1990年にエレクトラ・レーベルの設立40周年を記念してリリースされたアルバムです。過去に同レーベルから発表された名曲(若しくはそうでもない曲)の数々を当時の所属アーティストがカバーするという内容になってます。 ・・・このブログでは、これまでに結構な数の
カバー/トリビュートアルバムを取り上げてきたんですが、その事実が示すように、僕はカバーやトリビュートの類は決して嫌いではありません・・・と言うより、むしろ好きです。そういった趣向の曲やアルバムは“所詮企画ものでしょ”みたいな台詞で片づけられることも少なくなくて、それはまあ確かにそうなんですが、質の良いカバー曲は、原曲に新たな解釈を加えて、その曲の持つ可能性を広げたり、その曲の良さを改めて感じさせてくれたりするものなんですよね。また、それによって、今まで知らなかった素晴らしい曲を知ることになったりもして。・・・と言うようなことをこれまでに何度も書いてきたんですが、僕がカバー曲やトリビュートアルバムに対して、そういう考えを持つきっかけとなったのが、このアルバム
“RUBAIYAT”です。恐らく。今にして思うと。・・・てことで、今回はそれを紹介しようと思いますが、これ、2枚組のアルバムで、1枚毎の収録曲も非常に多いので、2回に分けて書きたいと思います。・・・けど、途中端折るかもしれません(汗)。
・・・曲紹介を始める前にまず触れておくと、このアルバムには、エグゼクティブ・プロデューサーとして、
レニー・ケイがクレジットされています。Patti Smith Groupのギタリストであり、それ以前は音楽評論家としても活動していた人ですが。彼のような人が、エレクトラの歴史を綴った素晴らしいライナーを寄せると共に、アルバムそのものの出来に目を光らせていた訳ですから、参加アーティストとしても気が抜けなかったことと思います(そんなことないか?)。・・・それでは1曲目、記念すべきオープニングナンバーは、The Cureによる
“Hello I Love You”。The CureがThe Doorsのカバーをするという時点で既にカッコ良さそうなんですが、やっぱりカッコ良いです。どんな感じに演っているかというと、・・・The Cureっぽく演ってます(笑)。このバンドの音楽は、シリアスさの中にユーモアも感じるところが良いですよね。2曲目、好きです。
トレイシー・チャップマンで
“House Of The Rising Sun”。この曲の歌詞がそうさせるのか、当時の彼女の若さゆえか、最近のものよりも、その声や歌い方に“怒り”や“鋭さ”みたいなものを感じます。2分で終わる短い曲ですが、アレンジもホントに素晴らしいです(ワディ・ワクテルのギターも良いです)。3曲目はビリー・ブラッグによるLOVEのカバー
“Seven And Seven”、これはパンキッシュですね。4曲目はジェヴェッタ・スティールで
“I'd Like To Teach The World To Sing”。・・・ジェヴェッタ・スティールと言えば、映画“Bagdad Cafe”のテーマ曲“Calling You”で有名な人ですが、最近どうしているんでしょう?原曲はまったく知りませんが、これ良いですね。この人の歌は好きです。5曲目は超有名グループが超有名曲をカバーしています。Gypsy Kingsで
“Hotel California”。・・・このカバーバージョンも有名ですかね。これ、今では彼等のベストアルバム等にも収録されているようですが、初出はこのアルバムでした。これを最初に聴いた時は感動しましたねえ。これこそ、素晴らしいカバーの見本だと思います。6曲目はThe Black Velvet Bandによる
“Warewolves Of London”、ウォーレン・ジヴォンのカバーです。良い感じですね。・・・え~、それだけで(笑)。
そして7曲目、これは最高です。The Sugarcubesで
“Motorcycle Mama”。僕はこの曲で、ビョークの歌を初めて聴きましたが、ビックリしましたね。“な、何だ?このねえちゃん、すげぇ~!(汗)”みたいに。今ではオリンピックの開会式で歌ってしまうぐらいの大物になってしまいましたが、当時からそのパワーは圧倒的でした。8曲目はShineheadによる
“One Meatball”、これ、レゲエにアレンジされてますが、原曲はどんな感じなんでしょう?(人に訊くな) ・・・9曲目はThe Havalinasで
