ロバート・プラント通算8作目となるアルバムです。
前作から3年ぶりとなる今年の5月にリリースされました。・・・前回書いたような理由から、Led Zeppelinの熱心なファンとは言いがたい僕ですが、元メンバーの活動はやはり気になってしまいます。特にロバート・プラントの活動姿勢は好きなんですよ。ボーカリストとしてのロバート・プラントのファンかというと、これまたそうでもなくて・・・いや、ファンか?・・・ファンかも?・・・て、どっちやねーん!・・・すみません、やっぱりファンです。一応。・・・まあ、皆さんも良く御存知の通り、現在のロバート・プラントは全盛期の姿とは較べるべくもなく、声量、声域共に著しく衰えてしまっていますが(涙)、彼の音楽に対する情熱は、ZEP時代と何ら変わりのないもの・・・ひょっとするとZEP時代以上に強いものだと思います。
・・・2年前にLed Zeppelinの未発表LIVE映像を収めたDVDが発表されましたが、あれは世界中のロックファンにとって、殆ど事件と呼べるような出来事でしたよね。実際、僕もあの中に収められた全盛期の彼等の姿には圧倒されました。ああいう素晴らしい仕事をしたジミー・ペイジは凄いと思うし、大げさに言えば感謝の気持ちみたいなものもありますが、優れたミュージシャンの集合体でもあったLed Zeppelinというバンドのファンだった者としては、そのメンバーには、あまり過去に囚われずにいつまでも
現役でバリバリ活動して欲しいという気持ちの方が強いんです。その点においてロバート・プラントは素晴らしいと思うんですよ。ジミー・ペイジよりも全然(笑)。2人とも若い頃にガッポリ稼いだだろうし、今更働かなくても印税やら何やらで、お金なんて山ほど入ってくると思うんですよ。でも、2人とも未だに活動しているというのは、彼等が真のミュージシャンである事の証明なんでしょうね(ジミー・ペイジがLed Zeppelinで作り上げた音楽への拘りをいつまでも持っているのに対して、ロバート・プラントは新しい音楽・・・と言っても、そんなに目新しいものではありませんが・・・を創造するのに拘っているという違いはあると思いますけど・・・)。そして、 “ZEP再結成”という事にはならなくとも、2人が一緒に組めば凄い騒ぎになる(当然巨大なお金が動く)と分かっていても、安易にそちらへは向かわず、決して有名とは言えないミュージシャン達と一緒に、新しい音楽を作り続けているロバート・プラントの姿勢は尊敬に値するものだと思います。
・・・で、この
“Mighty Rearranger”、バックを務める有名ではないミュージシャン(笑)は、基本的には前作と同じメンバーですが、
Strange Sensation というバンド名も付いて、アルバムもRobert Plant & The Strange Sensationというバンド名義のものになっています。・・・実はこの事にはついさっき気づいたんですが(笑)、ちょっとした驚きでした。だって、いくら“ロバート・プラント&○○”としても、多くの人はロバート・プラントのソロアルバムとして聴くと思うんですよ。それでも、あえてバンド名義にしたというのは、ロバート・プラントがこのバンドを凄く気に入っている事の現れであり、 “このアルバムに収められている音楽は彼等と一緒に作り上げたものである”と宣言しているようなものなんじゃないでしょうか。・・・巷に流れている噂とは違って、ロバート・プラントって、意外と良い人なのかもしれませんねえ(笑)。 ・・・音的には、かなり大人しめの印象を受けた前作よりはハードで、聴く人によっては
“ZEPっぽい”という感想を持つかもしれません。“静と動”“柔と剛”のコントラストが、ZEPっぽくありますね。ハードなリフを持った曲というのはそんなにありませんが(少しはある)。・・・Led Zeppelinの音楽を大人になってから聴いてみると、子供の頃には単に“不思議な感じの音楽”として聴いていたワールドミュージック的な要素に気づいて、彼等の音楽のオリジナリティに感心する事がありますが、そういった路線もしっかり続いています(・・・僕は最近、トラッドフォークやケルト音楽に対する思い入れはジミー・ペイジの方が強いけれど、中近東の音楽に対するそれはロバート・プラントの方が強いんじゃないか?みたいに思うんですが、どうですかね?)。
・・・そんな感じの
“大人のロックアルバム”で、聴いていると、たとえ全盛期のように声は出ていなくても、噂通り性格が悪くても、ロバート・プラントはやはり
“孤高のボーカリスト”であると実感します。
CDレーベルが中々きれいなので、
kingdowさんのところへトラックバックしようと思います。前作
“Dreamland”のレーベルも結構良いんですけどね~。
Robert Plant & The Strange Sensation / Mighty Rearrenger