2003年にリリースされた
The Yardbirdsのアルバムです。80年代にThe Yardbirdsのメンバーが中心になって組まれた
Box Of Frogsというバンドもありましたが、The Yardbirdsというバンド名の復活は実に
35年ぶりです。昨日は現代版Yardbirdsとも言える
Porch Ghoulsを紹介したので(本物が今も存在するのにそう呼ぶのもアレですが・・・)、今日は本家Yardbirsのアルバムを紹介したいと思います。・・・実は、このアルバム買ってからそれほど聴いていなかったんですが、“Porch GhoulsのあとはThe Yardbirdsかなぁ・・・”なんて単純に考えて聴いてみたら、これが結構良かったんですよね(笑)。ブログを始めてから、以前より音楽を真面目に聴くようになっていて(と言っても、めんどくさく考えている訳では全然ないですが)、今までそんなに聴いていなかったアルバムの良さを再発見したりしているんです。なので、ただダラダラ聞き流していた以前より、今の方が音楽聴くのが楽しいんですよね。・・・無駄口はこの辺で止めて想い出話します(笑)。
僕とThe Yardbirdsの想い出・・・と言っても、僕はロンドン生まれで、物心もつかないうちからThe Yardbirdsの曲を口ずさんでいた・・・とか、そういう話では全然ありません。
って、当り前だー!・・・すみません、また無駄口(涙)。・・・僕が洋楽を聴き始めた頃、ジェフ・ベックは既に、当時“クロスオーバー”と呼ばれていたインストゥルメンタルミュージックを演っていました。最初に買ったジェフ・ベックのアルバムは
“Wired”だったんですが、これには衝撃を受けました。もの凄くロックを感じさせるジャケットだったので、僕としても期待に胸を膨らませてレコードをかけてみたんですね。そしたら緊張感ビシビシの音が始まったんですが、いつまで経っても歌が始まらないんですよ。
“え?うそ?歌なし?ずっとなし?(汗)”と思って、そういう意味で衝撃を受けたんです(笑)。歌のないロックなんてあって良いのか?と思ったんです。少し前まで小学生だった僕には、この現実は厳しいものでしたねぇ。・・・でも、慣れてくると(笑)、それもカッコ良いと思えるようになったんですよね。そうなると今度は、ジェフ・ベックがいたバンド、The Yardbirdsにも興味が湧いてきたんです。しかも、The Yardbirdsはジェフ・ベック以外にも凄いギタリストが在籍していたバンドで、その人達は
3大ギタリストと呼ばれているという事も知っていたし。3大ギタリストとは言うまでもなく、ジェフ・ベック、寺内タケシ、三原綱木ですが。・・・でも、当時The Yardbirdsの国内盤は殆んど廃盤状態で、簡単に聴けるものではなかったんですよ。しかし、そんな僕に救世主が現れたんです。救世主って大げさですが。それは放送部の一年先輩(♂)、その人は東京から転校してきた人だったんですが、やはり都会から来た先輩という事もあって(笑)、僕より早くそういった音楽を聴いていた人だったんです。・・・で、その人が、少し前(恐らく僕が洋楽を聴き始める前)に放送された、渋谷陽一のFM番組のThe Yardbirds特集をエアチェック(死語)したカセットテープを貸してくれたんです。マメな人だったので、曲名もきっちり書いてあって、凄くありがたかったですね。それが僕とThe Yardbirdsの出会いでした。そして夏休み(だったかなぁ・・・)が明けて、そのテープを返しに先輩のクラスまで行ったら、その人はまた転校して行ったと聞かされたんです。なので、借りたThe Yardbirdsのテープを返す事はできませんでした。
先輩元気ですか~?これ見て思い当たる人がいたら連絡して下さ~い!・・・僕は名前も忘れてしまいましたけど(笑)。
いつもの事とは言え、想い出話が長いです。今日のは特に長いです。ホントに想い出に浸りながらながら書いてしまったので(笑)。どーもすみません。この調子では、恐らく日付が変わるまでに、アルバムの話はできないものと思われます・・・(汗)。
The Yardbirdsの音楽はユニークだと思います。彼等と同じような音楽を聴かせてくれるバンドって、意外と無いと思うんですよ。曲としては、当時の他のバンドと同じようにコンパクトなPOPナンバーや、ブルースのカバーを演っていたりするんですが、
メンバー間のバランスが絶妙に悪いんですよね。突出したギタリストを擁しているのに、他のメンバーが大して上手くないんですよ(笑)。その凄腕の3人のギタリストと、他のメンバー・・・と言うか、キース・レルフの(笑)バランスの悪さと言うか、良さと言うかが、彼等の音楽を独特なものにしていると思います。キース・レルフが歌うと、ブルースのカバーもブルースに聴こえませんからね。でも、僕はそれこそがThe Yardbirdsだと思うんです。キース・レルフのやさぐれた感じの歌に、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジのそれぞれ凄いギターが被さっていくというのが、彼等の魅力だと思うんです。・・・僕は特に、ジェフ・ベックがいた時代の音が好きですね。
キース・レルフの投げやりな歌 VS ジェフ・ベックの鋭いギター、これが良いんですよね。まあ、いつもジェフ・ベックの勝ちというのは決まっているんですが(笑)。恐らく、キース・レルフは自分より目立つ3人のギタリストに対して不満を持っていて、それはギタリストにとっても同様だったと思うんですが(彼等がThe Yard-
birds脱退後に組んだバンドのボーカリストを見れば一目瞭然、ジョン・メイオールの歌には触れないで下さい)、その一風変わったバランスこそが、The YardbirdsをThe Yardbirdsたらしめていたものだと思います。
・・・やっぱり間に合わねー(笑)。長文追記決定!
