いきなりおっさんの写真ですみません。モータスポーツに興味のない方は“誰この人?”という感じだと思いますが、この人は現代のF1に於いて、最も成功を収めたデザイナーの1人なんですよ。
エイドリアン・ニューエイというんですが。2005年シーズン最速のクルマ、McLaren MP4-20をまとめ上げたのもこの人。そのエイドリアン・ニューエイが8年間在籍したマクラーレンを離れ、来年2月末からレッドブルチームの最高技術責任者となる事が発表されたんです。エイドリアンはレッドブルの前身であるジャガーと契約寸前まで行った事もあったので、意外な感じこそしませんが、移籍が噂されてから正式発表に至るまでの時間があまりにも短かったので、まさに“電撃移籍”という感じです。
・・・いやホント、F1に興味のない人には、“スタッフの移動がそんなに大騒ぎする事なのか?”だと思いますが、モータースポーツは特殊なスポーツですからねえ。いくら速いドライバーであっても、クルマが悪かったらまるで話にならないんですよ。・・・ってまあ、それぐらい言われなくてもお分かりでしょうけど。ぶっちゃけ、
この人のおかげでチャンピオンになれたドライバーは何人もいる訳です。それぞれのファンには怒られそうですが、ナイジェル・マンセル、デイモン・ヒル、ミカ・ハッキネン辺りは、“エイドリアンがデザインしたクルマがあったからチャンピオンになれた”みたいなところが少なからずあったと思います。・・・あ、ジャック・ヴィルヌーヴ忘れてた(笑)。勿論、どのドライバーもチームメイトに打ち勝ってのチャンピオン獲得ですから、彼等のチャンピオンとしての資質を疑う訳ではありませんが。ハッキネンは文句なしに速かったし(・・・と、ちょっとフォロー)。90年代のF1は、
“エイドリアン・ニューエイのクルマ VS アイルトン・セナ/ミハエル・シューマッハー”という図式の上に成り立っていたと言っても過言ではないと思います。それで、この人の作るクルマは速い上にカッコ良いんですよ・・・。もう憎たらしくなるぐらい。それほどの実力と影響力を持った人の移籍ですから、ドライバーの移籍以上に大きなニュースであり、これから先のF1の勢力図を塗り替えるものだと予想される訳です。・・・まあ、来年のレッドブルのクルマは既に別の人によってデザインされているでしょうから、2006年からいきなりレッドブルがチャンピオンを争うポジションに来る事はないと思いますが、色々と面白くなってきましたな~。Super Aguri Formula 1 と佐藤琢磨はどうなる?!
・・・でも、エイドリアン・ニューエイ、マクラーレン離脱のホントの理由は、この似合わないチームウェアを着るのが嫌だったからだと僕は踏んでいます。