何だか急に寒くなってきましたね。僕の住んでいるところでは、明日は雪になるかもしれません。秋になったと喜んでいたのもつかの間、もう完全に冬が始まってしまいました。冬は決して嫌いではない・・・と言うよりは好きな季節ではあるんですが、やはり寒いし、暗いし、何かこう・・・不安を煽るような季節ですよね(笑)。そんな季節には、心を温めてくれる音楽を聴きたくなります。・・・って、気持ち悪い事言ってますが(笑)。僕の中で、聴いていてそういう気分になるアーティストと言えば、
ロン・セクスミスが最右翼です。・・・という事で、早くも3度目(?)の登場になりますが、今年の9月にリリースされた、
Sexsmith & Kerrの
“Destination Unknown”を紹介したいと思います。
Sexsmith & Kerrという名義を見れば分かりますが、このアルバムはロン・セクスミスのソロアルバムではなく、80年代後半から彼と行動を共にしてきたマルチミュージシャン、
ドン・カーとのデュオアルバムです。元々はロンの前作
“Retriever”に入りきらなかった曲(殆どがカントリー色の強いものだったそうですが)を、ツアーの合間にドンと2人で形にしていったもので、自分達の楽しみ為だけに作った作品なんだそうです。正式にアルバムがリリースされるとも思っていなかったらしいですが、こういう素晴らしい作品を内輪だけの楽しみにしていたら駄目でしょう(笑)。・・・“Ret-
riever”の記事の中でも言ってますけど、僕にとってのロン・セクスミスは、
秋から冬の人なんです。まあ、こんな風にイメージを固定されてしまっては、アーティストにとってはたまったもんじゃないとは思いますが、しょうがないんですよ(笑)。1年の中でも秋から冬にかけて妙に聴きたくなる人なんです(と言いながら、結局1年中聴いているような気もするんですが・・・)。何とも憂いのある声がそうさせるんでしょうね。 ・・・でも、この“Destination Unknown”では、ロン自身の“カントリーっぽい曲が多い”という発言にもあるように、彼のソロアルバムに較べると明るめの曲調が多くて、プロダクション的にも非常にシンプルです。更に彼の歌声も、いつになくお兄さんっぽい感じ(笑)がします。・・・とは言え、ジャケットでも表現されているように、この
アルバムのテーマは子供時代、この辺がいかにもロン・セクスミスらしいし、相変わらず寂しそうな曲も入っています。やっぱりロンは寂しくないと。
・・・まあ、僕は自分の持っている勝手なイメージにロン・セクスミスの音楽をはめていますが、そういうのとは関係なしに、本当に素晴らしい曲を書き続けている人だと思います。そしてやはりあの声ですね。あの声で
“Raindrops In My Coffee~♪”なんて歌われれば、こちらとしてもホンワカせずにはいられません(それにしても、ロンって童心を持ったロマンチストだなあ。デカいくせに・笑)。ドン・カーによるプロデュースもグーですね。さすがに長年ロンと行動を共にしてきただけあって、彼の曲や声にはどんな音が合うのか熟知している感じです。ロンの声のように温かみのあるアコースティック楽器の音が素晴らしいです(・・・ただ、このデュオはあくまでもサイドプロジェクト的なもので、ロンの次回作は
ミッチェル・フルームと久々に組んだものになるようです。僕は、ロンとミッチェル・フルームの相性は抜群だと思っているので、非常に楽しみでもあります)。ホント、どの曲も素晴らしく温かくて、ベストトラックを選ぶのも大変ですが(だったら選ぶな)、強いて挙げれば5曲目の
“Chasing Forever”ですかね。何故かと言うと、ストリングスの音が寂しそうだから(笑)。
・・・そう言えば、僕が子供の頃、家にいた犬はロンって名前だったな~。