昨年の4月からスタートしたNHK BSの番組“BSサタデーライブ 黄金の洋楽ライブ”、毎回毎回、“NHKはいつからこんな映像を隠し持っていたんだ?!”と訊きたくなるようなプログラムが出てきますが、今週土曜6月30日は
Ten Years Afterと
Wishbone Ashの2本立てだそうです。これまた凄いの出してきましたね~。年季の入った洋楽リスナーには鼻血ブーな組み合わせではないでしょうか。僕の場合、
Maroon5で
サンディ・トムな若輩者なんで、この2つのバンドに入れ込んだことはないんですが(Wishbone Ashは一時聴いてたけど)、“今って何年?”とおもわず訊ねたくなるような企画を通したNHK番組編成部の英断(?)には拍手を送りたい気持ちです。・・・ただこれ、どちらも1983年のLIVEらしくて、時期的には非常に微妙なんですよね(笑)。どう考えてもバンドの全盛期ではないし・・・と言うか、明らかに人気が低迷(殆ど下げ止まり?)していた時代のLIVE映像のようです(Ten Years AfterはMarquee Club25周年記念ギグの為に再結成した時のLIVEだそうです)。・・・でも、この人達、ミュージシャンとしてはずっと現役だった訳で、演奏力が衰えていた時期ということでもないでしょうから、こちらの方がある意味貴重かもしれません(当時のHMブームを意識して、ギターの音がやたらとメタリックになっていたりしたら嫌だなぁ・・・笑)。
“せっかくだから・・・”と言うことで、さっきまでTen Years After聴いていたんですけど(今はWishbone Ash・笑)、やっぱ古くさいっすねぇ・・・、どう聴いても。その古くささがカッコ良かったりもするんですが。Ten Years Afterの代名詞と言えば、やはりアルヴィン・リーとその弾きまくりな訳ですが、この人の場合、僕が洋楽を聴き始めた70年代後半には既に過去の人、“ひと昔前のスーパーギタリスト”という感じだったんですよね(今から計算すると、いくつ昔前 になるのか分かりません・・・)。そんな感じの人だったので、僕にとって全然大きな存在ではないんです。バンドの全盛期に映画
“Woodstock”等で、その速弾きを目にした人には凄いインパクトがあったんでしょうけどね。僕の場合、“Woodstock”やそっちの方より、セドリック ・クラピッシュ監督の映画
“青春シンドローム”で使われたTen Years Afterの曲の方が印象に残ってますね。結構凄い邦題がついてますが、学生運動が盛んだった時代のフランスが舞台の青春映画で(タイトル観りゃ分かる)、音楽の使い方も凄く良かったです(Ten Years Afterの曲は、主役の1人が
“I'm Going Home” のコピーを試みるんだけど、フレーズが速すぎてすぐに諦めるというシーンで使われていました・笑)。・・・と、そんな世代の人達には、未だにアルヴィン・リーは大きな存在のようで、Gibson社からは彼のシグネチャーモデルが出ていたりします。
Big Red ES-335というやつが。しかもこれ、限定品とそうでないものの2種類あるらしいんですが、売れているんでしょうか?中々凄い仕様・・・殆どコンポギターのような335ですけど。まあ、需要があるから生産されているんでしょうねぇ・・・。
・・・対するWishbone Ash、現在BGMになっているWishbone Ashはどうかと言うと、こちらはTen Years Afterに比べて古くささを感じないと言うか、確かに多少の古さはあるんだけど、普遍的な感じがしますよね。凄くメロディアスで、いかにもイギリスらしい湿り気があって。ギターの音色もこっちの方が好みです。個人的には。特にアンディ・パウエルの音が良いですね。今でこそ“Flying Vと言えば、マイケル ・シェンカー”みたいなイメージがありますけど、70年代は“アンディ・パウエルこそがMr. Flying V”だったんじゃないでしょうか。マイケル・シェンカーの熱心なファンだった僕が言うんですから、少しは信じて下さい(笑)。・・・と言うかね、UFO時代のマイケル・シェンカーって、極端に露出が少なかったんですよ。長い髪で顔を隠すようにしてギターを弾いていて・・・って、そういう意味では全然なくて(笑)、その時代のマイケルが日本の音楽雑誌に載ることはホントに少なかったんです。たまに載ってたら、白のWネックSG持ってたり(僕が最初に目にしたマイケルの写真はレス・ポール弾いてました)。当時、
KISSの
ポール・スタンレーが持っていたFlying Vに憧れた人も多かったですけど、あの人の場合、“音色がどう”という感じではないでしょう?そういうのに比べると、アンディ・パウエル/Wishbone Ashは雑誌等への露出も多かったし、何よりその音色がFlying Vらしいんです。同じGibson製、同じハムバッキングPUが付いたレス・ポールよりもちょっと軽めの音で。・・・まあ、アンディ・パウエルとマイケル・シェンカーどっちが好きか?と訊かれれば、マイケル・シェンカー!と答えざるを得ませんが、“アルヴィン・リーのシグネチャーモデル作ったんだから、アンディ・パウエルにも作ってやれよ、
レニー・クラヴィッツモデルのFlying Vの色変えたら良いだけの話じゃないか”なんて、今思いました。需要がないんでしょうねぇ・・・。限定3本でどうだ?>Gibson ・・・と言うことで、土曜の夜が楽しみです。
・・・言うのが最後になりましたが、Ten Years AfterもWishbone Ashもバンド名が良いですよね。何だかとってもロマンがあります。