バミューダ島生まれのシンガー・ソングライター、
へザー ・ノヴァのメジャー2作目となるアルバムです。リリースは1998年。昨日のバディ・ガイからガラっと変わってヘザー ・ノヴァ、シカゴブルースの大御所から女性シンガー・ソングライター。何の脈略もありません。ただ、このところ紹介するアーティストが非常に男くさくなってきているので、これはちょっとまずいと思いまして・・・。まあ、別にまずいという事もないんですが、自分で見ていて、暑苦しくなってきたんですよ(笑)。気温も徐々に上がってきている今日この頃ですし。そんな感じでヘザー・ノヴァ、ジャケットの色も鮮やかで、今の季節に丁度良いかと・・・。
彼女がアルバム
“Oyster”でワールドワイドデビューしたのは'95年ですが、その頃は女性シンガー・ソングライターが次々とシーンに登場してきた時期でした。'93年にデビューしたシェリル・クロウの大ブレークがきっかけとなったのかは分かりませんが、ヘザー・ノヴァのデビューと同じ'95年には、
アラニス・モリセットやジョーン・オズボーンなど(2人とも既にキャリアはありましたが)、今も第一線で活躍する素晴らしい女性シンガーが出てきたんですよね。'95年は、僕のような女性シンガー好きにとっては
ビンテージイヤーと言えるのかもしれません。その頃デビューした女性シンガーのアルバムは色々聴いていましたが、どれも結構好きでしたね。でも、それだけ一気に登場すれば、当然、中にはセールス的に芳しくない結果に終わる人もいて、デビューアルバム以降どうなったか知らないみたいな人もいたりしますが・・・。シェリル・クロウは凄いソングライターで(しかも綺麗で)、アラニスの存在感は圧倒的、ジョーン・オズボーンの歌唱力は抜群だし・・・と、この3人の特徴は簡単に書いて行く事ができるんですが、ヘザー・ノヴァはどうも
捉えどころがないんですよね。顔も特別可愛い訳じゃないし(これはまあ、好みによるけど)、歌もあまり上手いとは言えません。でも、
どこか気になる人で、
不思議な魅力があるんですよ。
メジャー1st(と、さっきから書いてますが、それ以前のアルバムは聴いた事がありません、ついでに言うと、この“Siren”以降も・・・笑)となった
“Oyster”からは、
“Walk This World”がヒットして、その独特の雰囲気・・・決して明るいとは言えない雰囲気を持った曲調と、彼女のちょっと不安定な歌のマッチングが面白くて、日本でも結構ウケたんですよね。ツアーも行なわれたぐらいで。今でもこのアルバムが一番好きだと言う人も多いみたいです。僕はここでは、その“Walk This World”や
“Maybe An Angel”が好きでした。・・・で、その“Oyster”の雰囲気(日本の森田童子に例えられた事もあるみたい・笑)が好きだった人には、この
“Siren”というアルバムは、あまり評判もよろしくないみたいなんですが、僕はこれはこれで良いと思います。オープニングから、
“これは同じ人のアルバムなのか?”と疑問に思ってしまうほど明るい曲が始まります・・・けど、ボーカルが入ってくると、ヘザーだと分かるんです(笑)。ホント、この人の歌は独特ですね。音程がしっかりしている事が良いボーカリストの条件だと思っている人からすると、彼女はボーカリスト失格でしょう(笑)。彼女の歌には、何かこう、
“女の子”を感じるんですよね。女性と言うより女の子。・・・この言い方、ちょっとやらしいですか?(笑) ここで、
“守ってあげたくなる”とか書くと、更にやらしさを増すんですが、そんな事は思った事ないので、書きません。・・・と言いながら書いてみたけど(笑)。ヘザーって結構強そうですからね。
まあ、前作との違いは、ジャケットを観ても想像がつくんですが(“Oyster”はモノクロ)、それにしても大きな違いです。僕の場合、どちらが良いというものでもありませんが、この季節に聴くには
“Siren”の方が穏やかで良いかな。例のごとく、歌詞を真面目に読んでいないので、彼女の心境の変化とか、そういうのがあったのかは分かりませんが、このアルバムに収録されている曲は、聴いていても穏やかな気分になりますね。バックの演奏がまた良いんですよ。ハモンドオルガンやウーリッツァーピアノ、メロトロンといった“アナログすぎるアナログ楽器”の温かな音色が、その穏やかな雰囲気に一役も二役も買っていると思います。僕は
“Valley Of Sound” という曲が凄く好きなんですが、この曲なんてバック陣も凄く曲を理解していて(俺が言うなー)、ギターやオルガンで“音の渓谷”を作り出している感じです。あとはやっぱりオープニングの
“London Rain”や、
“Widescreen”(これもバックの演奏が暖かくて素晴らしいんです)といった曲が好きですね。この季節に聴くには、気持ちの良いアルバムだと思います(不安定な歌が苦手な人は除く)。彼女は“Siren” のあとも3枚のアルバムを出していて(映画
“I Am Sam”のサントラにも参加していました)、僕も気にはしているんですが、ついつい後回しになってしまうんですよ。ヘザーファンの皆さん、どうもすみません。いや、僕も一応ファンですけど・・・。
・・・ゴールデンウィークも半ばを過ぎましたが、ここまで毎日、いままでとまったく同じようにブログを更新している僕を見て、“こいつ連休中もずっと家にいるのか?”と思った方もいるでしょうね・・・。
僕には連休なんてないんですよ!まったくなし!ゴールデンウィーク関係なし!次の休みは日曜!大体、“国民の休日”って何だよ。休んでない国民もいるっちゅうねん。
“休んでいる国民の休日”とかにしてくれよ。