スティーヴ・リプレイ率いるオクラホマのカントリーロックバンド、
The Tractorsのアルバムです。1995年リリース。・・・カントリーロックに詳しくなくても、The Tractorsというバンドは知らなくても、スティーヴ・リプレイという名前に聞き覚えのあるロックファンは結構いるんじゃないでしょうか?楽器好き、ギター好きの人には特に。・・・結構じゃなくても、少しはいるでしょう。と言うか、僕がそうだったんですけど。エディ・ヴァン・ヘイレンや
ライ・クーダーが80年代から所有している
ステレオギター、各弦を別々に出力できるという変わったギターを作ったのが、このバンドの中心人物でもあるスティーヴ・リプレイなんです。
“あ~、何となく覚えてるけど、どういうギターだったか思い出せない”という人の為に、エディ所有のそのギターの写真も載せてみますが(笑)、エディはアルバム
“1984” の中の
“Top Jimmy”でこのギターを使って、ギターのフレーズを左右に飛ばしたりしてました(スティーヴ・ヴァイは彼の作ったフレットレスギターを所有しているみたいですね)。こんな感じの普通の人なら使い方に困るような変なギターを考案したのがスティーヴ・リプレイで、その名前を覚えていた事が、このアルバムを購入した理由のひとつでもありました。・・・レコード屋でアルバムを手に取るまでこのバンドについてはまったく知らなかったんですが、ボニー・レイットやライ・クーダーがゲスト参加しているというのに加え、裏ジャケットに載っていたスティーヴ・リプレイの名前に気づいて、“何か面白そう”と思って買ってみたんですよ。御覧の通り、ジャケットも楽しそうだったし。ってか、そのまんまですが(笑)。
・・・で、聴いてみると、これが思いっきり
ストレートなカントリーロックでしてねえ。 “あんなギターを考えた人だから、ギターの腕も凄くて、変な事もいっぱい演っているに違いない・・・”なんて事もちょっと予想していた僕は、軽~く肩透しを喰らいました(笑)。と言うか、スティーヴ・リプレイはバンドのボーカリストなんですよ。野太くて良い声してるんです。そもそもこの人、地元オクラホマのタルサで、レオン・ラッセルやJJ・ケイルらと並んで活躍していた、バリバリのミュージシャンだったらしいんです。僕なんかは、彼の事をギター製作家として知ったんですが、そっちの方が彼にとっては副業だったみたいですね。
ボニー・レイット、
ライ・クーダーの他に、
JJ・ケイルや
ジム・ケルトナー、
ジェイムズ・バートンといった人達がゲスト参加しているんですが、こういった人達が参加していれば、その音楽が悪い訳ありまへん。良いです。田舎くさいですけど(笑)。僕は普段、カントリーはそんなに聴きませんが、たまに聴くとやっぱり気持ち良いです。ゲストミュージシャンも非常に伸び伸びと、気持ち良さそうにプレイしています(
“The Blue Collor Rock”という曲での、ライ・クーダーのスライドは最高!)。The Tractorsのメンバーも腕達者揃いです。各楽器の音も非常にクリアで、聴いていると“テレキャスター欲しいなぁ”なんて考えたりもします。 ・・・スティーヴ・リプレイも普通にテレキャス使ってる(Ripleyのネックが付いているんで、自分で組んだやつみたいですが)ところが面白いっちゃあ面白い(笑)。
・・・そして、このCDのレーベルに使われている写真が中々きれいで、“トラクターってカッコ良いもんだなあ”なんて風にも思ったので、
CDレーベルアルバムにトラックバックさせて頂きます。何のヒネリもないレーベルでちょっとアレですが、レゴ好きのkingdowさん親子が反応してくれると嬉しいですね(笑)。
THE TRACTORS / THE TRACTORS (1995)