インディアナポリス・モータースピードウェイで行われたF1第7戦アメリカGP、優勝はマクラーレン・メルセデスに乗る若きポイントリーダー、
ルイス・ハミルトンでした。前戦カナダから2戦連続のポール・トゥ・フィニッシュ、まさに完璧、今年の北米ラウンドはハミルトンの為にあったという感じすら受けます。2位に入ったダブルチャンピオンのフェルナンド・アロンソ、シーズン序盤では連勝もしたフェラーリのフェリペ・マッサ(マクラーレンの2人と同じく今期2勝)は、ハミルトンの引き立て役/脇役で終わってしまったというのは言い過ぎでしょうか?彼の場合、“これまでに観たことがないほど完璧なルーキー”というのはとうの昔に卒業して、“現役ドライバーの中でベスト”と呼べる存在に成りつつありますよね。Topチームのドライバーの中で、最もミスが少なく・・・と言うか、予選/レースの中で致命傷と言えるミスはまったく犯していなくて、その抜群の安定性(と、勿論速さ)が、彼を(7戦を終えて2位に10ポイントの差をつける)ポイントリーダーの座に置いています。これまでに何度言ったか分かりませんけど、ホントに凄いですね・・・。ハミルトン本人や急増するハミルトンマニアにとっては、北米ラウンドは“歓喜の2連勝”ということになると思いますが、僕はこれを “彼のチームメイトでダブルチャンピオン、フェルナンド・アロンソの2連敗”という風に見てしまいます(当然アロンソ本人もそうだと思いますが)。今回のレースでもアロンソはハミルトンに傾きかけているシーズンの流れを自分の方に向けようと必死になっていましたよね。レース中盤、若干ペースが落ちたハミルトンに、おもいっきり仕掛けていたし。でも、ハミルトンは譲る気なんてまったく無しで(笑)。アロンソがこのまま引き下がるなんてことはあり得ないと思いますが、このチーム内での主導権争いは今後どうなって行くんでしょうか?・・・1度接触したりすると面白くなるでしょうねえ(笑)。
・・・で、すっかり主役の座をマクラーレンの2人に奪われてしまった、フェラーリを筆頭とする他チームなんですが、今回のフェラーリは3位マッサ、4位ライコネンと被害を最小限に食い止めたという感じでした。このチームにも、レース終盤にソフトタイヤを履いたライコネンが、前を行くマッサを追い詰めるというシーンがありましたが、チームメイト同士でむやみなオーバーテイクを仕掛ける筈もなく・・・と言うか、“時既に遅し、レース序盤で他のチームのドライバー相手にこれやれよ・・・”と言うかで、どうにもピリッとしない終わり方でした。フェラーリもチーム内バトルに終始していた感があります。シューマッハー時代には考えられなかった展開なので、面白いっちゃあ面白いけど、淋しいっちゃあ淋しい。やっぱりライバルチーム相手にこれやって欲しいです。ライコネンがファステストラップを記録したというのが救いですかねぇ・・・。予選での速さを何とかすれば、まだマクラーレンに追いつける可能性はあるんじゃないでしょうか。・・・あとは何がありましたかね~(北米ラウンドの生中継は睡魔との戦いでもあるんですよね・笑)。ルノーに復調の兆しが見られたんじゃないですかね?ハミルトンと同じ2007年デビュー組のコヴァライネンが5位入賞、レース序盤にスピンしたフィジケラはポイントGETはなりませんでしたが、低速区間で先行するクルマを追い回し、次々にオーバーテイクしていました。“ルノーは相変わらずコーナリングマシンだな~”なんて思いましたが、このまま調子上げて行って欲しいです。クビカの代役で急遽出走したBMWのセバスチャン・ヴェッテルも大したもんでしたね。予選7位、レースは8位フィニッシュで1ポイントGET、F1初レースで初得点、これだけでも充分賞賛に値しますが、彼はまだ19歳(10年ほど前にもアルゼンチン人ドライバーのエステバン・トゥエロが19歳でF1に参戦しましたが、チームはミナルディで結果もそれなりでした・・・)。最年少ポイントスコアラーになったらしいです。“安い!速い!上手い!”の若い力が急速に伸びてます。そしてホンダは、スーパーアグリにオーバーテイクされてました・・・。
クルマの開発競争激化が予想される、再びのヨーロッパラウンド開幕戦フランスGP(ミハエル・シューマッハーがチャリティイベントでサーキットを走るらしいですね)は、6月29日開幕です。