こんなアルバムも出てたんですね~。全然知りませんでしたわ~(汗)。かつてパット・メセニーのプロデュースによって華々しく世界デビューを飾ったこともある、イスラエル出身の女性シンガー、
ノアの故郷凱旋コンサートの模様を収めたLIVEアルバムです。今年の6月にリリースされていたようです。・・・ワールドワイドデビューアルバム
“Noa”や、続く
“Calling”は大手ゲフィンレコードからのリリースだったので、発売当時、かなりプッシュされていたと記憶しているんですが(パット・メセニーも絡んでたし・・・)、ゲフィンとの契約が切れてからはこの人の名前を聞くことは少なくなっていました。・・・まあ、世界デビューを飾る前からアルバムは何枚も出していて、本国イスラエルでは国民的な人気を誇る人らしいので、ゲフィンと離れてからも活動を続けていたことは知っていましたが、僕がこの人のアルバムを聴くのはもの凄く久々です(前途の2枚はずっと聴いてたけど)。・・・つーか、日本は駄目だろう。日本のレコード会社は。アメリカで流行っていれば、つまらないものでも何でも紹介して、宣伝も散々するのに、こういう良い音楽はろくに紹介もしないで・・・。打ち込みビシビシで無機質極まりない大量生産品のような音楽より、例えばこのノアが演っている繊細な音楽の方がよっぽど日本人の琴線に触れると思うんですけどね。・・・こういう音楽が流行ったりすれば、それはそれでまた違和感を感じると思うので、別に良いんだけど(笑)。
・・・ボヤキはこの辺にして、アルバムの話を始めたいと思いますが、このLIVEアルバム、タイトルにもあるように、
The Solis String Quartetというストリングスカルテット(笑)との共演盤でもあります。The Solis String Quartet以外の参加ミュージシャンは、ギタリストで、ノアの音楽活動に措ける長年のパートナーでもある
Gil Dor、ピアノとフリューゲルホーンの
Adi Rennert、パーカッションの
Zahr Frescoの3人です(もう1人、
Ilan Mochiachという人がアレンジでクレジットされていますが、バンドの集合写真には写っていないので、純粋にアレンジャーとしての参加なんでしょう)。パーカッショニストのZahr Frescoは、“Calling”にも参加していたので、この人もノアの音楽活動において重要な位置を占める人なんでしょうね(10年ぶりに彼女のアルバムを買ったので、余り分かったようなことは言えませんが・汗)。・・・そんなメンバー構成で行われたコンサートなので、とってもお上品な感じで進められて行きます。観客の歓声も抑え目の録音なので、CDをかけた瞬間は “LIVEじゃないの?”と思ったほどです。・・・でもこれ、歓声は抑え気味であっても、実はかなりの熱気を持ったコンサートであるようです。何たって、イスラエルの人が、国民的歌手をホームに迎えたコンサートですからね。演奏されている曲も“Calling” で聴けたようなロック的なアプローチを持つものではなく(こういうのも聴きたかったですけどねえ)、アコースティック楽器をバックに歌われるしっとりしたものが中心ですが、“じわぁ~”と盛り上がって行くのが分かるんですよ。曲の中で聴こえる手拍子、曲が終わった時に聴こえる歓声、拍手も熱いです。音量レベルは低くても。
アルバム(コンサート)前半に登場する、デビューアルバム“Noa”からの曲3連発、
“Mishaela”、
“Wildflower”、
“I Don't Know”を聴くと、12年も前に作られた曲であるのに今もまったく色褪せていないと言うか、その瑞々しさに改めて感動したりします。あのアルバムは、やはりレベル高かったですねえ。・・・先ほども書いたように、僕は彼女のアルバムを買うのは久々・・・10年ぶりなんですが(汗)、その10年の間に書かれ、録音されていた曲はどんな感じだったかというと、これが意外とシンガー・ソングライター風と言うか、ジョニ・ミッチェル辺りを彷彿とさせるような曲があったりします。個人的には中東の雰囲気を感じさせる曲・・・それも英語詩ではない曲が好きだったりしますが、これはこれで良いと思います。・・・と言うか、どれもホントに美しいメロディを持った曲だし、歌も上手くて、声も素晴らしく綺麗なので悪い訳がないんです。ここ日本では知名度が高いとは決して言えない人ですが、もっと沢山の人に聴かれて然るべきシンガーだと思います。そんな人を支えているバックの演奏も当然のように上手いです。・・・中でもやっぱりパーカッションですかね~。パーカッションは、中東の音楽の特徴であり、魅力でもありますよね。このアルバムでも、パーカッションの効いた曲が気持ち良いし、そういった曲が終わったあとの客席の盛り上がりには凄いものがあります。いやホント、世界には素晴らしいミュージシャンが沢山居ます。木村カエラは可愛いです。
“Santa Lucia”や、(1stにも収録されていた)
“Ave Maria”といった曲も演奏されているので、これからの季節にピッタリなアルバムかもしれません。僕には関係無いですけどね。
・・・それでこのアルバム、同じタイトルで2枚組のものもあるみたいなんです。僕はそれ買ったあとから知って、“あ、そっちの方が良かったな~”とも思ったんですが、実はこれ980円(税抜き)で買ったんでした(笑)。
ワゴンセールならぬ段ボールセールで。そう考えると、やっぱりこっちで良いです。いや~、得したな~。