ブリティッシュロックシーンが生んだ最高のボーカリストの1人
ポール・ロジャースと、Small Faces、Faces、The Whoと渡り歩いたこれまた華々しいキャリアを持つドラマー、
ケニー・ジョーンズが組んだプロジェクト(バンドとは呼べませんねぇ・・・)
The Lawが1枚だけ残したアルバムです。1991年リリース。・・・新生Queenの日本公演まであと2ヶ月を切りましたが、ポール・ロジャースがQueenの曲を歌う事には、まだ否定的な意見が多いみたいですね(笑)。個人的には“もういい加減認めてやってくれよ・・・”みたいに思うんですけどね。以前も書いたように、何もポール・ロジャースがQueenのメンバーになった訳ではないんだし、大体、フレディ・マーキュリーの代わりを務められる人がこの世にいる訳ないんですから。今回、
ブライアン・メイとロジャー・テイラーの2人がQueenと名乗る事がなければ、こんなに否定的な意見ばかり出なかったとは思いますが、興行的な意味を考えると、やはりQueenと名乗らざるを得なかったんでしょうねえ。彼等も商売ですから(笑)。あくまでもフレディの歌に拘る人達の気持ちも良く分かりますが、僕はポール・ロジャースの歌も聴きたいし、ブライアン・メイのギターも聴きたいので、彼等の今回のツアーは“良いんじゃないかな?”みたいに思ってます。・・・と言いながら、まだチケットは入手していないんですが(汗)。せめて武道館ぐらいの会場で観たいんですよねえ・・・。追加公演を期待しているところです。
・・・と、いきなり無駄口全開ですが、このThe Law、冒頭に書いた通り、80年代にジミー・ペイジと結成した
The Firmがイマイチ盛り上がらずに終わったポール・ロジャースと、
The Whoの仕事はサイモン・フィリップスに奪われ、やる事がなくて暇そうにしていた(いや、知りませんけどね・・・)ケニー・ジョーンズが組んだグループです。時代が時代なら、ブリティッシュロックの要人2人が組んだこのThe Lawも、スーパーグループのように呼ばれていたかもしれませんが、時代が時代だったので、
殆どと言って良いほど話題になりませんでした(笑)。まあ、ジミー・ペイジと組んでも“あの程度”だった訳ですから、相方がケニー・ジョーンズでは話題になるのも難しいですわねえ・・・。時代は既に90年代に入っていて、活きの良いバンドも沢山出てきてましたしねえ・・・。この“90年代”というのもまずかったですね。80年代から90年代初頭にかけて流行った音作り・・・デジタルディレイやリバーブがたっぷり効いていて、ギターの音も妙に小奇麗な感じ・・・が、このおっちゃん達の音楽には合っていないと思うんですよ。何もFreeのようにモコモコでスカスカの音で演れとは言いませんが、こういう妙に時代を意識した(しかも、既に時代に遅れつつあった)音作りをしたところに、このグループの敗因があったと思います。おもわず“敗因”とまで言ってしまいましたが(笑)。曲もポール・ロジャースが書いているのは3曲しかなくて、他は外部のライターが書いたものばかりです。知らない人も沢山いるんですが、その中には
ブライアン・アダムスと
ジム・ヴァランスのコンビや
クリス・レア、
フィル ・コリンといった名前も発見できます。
ブライアン・アダムス(ギターでも参加してます)の曲を歌うポール・ロジャースというのはちょっと想像がつかないと思うし、この曲は大した事ないんですが(笑)、フィル・コリンの曲は凄く好きな曲なんですよ。Def Leppardでも演っている
“Miss You In A Heartbeat”という曲ですが。この曲、Def Leppardのアルバムでも、最初は日本のみのボーナストラックとして収録されていて、僕なんかは“何でこんなに良い曲がボーナストラックなんだろう?”みたいに思っていたぐらい好きな曲ですが、それを あの歌の上手いポール・ロジャースが歌っているんですよ。・・・で、普通に考えれば最高の出来になるはずですが、そうはいかなかったんですねえ(笑)。曲は良いし、ボーカリストも最高なんですが、この曲の場合、ジョー・エリオットの決して上手いとは言えない歌の方が良いんですよ。この辺、不思議ですよね。ジョー・エリオットも、まさか自分の歌の方が良いと言われるとは思ってもいなかったんじゃないでしょうか(笑)。・・・あ、やばいな、ポール・ロジャース擁護で始めたこの記事の流れが変な方に向ってる(笑)。・・・でも、クリス・レアの曲は素晴らしいですよ。Very Britishです。クリス・レアの曲をポール・ロジャースが歌うという時点で期待が持てますが、この
“Stone”という曲でギターを弾いているのは
デイヴ・ギルモアなんですよ。これで悪かったら反則でしょう。“この曲を聴くために、このアルバムを買っても・・・”とは決して言えないアルバムですが(笑)、デイヴ・ギルモアの熱心なファンの方や、先日の
ジェフ・ベック日本公演でピノ・パラディーノのファンになったという方は、安く見つけたら買ってみるのも良いかもしれませんね。・・・って、Queenファンのポール ・ロジャースに対する不信感を煽るような記事になってしまった(汗)。いや、ポール・ロジャースはまじで最高のボーカリストだと思いますよ。今回のツアーだって、ミック ・ラルフスとサイモン・カークが、ダニー・ボウズを連れて、Bad Companyでツアーするよりずっとマシだと思います。←全然フォローになってない。