冒頭に書いた通り、80年代に
ジム・マッカーティ(Ds)、
クリス・ドレヤ(G)、
ポール・サムウェル・スミス(B)の3人の元Yardbirdsは、
ジョン・フィドラーというボーカリストを迎え、
Box Of Frogsというバンドを結成します。彼等は'83年にジェフ・ベック、ロリー・ギャラガー、マックス・ミドルトン・・・といったゲストを迎え、1stアルバム
“Box Of Frogs” を、'86年にはジミー・ペイジ、ロリー・ギャラガー、マックス・ミドルトン、イアン・デューリー、スティーヴ・ハケット(この辺、まったく忘れてた・・・)等がゲスト参加した2ndアルバム
“Strange Land”をリリースしました。この2枚のアルバム、地味な音楽ながらも僕は結構気に入っていたんですが、もう20年は 聴いていないので、どんな内容だったかすっかり忘れてしまいました(笑)。そして、 '68年の解散から35年ぶりにオリジナルメンバーのジム・マッカーティとクリス・ドレヤが中心となって、ついに
The Yardbirdsが再結成されたのです。・・・今 一応 “ついに”と書いてはみましたが、誰も期待していなかったと思うんですよね(笑)。
“スティーヴ・ヴァイやジョー・サトリアーニが参加した、The Yardbirdsの再結成アルバムが出るらしい”というニュースを知った時は冗談かと思いましたが、ホントだったんです。・・・そうなんですよ、このアルバムには正式メンバーであるジッピー・メイヨー以外にも、多数のギタリストがゲスト参加しているんです。こういった話を中心に書こうと思っていたんですが、想い出話が止まらなくなってしまったんです・・・。
このアルバム
“Birdland”は、
半分以上が過去のヒット曲のセルフカバーで、残りが新曲となっていますが、ゲストギタリスト達は、主に過去の曲に参加しています。そのゲストは収録曲順に、ジェフ・バクスター、ジョン・レズニック、ジョー・サトリアーニ、スティーヴ・ヴァイ、ジェフ・ベック、スラッシュ、ブライアン・メイ、スティーヴ・ルカサーです。“ジョン・レズニックって誰?”と思ったんですが、Goo Goo Dollsの人ですか。ほー、・・・全然聴いた事ありません(笑)。さすがに伝説のバンドのアルバムに参加するという事で、それぞれ力の入った演奏を聴かせてくれていますが、その中で特に印象的なプレイをしているのは、
“Train Kept A Rollin'”に参加しているジョー・サトリアーニ、
“Shapes Of Things”のスティーヴ・ヴァイ(ちなみにこのアルバムは、ヴァイのレーベルFlavord Nationからのリリースです)、
“My Blind Life”(新曲)のジェフ・ベック、
“Mr. You're A Better Man Than I” のブライアン・メイ(いつに無くワイルド)、
“Happenings Ten Years Time Ago”のスティーヴ・ルカサー・・・と、ほぼ全員ですが(笑)、The Yardbirdsの新しいギタリスト、
ジッピー・メイヨーも非常に的確なプレイをしています。この人、ウィルコ・ジョンソンが抜けたあとのDr. Feelgoodのメンバーでもあった人ですが、そういったイメージしか持っていなかった僕は、“へぇ~、こんなギターも弾けるのか~” と感心してしまいました。不勉強ですみません。
ジョン・アイダンというベースも弾きながら歌っている人のボーカルも、どこかキース・レルフのようで良いんですよね。
・・・今日は皆さんを完全に僕の想い出話に付きあわせてしまいましたが、The Ya-
rdbirdsって、凄くイカシたバンドだし・・・まあ、今更僕が言うまでもない事なんですが、名前は知られている割に、若い人とかにはそんなに聴かれていないと思うんです・・・、この再結成Yardbirdsも結構カッコ良いと思うんですよ。おっさんロッカーの
“年期の入った”と言うに相応しい演奏や歌が聴ける中々の好盤だと思います。