エイプリルフールおめでとうございます。目には目をバカにはバカをという事で、今日は近代バカ映画の金字塔
“Austin Powers”のサウンドトラックを紹介したいと思います。この映画の素晴らしさについては、最早説明の必要はまったくないんですが、最初に観た時は感動しましたねぇ。映画館で声を出して笑うなんて事は滅多にない僕ですが、あの時は大笑いしました。
“Wayne's World”が期待していたほど面白くなくて(楽器屋で試奏するシーン、“Bohemian Rhapsody”でヘッドバンギングするシーンには笑ったけど)、マイク・マイヤーズを過小評価していた僕には、あの映画は驚きと感動を持って迎えられたのでした。“こんなにハイレベルな下ネタがあって良いんだろうか・・・、これはもう芸術だ・・・(涙)”といった感じで。
そして映画が最高であれば、そこで使われてる音楽も当然最高なんですよね。選曲のセンスも抜群だと思います。サントラ盤に収録されている曲も、良く知られた曲から、そうでもない曲まで、どれもイカした曲で劇中での使われ方もバッチリ(ベタとも言う)だと思います。マイク・マイヤーズはオースティン・パワーズが活躍していた時代、スウィンギンロンドンな60年代から、ディスコな70年代にかけてのカルチャーに精通しているらしくて、それは後の
“54”でも充分活かされていた訳ですが、そんな人が製作、脚本、主演の三役をこなした映画でもあるので、説得力が違いますね。時代考証も徹底的にされたらしいし、映画の至るところに様々なスパイ映画へのオマージュが見られました。そして、
バート・バカラック本人を出演させたところにも、彼のその時代に対する強い愛情を感じたりする訳です。結局バカラックは3作ともに出てましたか・・・(笑)。
・・・まあ、この映画のようにシリーズ化されると、徐々に面白くなくなって行くのはどうしようもない事で(どうにかして欲しいけどなぁ)、“Austin Powers”もやはり1作目が最高だと思います。サウンドトラックもしかり。1作目のサントラ盤(写真のアルバム)の選曲は本当に素晴らしいんですよね。オープニングが
エドウィン・コリンズの曲という時点で、既にイカしてるんですが(Orange Juiceは知っていたけど、この人の名前は知らなかった・笑)、続く
Ming Teaの曲や、
Wondermintsによるオースティン・パワーズのテーマ曲など、このアルバムでしか聴けない曲も結構入っているんです。・・・ちなみにMing Teaというグループはマイク・マイヤーズがボーカルで、スザンヌ・ホフス(この映画の監督であるジェイ・ローチの奥さんらしい)、マシュー・スイート、Wondermintsがメンバーのバンドです。バカラックと
The Posiesの共演による“What The World Needs Now Is Love”も良いですね。今挙げた映画用に作られた曲以外の曲、例えば
The Cardigansや
Spaceの 既出曲であっても、見事に映画にフィットしているんですよね。・・・まあ、それは当り前と言うか、映画のサントラって、本来そういうものでなければいけないんでしょうけど、 この映画に関してはそれが完璧になされていますね。
クインシー・ジョーンズの“Soul Bossa Nova”なんて、昔から有名な曲であったにも関わらず、今ではあの曲が流れると、誰もが(って事ないですか?)オースティン・パワーズを連想してしまうんですから、大したもんです(笑)。
2作目の
“The Spy Who Shagged Me”になると、サントラもちょっと大雑把なイメージが無くもないんですが、それでもこのアルバムでしか聴けない曲もいくつか入っていて、それは結構カッコ良いものだったりするんです。
レニー・クラヴィッツの “American Woman”(・・・はベストに入っていたりするんですか?)や、
スコット・ウェイランドが歌う“Time Of The Season”とか。・・・
The Whoの“My Gene-
ration”は、BBCバージョンになってますけど、これはその後に出た“BBC Sessio-
ns”と同じ音源だったりするのかな?聴くのめんどくさいんで、確認してないんですよ(笑)。2作目のサントラ盤は2枚出ていて、
“More Music From The Motion Picture Austin Powers The Spy Who Shagged Me”というのもあるんですが(タイトル長い・・・)、こちらはもう1枚の方でカバーされていた曲のオリジナルバージョンや、60年代、70年代の曲が中心といった感じですね。これは2枚組と考えても良いと思います。2作目のサントラの“売り”は、
Dr.Evil のラップや、映画のセリフが入っている事ですかね~。でも、これはDVDの低価格化が進んだ現在、大した売りにはなってませんね(笑)。3作目
“Austin Powers Goldmember” はですね・・・、映画があまり面白くなかったんで、サントラも持ってません(笑)。収録曲見ても“イマイチかな~”みたいに思ったので。でも、今確認してみたら、Ming Teaの曲が入ってますねぇ・・・。どこかで安売りしてないかな。安売りってか投売りが望ましいんだけど。
・・・まあ、僕が思うに、“Austin Powers”のサントラ盤は、下手に“なんたら70's” みたいな手抜きコンピ盤買うよりずっと楽しめると思うんですよね。ホント、ナイスなサントラ盤だと思いますよ。・・・そう言えば、1作目“Austin Powers”にいたく感動した僕は、2作目のサントラが映画の日本公開前にリリースされた時、ビロード張りケースの限定盤を買ったんです。でも、それって聴く前に、いちいちCDについた毛を掃わないといけないんですよね・・・。
2作目以降に出てくるDr.Evilの分身、
ミニミー、ロベルト・カルロスに似てますよね?ひょっとして親戚か何かでしょうか?オースティンの相手役では誰が好きですか?僕はヘザー・グラハムかなぁ・・・とか、色々書いていたら、久々に映画も観たくなってきました~。