“英雄と悪漢”、この言葉に反応する音楽ファンは多いと思います。勿論、僕もそのうちの1人です。それに反応して、このアルバムを買ったようなところがあるんです。CDショップでこのアルバムを発見するまで、この
Koufaxというバンドの事は全然知らなかったんですが・・・と言うか 今も殆んど知らないんですけど(笑)、ちょっと気になるジャケットだったので、手に取って見てみると、メンバーの名前の下に担当楽器が書いてあって(普通、こういうのって裏ジャケットに書いてありますよね・笑)、その担当楽器の中に
“THEREMIN”というのを発見したんですよ。“テルミンを使っているバンドなら聴いてみないと・・・”と思いながら更に見ていると、“H&V”というロゴが目に付いたんです。よく見てみるとその下には
“Heroes & Villains”と書いてあるじゃないですか。そして、それはどうもレーベル名らしい・・・となると、ある程度は音楽性も想像がつくというものなので、とりあえず購入を決定したんです。クリアランスコーナーに置いてあったというのも心強かったですね(笑)。ハズレてもまだ許せるってもんです。
上の写真ではちょっと分かりにくいかもしれませんが、このジャケットはメンバーが自分達の機材に囲まれている写真なんですよ。どれも結構古そうな機材です。古そうなシンセとか、古そうなアンプとか・・・。そこですました顔でポーズを取っているメンバーが全員
オタク丸だしな感じで、
ミュージシャンぽくないと言うか、非常に
素人くさい顔をしているんですよ。そういうのもあって、僕はこのジャケット、大学の軽音楽部の写真みたいに見えるんですね。軽音の部室で撮った写真や、コンサートや合宿の為に機材を移動している時の休憩時間に撮った写真のように見えるんです。 ・・・これ分かってくれる人いますよね?(笑) ・・・で、そういう軽音楽部や音楽サークルの中で、このバンドのメンバーのようにオタクっぽい奴等・・・音楽オタクだったり 機材オタクだったりする奴等は、演奏は大して上手くない事が多いんですよ(笑)。 “あいつ聴いてる音楽のセンスは良いんだけどなぁ・・・”とか、“楽器に関する知識は持ってるんだけどなぁ・・・”みたいな人が多いんです。僕は学生の頃、スタジオでバイトしていた事があるんですが、そこに来る人達の中でも、こういう傾向は見られました(笑)。スタジオに機材をわざわざ持ち込んで、時間をかけてセッティングして いざ演奏を始めると、“え?”みたいな音を出す人達がよくいたんです。そういう人達の休憩時間の会話も結構面白いんですよね。やたら音楽には詳しくて、プロに対する批評は的を射た事言うんですけど、それと出してる音のギャップが凄くて、こちらとしてはそれが楽しかったりした訳なんです(笑)。
・・・どうしてこんな思い出話をしたかと言うとですね、この
Koufaxというバンドの音楽を聴くと、そういう人達を思い出すんですよ(笑)。と言っても、まがりなりにもこの人達はプロですから、ある程度の演奏力は持ち合わせているし、曲作りのセンスもあると思うんですが、
どうも締まらないんですよ。例えばコーラスが上手いとか、誰か1人が・・・まあ、正直に言えば“ボーカルが上手ければ・・・”と言いたいんですけど・・・ビシっとしているだけでも全体の印象は大分変わると思うんですが、アルバムを聴いていて、どうも素人くさい印象を受けるんです。こういう感じ・・・ちょっとショボい感じが好きな人もいると思いますけど、僕としては、もっとビシッとして欲しいんです。
曲はPOPで良いと思うので、ちょっと勿体無い気がするんですよね。それでもあれですかねぇ・・・、妙に演奏が上手かったり歌が上手かったりすると、このバンドの魅力も減ってしまいますかねぇ・・・。とりあえず音楽オタクが集まって楽しそうに演奏しているのはこちらに伝わってきますから。・・・実は、これを書きながら
CD聴いてたら、段々気持ち良くなってきたんですけどね(笑)。80年代のNew Waveと呼ばれていた音楽やインディーっぽい音、ガレージっぽい音が好きな人は結構気に入るかもしれませんね。ベン・フォールズが好きな人もひょっとしたら・・・。ベン・フォールズより圧倒的に上手くないと断言しておきますが(笑)。古いシンセの音が好きな人にもお薦めかもしれないです。Heroes & Villains/The Beach Boysとの共通点はそれほどないっすね(笑)。そういうのを期待して買わないようにして下さい。
追記 : あとから知ったんですが、“Heroes & Villains”って
The Get Up Kidsのレーベルで、Koufaxは彼等と親交があるらしいんですが、僕はThe Get Up Kidsの音殆んど知らないんですよね(笑)。