ジミ・ヘンドリックスのブルージーなプレイに焦点を当てた編集盤です。1994年リリース。・・・まあ正直、ジミ・ヘンドリックスのこういった編集盤は大して聴き込んでもいないんですが、このアルバムは企画も選曲も中々面白いと思うし、ジャケットが良いと思うんですよ。観れば分かりますが、ジミが影響を受けたと思われるブルースマンが大勢写っているんです。カーティス・メイフィールドのような人は、普段ブルースという枠組みの中で語られる事は少ないですけど、そういった人もしっかり写っているところに、編集者のちょっとした拘りを感じたりします。・・・と言っても、このアルバムのプロデューサーは、ジミの死後、70年代に数々の悪行を重ねた
アラン・ダグラスなんですけどね(笑)。それでもジミの殆どの音源の権利が遺族に渡される直前、90年代中頃にMCAレコードからリリースされた編集盤はそれほど悪いものではないと思います。実際、このアルバムは、
Experience Hendrixからリマスター再発がなされてますからね。
・・・まあ、ジミの頭の中が、このジャケットのようにブルースばかりだったとは決して思いませんが、ギタリストとしての彼、ボーカリストとしての彼の根っこの部分にあったのは、やはりブルースだと思います。ジミ・ヘンドリックスの一般的なイメージ、ロックアイコンとしての彼のイメージは、
“Purple Haze”や
“Foxy Lady”のようなコンパクトでキャッチーな曲だろうし、
“Voodoo Chile”や
“Machine Gun”、または
“Little Wing”や
“Angel”といった曲が好きだというヘンドリックスファンも大勢いると思います。でも、僕が聴いて、ジミのギターや歌が一番伸び伸びとしていて、本人も気持ち良いんだろうなと感じるのは、やはり
“Red House”や
“Hear My Train A Comin'”といったブルースナンバーなんですよ。これらの曲はジミのオリジナル曲ですが、これが
“Catfish Blues”のようなトラッドソングになると、更にギターの自由度を増していってカッコ良いったらありゃしません。ハウリン・ウルフのカバーである
“Killing Floor”もホントにカッコ良いですしねぇ・・・。あと
“My Friend”は、僕の好きなヘンドリックスナンバーの上位には必ず入る曲なんですが、あれも凄くブルージーな曲ですよね。・・・勿論、そういった曲の方が良いと言っている訳では全然なくて、ブルースを出発点として自分の音楽をどんどん広げていったところにこそ、ジミ・ヘンドリックスの凄さ、素晴らしさがあるんだと思いますが。
・・・という事で、有名な12弦ギターによる“Hear My Train A Comin'”で始まり、エレクトリックバージョンの同曲で終わるこの
“Blues”、“オリジナル盤はもう聴いたけど、編集盤はどれも怪しくてなぁ・・・”なんて思っている人には、ちょっとばかしお薦めです。
“Born Under A Bad Sign”(ボーカルなし)も珍しい選曲です。
・・・と、何とかここまで書いてきましたけど、ジミ・ヘンドリックスの事を書くのは、実はもの凄く苦手です。彼の事を書くと、どうしてもどこかで読んだような文章になりがちだし、ネット上で良く見かけるやたらと精神論を持ち出す人(僕はこういう人達を “似非シャーマン”と呼んでます)にも絶対なりたくないので。でも、今日は書いた。無理矢理書いた。大した事は全然書いてないけど、一応書いた。それもすべてこのレーベルを載せたかったからにすぎません(笑)。このアルバム、
CD Label Albumの管理人さんも持っているような気はするんですけど、早く気づいたもん勝ち、先にスキャンしたもん勝ちという事で(笑)、みたびトラックバックさせて頂きます。
Jimi Hendrix / Blues