日系3世のブルースロックギタリスト、
アラン・ミリキタニ率いる、
The Screaming Buddah Headsの1stアルバムです(バンド名は2ndアルバム以降、Buddah Heads、更にはBuddaheadsとシンプルに改名されています。B.B.というのは アランのニックネームで、僕が最初に彼を知った時は
B. B.Chung Kingというニックネームで紹介されていました。その後、B.B.キングのオープニングアクトを務めた時に、マネージャーから“B.B.というのは外してくれないか” と言われたそうなんです)。この人のギターは良いですよ~(少し写真が小さいですが 真ん中の石原軍団のようなサングラスをかけているのがアランです)。彼のような素晴らしいギタリストが、未だにL.A.近辺で埋もれているというのは、ちょっと信じられまへん。日本でも一瞬しか話題にならなかったし。 ・・・まあ、
江戸屋レコードというCharが興したレコード会社からのデビューでもあったし、その筋の人達には名前も実力も知られていると思うんですが(何度か来日もしてます)、一般的な知名度は、やはりイマイチ、イマ2、イマ3だと思います。ちなみにアラン・ミリキタニを感じで書くと、
亜蘭 三力谷だそうです。・・・いや、すみません、亜蘭てのはでっちあげです。でも、三力谷はホント。
突然ですが、皆さんは
ストラトキャスターとレス・ポール、どちらが好きですか?音でも良いし、ギターの形でも良いです。この際、シングルコイルPUとハムバッキングPUでも良いですよ。僕はですねぇ・・・、どっちも好きです(笑)。人に聞いておいてこれはないと思いますが、やはりどちらの音も好きだし、どちらの形も好きなんです。これはどうしても甲乙をつけられるものではないですねぇ。CDを聴いていて、“やっぱりストラト(シングルコイル)の音は良いなぁ・・・”と思う事もあるし、その逆も勿論あるんですよね。ただ、ギターを弾いている人なら分かってもらえると思うんですが、自分で弾く時は、ストラトって結構苦労しますよね。普通に弾く分、・・・歪ませないで弾く分にはそれほどでもないと思うんですが、ストラトを歪ませて良い音を出そうと思ったら、かなり苦労すると思います。手を抜けない、気を抜けないといった感じで。
レス・ポールに代表されるハムバッカー付のギターって、ロックっぽく歪ませた音を出す時、ストラトよりは楽だと思うんですよ。自分が弾いてない分もギターの方でカバーしてくれると言うか、オマケしてもらえるみたいな感覚がありますよね?でも、ストラトの場合は、そうもいかないじゃないですか。自分が気合入れて弾かないと、それがそのまま音に出るみたいな感じでしょう?更にスケール的な違いもあるし、“ストラトの方が手強い”というイメージを持っている人も多いと思います。でもまあ、そういう風に手強い分、ストラトで良い音を出せた時は気持ち良いし、そういう面があるからこそ好きだという考え方もありますよね。それに、レス・ポールというのは、あまりにも完成されたギターで、例えば歪ませた音でいうと、エリック・クラプトンがジョン・メイオールのアルバムで、レス・ポールをマーシャルに繋いだ時点で、“その音”がもう出来上がってしまったと思うんですよね。勿論、他にもレス・ポールで素晴らしい音を出している人も沢山いますが、それはやはりクラプトンが最初に出した音のバリエーションみたいなところが少なからずあると思うんです。
それに較べると、ストラトのようなギターは弾く人の個性がそのまま出て、しょぼい人が弾けば悲しくなるほどしょぼい音になるし(涙)、上手い人が弾けば本当に美しい音になると思うんですよね。・・・まあ、今では本家Fenderでもストラトにハムバッキングを付けたやつをいっぱい作っているし、そういうタイプであれば、今言ったような弾く人にとって不利な事も多少はカバーされて楽もできるんですが、ギター本体の構造的な違いもあって、やはりストラトにはレス・ポールのような中低域の太さや柔らかさは無いし、逆にレス・ポールにストラトのような歯切れの良さを期待しても、ちょっと無理なところがありますよね。・・・ちなみに僕はレス・ポール(のコピーモデル)でギターを始めて、その後しばらくは色んなストラトのバリエーションという感じでしたが、しばらくしたら、またレス・ポールが欲しくなって、
“結局どっちも好きだな・・・
” という事で落ち着いてます(笑)。
・・・どうして、こんなにギターの話を続けたかと言うとですね、このアラン・ミリキタニという人の
ストラトの音がホントに素晴らしいからなんですよ。若い人が聴けば、 “スティーヴィー・レイ・ヴォーンに似てる!”と思うかもしれないし、SRV狂信者には “SRVクローン”と言われるかしれないんですが(笑)、そんな事では全然なくて、ストラトの良い音ってこういう音なんですよ(ブログ初期の
SRVの記事の中でも、同じような事書きましたが)。昔、彼がインタビューで“あなたのギターには、SRVに近いものがありますけど・・・”みたいな事を聞かれて、“いや、僕は彼に影響された訳ではなくて、ストラトをフェンダーのアンプに繋ぐと、こういう音になるんだよ”と、答えていたのを読んだ事がありますが、内心むかついてたと思います(笑)。・・・でも、彼は後に メーカーからもらったのか、自分で買ったのかは分かりませんが、FenderのSRVモデルを使っていたんですよね(笑)。さすがにピックガードは交換していましたが。
僕が彼の存在を最初に知ったのは、雑誌で見た、彼がL.A.のクラブでスラッシュとセッションをしている写真だったんですが、それから少しして、このアルバムが出たんです。
ホント良い音してますよ~。音楽的には、
SRVよりずっとロックっぽくて(バンドの他のメンバーを見ても、ロックミュージシャンっぽいですよね)、アルバムに収められた曲も、1曲を除いて、すべてオリジナル曲です(SRVの場合はブルースのカバーも多かったですからね)。ギターも素晴らしいんですが、
彼の歌がまた良いんですよ。バラード曲
“Softly I Fall”なんて最高ですね。SRVのような白人ギタリスト/ボーカリストの音とも違うし、勿論、黒人のそれとも違っているんですが、ホントによく歌う
熱血ギターで、ブルースフィーリングも素晴らしいと思います。ブルースやブルース・ロックが好きな人、そしてギターが好きな人、ストラトが好きな人には是非聴いてもらいたいギタリストです。
・・・とりあえず1stアルバムを紹介したんですが、これを書きながら2ndアルバム
“Crawlin' Moon”を聴いていたら、それも素晴らしいんですよね。・・・と言うか、どれも同じぐらい素晴らしいんですよ。3rdアルバムでは、多少ブルース色が薄れた感もありますが。他にミニアルバム等もあるので、どこかで中古盤でも見つけたら、 “お買い物リスト”に入れておいて下さい。レンタル屋には無いかなぁ・・・。