最近では
エリック・クラプトンの右腕的存在になりつつある、
ドイル・ブラムホールII のおとっつぁん、
ドイル・ブラムホールのアルバムです。1994年リリース。2日連続で同じ名前、同じ書き出しにしてみましたが(笑)、ドイル ・ブラムホールII が、クラプトンのバンドで2ndギタリストを務め、アルバムに楽曲も提供して活動に貢献しているように、父親であるドイル・ブラムホールは
スティーヴィー ・レイ・ヴォーンの活動に貢献していました。・・・もっとも父ドイルの場合は、息子ドイルとは違って完全に裏方、本業のドラマー/ボーカリストではなく、コンポーザーとしてスティーヴィーをサポートしていたんですが。70年代にはヴォーン兄弟ともバンドをやっていた彼なので、地元テキサスでは結構な有名人だったと思いますが、一般的にはやはり、スティーヴィー・レイのコンポーザーとして知られた人ではないでしょうか。
“Dirty Pool” “Change It” “The House Is Rockin'” “Tight Rope” “Wall Of Denail” “Life By The Drop” ・・・と、彼が関わっている曲は、どれもスティーヴィーの代表曲と呼んで良いものだと思います(The Vaughan Brothersのアルバムにも3曲提供してます)。そして “Change It”に代表されるように、彼の書く曲は
凄くソウルフルで、“男の哀愁” が感じられるものばかりなんですよね。パパドイルのクレジットがある曲は、どれも僕のFavorite SRVナンバーです。
彼の初のリーダーアルバムである
“Bird Nest On The Ground”は1994年にリリースされていますが、収録された楽曲は、彼が80年代から長年録り貯めていたものになっているようです(そんな訳で、スティーヴィー&
Double Troubleが参加している曲もあったりします)。自作の曲(“Change It”のオリジナルバージョンもあり)は勿論、
“The Hunter”や
“I'm In The Mood”、
“I Can See Clearly Now”といった、有名曲のカバーも演ってます。当然、参加ミュージシャンも大勢いて、ヴォーン兄弟やDouble Trouble、息子ドイルに
The Memphis Horns・・・、知らない人もいっぱいいます(笑)。父ドイルはボーカルと殆どの曲のドラムを担当していますが、今回改めて聴いてみて(こういうの多くてすみません、普段あまり真面目に聴いてなくて・・・)、
“スティーヴィー・レイ・ヴォーンのボーカルは、ドイル・ブラムホールに影響されていたのではないか?”と感じました。・・・いや、“いたのではないか?”ではなくて、絶対そうですね。スティーヴィーはドイルのように歌おうとしていたんだと思います。まるでスティーヴィーが歌っているように聴こえる(話が逆ですが)ところがいくつもあるんですよ。スティーヴィーほど力んではいませんけどね(笑)。・・・そんなアルバムなので、スティーヴィーを始めとするテキサスブルース(こういう言い方すると、ブルース純情派の人達に怒られそうですが・笑)が好きな人には、気に入ってもらえるアルバムだと思います。あまり派手ではないですけどね。こちらでは殆ど無名である(失礼・・・)地元ミュージシャンの演奏も中々素晴らしいですが、スティーヴィーのリズム感、
ジミー兄ちゃんのトーンの良さはやはり群を抜いていますね。・・・こんな風に、優れたミュージシャンを次々輩出するテキサス音楽シーン恐るべしです。 “未だ見ぬ強豪”みたいな人も沢山いるんでしょうねえ・・・。