・ペリーに“I know this guy, his name is Steven”と歌われている(そういう行為をしているとネタにされている・笑)のは、原曲ではミック・フリートウッドだったりします)。“Rattlesnakeがナニで、Shakeはアレだ”というような細かい説明は省きますが。って、殆ど言ってますが(笑)。この曲は復帰後のピーター・グリーンもレパートリーにしていますが、現在のピーターのかすれた声で歌われると、一抹の寂しさも感じるんですよ・・・。でも、Aerosmithのようなバンドが演ると、“コイツら、相変わらず好きだな~(笑)”とか思ってしまうんですよ。やっぱりエアロには、年をとってもこういう悪い大人でいて欲しいんですよね。 ・・・エアロの事を書くと、毎回こういうオチになってしまいますが(汗)、いくら外部ライターとバラードを書こうと、キムタクと雑誌の表紙を飾ろうと、B'zと共演してしまおうと(泣)、LIVEではこういう曲を演ってくれたりするので、彼等の事はいつまでも追いかけていってしまうんですよね~。でも、そろそろドームツアーは止めて欲しい・・・。
エアロの“Rattlesnake Shake”を聴いてカッコ良いと思った若者達、Fleetwood Macも聴いてみようね。
“Live at The Boston Tea Party”がお勧めです。