昨日はやたらと暗いアルバムを紹介したので、今日は何か明るいものを・・・なんて考えていたら、このアルバムを思い出しました。元
The Georgia Satellitesのダン・ベアードの2ndソロ・アルバムです。1996年発表。・・・またしても、かなり前のアルバムですが、あしからず。
それにしてもThe Georgia Satellitesは
最高のR&Rバンドでした。MTV全盛期の80年代に彼等のようなバンドがデビューして、大成功も収めたというのは、今考えると凄い事だと思います。流行りの音楽は演ってない、ルックスの良い人はいない、メンバー全員若くもない(というか、明らかに年寄りくさいメンバーもいた)という、“ないないづくし”のバンドだったような気もしますが(笑)、やはり、彼等の演っていたようなシンプルなR&Rを好きな人はいつの時代にも確実にいて、そういった音楽は元々流行とは無縁であるという事なんでしょうね。どっちを見ても着飾ったミュージシャンばかりだった時代に、The Georgia Satellitesが売れたという事実は、一種爽快な感じがしました。
彼等は本国デビューの翌年'87年に日本でもデビューして、アメリカでの成功の勢いに乗って即来日という感じだったので、僕なんかはアルバムを買うより前にコンサートを観に行ったんです。どんなコンサートだったかというと、アメリカの田舎の兄ちゃん達が、ただ出てきて演奏するというコンサート(笑)。こんな風に書くと、どうでも良いコンサートだったみたいですが、勿論そんな事は全然なくて、最高のR&Rコンサートでした。音がでかくて。彼等がデビューした当時、ZZ TOPの
ビリー・ギボンズがインタビューで、“最近観たバンドでは
The Georgia Satellitesが凄かったな”と言っていたのを良く覚えているんですが、あのビリー・ギボンズが“凄かった”と言うぐらいですから、その凄さが分かるというもんです。メンバー全員が優れたR&Rプレイヤーで、ひたすらロックしてました。ダンとリックのギターの音のコントラスト(基本的に、テレキャスターとレス・ポールJr.)も良かったですねぇ。
The Georgia Satellitesの活動休止後(彼等は正式に解散を表明した事はなく、少し前にもダン・ベアード抜きで再結成して、アルバムも発表していました。僕は聴いてませんけど)、ギタリストのリック・リチャーズは、元GUNS N' ROSESのイジー・ストラドリンのバンドに加入し、日本にも何度も来ていますね。ベースのリック・プライス(僕、この人のベース好きでした)の活動は、中々日本に伝わってきませんでしたが、ダン・ベアードはソロ契約を得て、ドラマーのマウロ・マジェランと活動を共にしていました。そのソロ活動の2枚目のアルバムがこれです。メンバーは1stアルバムと同じで、The Georgia Satellitesの半分に、
ブレンダン・オブライエンというギタリスト(他にもキーボードとか色々)、キース・クリストファーというベーシストを加えた編成です。・・・ブレンダン・オブライエンという名前に聞き覚えはありませんか?・・・そうです、Pearl Jam、Rage Against The Machine、AEROSMITH、その他 いっぱい・・・、
売れっ子プロデューサーの彼です。実は彼、初期のThe Georgia Satellitesのメンバーでもあって、非常にナイスなロックギタリストなのです。勿論、このアルバムのプロデュースも彼がやってます。
ソロになってもダン・ベアードはダン・ベアードで、音的にThe Georgia Satellites時代と何ら変わる事はありません。ダン・ベアード曰く“世界一上手い訳ではないけど、最高にドライブ感のあるドラマー”マウロ・マジェランのドタバタしたドラム(笑)に、ダン・ベアードのソリッドなギターとストレートなボーカルが乗っている訳です(The Georgia Satellitesより、多少カントリーっぽいところがありますかね)。ベースもドライブしてるし、ブレンダン・オブライエンのギターもホント上手いです。・・・このアルバムで面白いのは、“Dan Baird / Guitar. Vocal~”という風にクレジットがある箇所に、ブレンダンは、“Brendan O'Brien / Guitar and Amp~”と、載っているところです。
アンプを担当してる人は初めて見ました(笑)。ダン・ベアードによると、ブレンダンのアンプコレクションは本当に凄いんだそうです(羨ましい・・・)。あと、お金も凄く持ってると言ってました(笑)。ダンの最初のアルバムと、このアルバムの間に、他のバンドのプロデュースでドカンといったみたいですね(羨ましい・・・)。
まあ、とにかく1曲目からロックしてます。ドライブしてます。1枚目より、少しヘビーな感じもしますね。The Georgia Satellitesも、“Hippy Hippy Shake”や “Gam-
es People Play”といった古いロックの曲をカッコ良くカバーしていましたが、このアルバムでは、ジョー・サウスの・・・というよりは、Deep Purpleや Kula Shakerで お馴染みの
“Hush”を取り上げています。僕、個人的には、このダン・ベアードのバージョンが一番カッコ良いと思います。この“Hush”、メチャメチャ盛り上がります。 僕は運転しながらこれを聴いて、テンションが上がってて、車擦った事あります・・・。日産さん、今度こっちをCMに使って下さい。世間のみんなが擦るように(笑)。
“Buffalo Nickel ”、どこから聴いてもロック、どう聴いてもロックなアルバムで、いつ聴いても最高のR&Rアルバムです(しばらく聴いていませんでしたが・笑)。The Rolling StonesやFaces、AC/DCやThe Black Crowesといった、
シンプルなR&Rが好きな人には、文句なくお薦めしたいです。