シンガポールの湾岸地域に特設された市街地サーキットで、F1初のナイトレースとして開催されたF1第15戦シンガポールGP、優勝は15番グリッドからスタートしたルノーの
フェルナンド・アロンソでした。金曜土曜のフリー走行では速さを示していながら、予選中のマシントラブルでQ3には進めず、“順位を上げるには戦略で奇跡を起こす必要がある”とまで言っていた彼が、運も味方につけて波乱のレースを見事に制しました。・・・う~ん、(アロンソをチームに招きたがっている)ホンダのロス・ブラウンではないですが、彼はやはり今のF1でベストのドライバーですね。速さ上手さは勿論のこと、ここ一番で見せるその集中力は凄いです。脱帽です。“チャンピオン経験者とはこうあるべき”という姿勢を常に見せている彼だからこそ、運も味方したんでしょう。素晴らしい勝利でした。アロンソに続く2位にはウィリアムズのロズベルグ(自己最高位)、3位はポイントリーダー、マクラーレンのハミルトンが入りました。・・・マクラーレン/ハミルトンとチャンピオン争いをしている筈のフェラーリはどうだったかと言うと、これがもう最悪。予選で圧倒的な速さを見せ、ポールポジションからスタートしたマッサは、レース序盤をリードしたものの、ピットアウト時に給油ホースをつけたままクルマを発進させるという信じ難い・・・と言いたいけど、今シーズンのフェラーリからすると、それほど信じ難くもない(明らかにチームの)ミスを犯し大きく後退、ライコネンは残りあと4周というところで縁石に乗り上げクラッシュ、リタイアという結果に終わりました。当然、両ドライバー共ノーポイントで、ドライバーズランキングでハミルトンを逆転するどころか、コンストラクターズでマクラーレンに逆転されてしまいました。この大事な時期に何やってんだか・・・。使いこなせていない
ハイテク ・・・かと思いきや、今回は手動で操作していたそうですね。何とも中途半端な・・・(ピットレーンでの混乱を生んだ例のトラフィックライトシステム)なら、無い方がマシだと思うんですけどね。そりゃ、ドライバーは青信号が出れば発車させるって。チャンピオン争いをしているドライバーに、“システムの問題ではない”と気を使わせてどうすんねん・・・。とりあえず今シーズンの残り3戦は、普通にロリポップ使いなさいよ・・・。悪いこと言わないから。
・・・そんな風に、アロンソの優秀さと、フェラーリのマヌケさが印象に残ったGPでしたが、ナイトレース自体は素晴らしく面白かったですね。一般道を利用したコースということで、路面は決してスムーズではなく、ドライバーも大変そうでしたが(ボトミングによる火花があれだけ出るのは久々に観ました。レース終了後、頭痛を訴えるドライバーも居たようですね)、そんな厳しいサーキットであるからこそ、F1ドライバーの凄さがより伝わってくるとも言えました(レースしているその上の道路を一般車両が走っている光景はちょっと不気味でしたが・・・)。シンガポールGPはカレンダーの中で特別な存在になって行くのではないでしょうか。・・・そして次戦はいよいよ日本GP、今年の富士は晴れるんでしょうか?観客の皆さんは、去年のような酷い目に会わないんでしょうか?佐藤琢磨の緊急参戦はあるんでしょうか?(ほぼ無いと思うけど) 色んなことが気になる第16戦日本GPは、10月10日、旧体育の日開幕です。