やっぱり凄い、シューマッハー。スペイン、バルセロナのカタルーニャサーキットで、火曜日から行われていたF1合同テストの前半2日間に、昨年限りで現役を引退したミハエル・シューマッハーが参加しましたが、38歳の元ワールドチャンピオンはその両日でTopタイムを記録した模様です(汗)。ある程度予想していたこととは言え、(本格的な走行では)ほぼ1年ぶりとなる久々のF1ドライブで、ここまで完璧に仕事をこなしてしまうミハエルには驚き&脱帽です。数チーム/数名のドライバーが参加した小規模のテストではなく、F1の11チームすべて/ベテランから新人まで20数名のドライバーが参加している中でのTopタイムですからねぇ・・・。モータースポーツに対してあくまでも真摯な態度で臨む彼ですから、テストの前には2週間ほど首の再強化トレーニングを積んできたらしいですが、初日64周、2日目は90周を走りこんだらしいです。体力の衰えもまるで無いということですよね。
“クルマに乗ったときは緊張したけど、すぐに感触を思い出した。2周ほど走るうちに何をすべきか分かった”って、何だそりゃ(笑)。こういうのを本物の才能と言うんでしょうねえ。まさにモータースポーツ界のLiving Legendですな・・・。
“テストでTopタイムを記録した”という風にだけ書くと、“単にフェラーリのクルマが良いだけじゃないの?”みたいに思う人も居るかと思うんですが、シューマッハーが1年間のんびりしている間も一生懸命走っていたフェラーリの現役ドライバーより速いタイムを出してますからね。初日はテストドライバーのルカ・バドエルより0.2秒、2日目はレースドライバーのフェリペ・マッサより0.5秒速いタイムを・・・。しかも、走行中にはグラベルに乗り上げるなどの攻めの走りを見せていたらしいし、今年の春にかつてのライバル、ミカ・ハッキネンがマクラーレンをテストした時とは、そのレベルがまるで違います(ハッキネンは一応現役のレースドライバーであったにも拘らず、“もう止めておいた方が・・・”みたいな緩いタイムしか出せなかった)。“バドエルがテストドライバー、マッサがレースドライバー・・・それじゃシューマッハーは何と呼ぶんだろう?”と、考えてしまいましたが、彼のような人は “スーパードライバー”と呼ぶんでしょうねえ。そうとしか言いようが無い。・・・などと、テストの結果、タイムだけを観て、興奮している奴が極東の国にも居る訳ですから、現場で彼の走りを目の当たりにした関係者の衝撃はかなりのものだったようで、同僚やかつてのライバル達もこんなコメントを残しています。フェラーリのチームメイト、ルカ・バドエルは
“マイケルの走りは信じられない。1年じゃなくて1日だけ休んでいたようだ。彼は間違いなく世界最速のドライバーだ”と、シューマッハー引退後、現役最年長ドライバーとなったデヴィッド・クルサード(雨のスパ・フランコルシャンで起きた
“シューマッハー、マクラーレンピット殴り込み事件”面白かったなぁ・・・)は、
“彼には才能があるようだ。F1に上がってくるだろう”というナイスなジョークの後に
“彼がF1に復帰したら先頭を走るだろう。もし、マクラーレンが今もドライバーを探しているのなら、マイケルが最高の解決策になると思う”と・・・。どれもホントに言えてますよね。当のシューマッハーは“引退はもう最終決定事項”と語り、F1に復帰する意思は無いようだし、フェラーリチームも“ミハエルが今後テストに参加する予定は(今のところ)無し”と言っていますが、今回の彼の走りには良い夢見させてもらいました。 “いつでも帰ってきてね、マイケル”これが僕の偽らざる気持ちです(笑)。
追記 :チームからの依頼を受け、12月初旬にへレスサーキットで行われるテストにも参加する模様。やっぱり役者が違いますねえ。