1週間の御無沙汰でした。今週の“今日の1曲”は、ボーイ・ジョージの
“The Crying Game”です。1992年に公開された
ニール・ジョーダン監督による同名映画の主題歌。アイルランドを代表する映画監督であるニール・ジョーダンの撮る映画はどれも面白いですが、僕はこの “The Crying Game”が特に好きですね。IRAの兵士(スティーヴン・レイ)と、誘拐され人質となったイギリス軍兵士(フォレスト・ウィティカー)の間に芽生えた奇妙な友情を軸として展開していく、決して軽いとは言えないストーリーですが、素晴らしく洗練されていて、ロマンチックなんですよね。物語の展開や俳優陣の演技も素晴らしかったですが、この映画は公開当時、製作者側から映画を観た観客に、“映画のプロットやストーリーを秘密にしていてくれ”という異例のお願いがされていて(パンフレットにも書いてありました)、その秘密が話題を呼んで、大ヒットしたなんて話もありましたね。・・・秘密のひとつには僕もビックリして、スティーヴン・レイと同じ気持ちになってしまいました。“え・・・、そんな・・・、俺も惚れてたのに・・・”なんて(笑)。
・・・ひょっとしたら、これを読んで映画を観たくなる人がいるかもしれないので(笑)、秘密保持の為に映画の話はこの辺で切り上げて音楽の話に移りますが、映画の主題歌を歌っている
ボーイ・ジョージ/Culture Clubは、言わずと知れた80年代のスーパースターでした。・・・まあ、いつも言っているように、僕はバリバリの硬派なので、当時は、このCulture ClubやDuran Duranのアルバムを聴こうなんて気はこれっぽちも持っていなかったんですが(ちなみに、最初にボーイ・ジョージの写真を観た時は、女性だと思ってました・・・)。でも、テレビの音楽番組や有線で耳にするだけでも、Culture Clubの曲の良さや、ボーイ・ジョージの歌の上手さは当然分かるんですよね。キワモノ的なルックスとは裏腹に、彼等の曲はモータウン調だったり、レゲエ調だったりして、音楽的には本格派と呼べるものだったと思います。
・・・そんなボーイ・ジョージ ・・・ソロ転向後はどうもパッとしなかったボーイ・ジョージが、
Pet Shop Boysのプロデュースのもと、歌ったのが、この
“The Crying Game”です。この曲は元々、
デイヴ・ベリーという人が1964年にヒットさせた曲のカバーらしいですが、Pet Shop Boysの作り出す音と、ボーイ・ジョージの素晴らしい歌が一緒になって、映画と同じぐらい印象的な仕上がりになっていると思います。ボーイ・ジョージは現在、DJとして活動しているらしいですが、彼のような素晴らしいシンガーには、もう一度歌って欲しいですね。