“Bottle Of Wine”。原曲もThe Havalinasというグループも知らないんですが、これは良いですね。・・・ちゅうか、こんなの忘れてましたわ(汗)。ええや~ん、これ。続く10曲目はThe Pixiesによるブルースのカバー
“Born In Chicago”。これはガレージっぽくてカッコ良いですね。・・・で、ここまでがA面です。そんなのすっかり忘れていたと言うか、殆ど初めて気づいたような気もしますが(汗)、当時、このアルバムはカセットでもリリースされていて、そのA面がこの曲で終わります。・・・う~ん、やっぱり、A面とB面があるのって良いなぁ(笑)。・・・そして、Disc1のB面は、Faster Pussycatによるカーリー・サイモンのカバー
“You're So Vain”で始まります。これが意外と良いんですよねえ・・・。“意外と”などと言っては失礼だけど、ホント意外と(笑)。Faster Pussycatがカーリー・サイモンのヒット曲をカバーするというのが、まず意外じゃないですか。それで、その曲調とバンドの演奏がマッチしているのが、これまた意外なんです(笑)。確かこれ、PVもあったんじゃなかったでしたっけ?・・・あ、やっぱりありますね。YouTubeにありました。曲名クリックしてみて下さい。意外と良いです。・・・Faster Pussycatで6行も使ってしまった(汗)。12曲目はKronos Quartetで
“Marqee Moon”、Televisionのカバーですね。アートしてます(笑)。いや、良いですよ。これ。・・・13曲目はフィービー・スノウによる
“Get Ourselves Together”。歌は勿論良いんですが、バックがモロに打ち込みで、“なんだかなぁ・・・”です。14曲目はHappy Mondaysで
“Tokoloshe Man”。これも原曲知らんなぁ・・・。Happy Mondaysも良く知らないけど。でも、馬鹿っぽくてイケますね(笑)。マイケル・ウィンターボトム監督の“24 Hour Happy People”でも馬鹿っぽく描かれてたもんなぁ・・・。恐らくホントに馬鹿なんでしょう。
15曲目も少し意外な組み合わせです。アーニー・アイズレーによる
“Let's Go”。The Isley Brothersの看板ギタリストがThe Carsの曲をカバーしてます。こちらの意外な組み合わせも結構マッチしていると思います。The Carsの曲が持つ一種の馬鹿っぽさ(また馬鹿・笑)と、ファンクミュージックのアホっぽさは相性も中々だと思います。・・・とか書くと、すんごい馬鹿な曲みたいに思われるかもしれませんが、そんなことはないです(笑)。・・・16曲目はLynch Mobで
“Going Down”、ボーカルはオニ・ローガン。・・・そりゃ勿論、
Jeff Beck Groupが演っているこの曲の方がカッコ良いですが(較べるな)、Lynch Mobのオリジナル曲よりはカッコ良いです(笑)。でも、当時の僕はハードロックが一番の好物だったので、この曲が入っているというのも、このアルバムを買った理由のひとつだったりしました。・・・と言うか、来日コンサート観に行ったし。・・・そして、L.A.メタルからガラッと変わって、17曲目はAmbitious Loversの
“A Little Bit Of Rain”。“ジョージ・リンチの次はアート・リンゼイ”って何やねん(笑)。面白いなぁ、このアルバム。こんな無節操感、僕はとっても好きですが。18曲目はアニタ・ベイカーで
“You Belong To Me”。カーリー ・サイモン(の曲)2度目の登場ですね。大橋純子の“黄昏マイラブ”を カーリー西條がカバーしたりすると面白いと思うんですが。・・・って、何を言うとんねん。・・・そしてDisc1ラスト、19曲目(結局全部書いてしまった・・・)は、ハワード・ジョーンズによる
“Road To Cairo”。これまた原曲知りませんが(汗)、雰囲気があって凄く良いです。ハワード ・ジョーンズ、人気ありましたね~。・・・なんてことを書きながらクレジットを眺めていていたら、ここで印象的なベースを弾いているのは、ピノ・パラディーノであることに初めて気づいたのであった。・・・と言うことで、Disc1の曲紹介を終わりたいと思います。それでは、続きはまた次回!