“The Beatles最新作”という売られ方をすることで発売前から物議をかもしていたアルバム“LOVE”が、10日ほど前に発売になりましたが、皆さんはもう聴かれたでしょうか?僕は勿論聴いてません。何たって、知人に“たまにはビートルズも聴こう”とアドバイス・・・と言うか、殆ど説教(涙)されるぐらいのビートルズ素人ですから。“ジョージ&ジャイルズ・マーティンがThe Beatlesの楽曲をどんな風にいじっているのか?”とか、“サルティンバンコでアレグリアなThe Beatlesってどんなもんじゃろ?”とか、色々興味は尽きませんが、“まあ急いで聴くこともないかな・・・”と思ってます。今、CDをレジに持って行くのちょっと恥ずかしいし(笑)。・・・あ、そう言うえば、ちょっと聴きましたわ。レコード屋で掛かってました。僕にはThe Beatlesにしか聴こえませんでしたけどねえ。って、当たり前ですが。熱心なビートルズファンの中には、“あんなものはThe Beatlesのアルバムとして認めん!”とか、“The Beatlesの音楽に対する冒涜である!”と思う人も居るんでしょうけど、紛れもなくThe Beatlesですからねえ。“実は一部、The Parrotsの演奏が入っている”とかそういう話じゃないんですから(笑)。その音を聴いた
ポール・マッカートニーにしても、“もっといじってくれれば良かったのに”という風に言っているんでしょう?本人がそう言っているぐらいなんだから、ファンだって素直に楽しめば良いんですよね~。・・・と、さっきから熱心なビートルズファンの逆鱗に触れるようなことばかり言ってますが、僕は熱心なビートルズ素人ですから。“LOVE” もほとぼりが冷めた頃に聴きたいと思います。
そんなビートルズ素人の僕が本日御紹介するのは、アメリカのカントリーアーティストがThe Beatlesのカバーをしているという、おもいっきりの企画盤。The Beatlesのアルバムはろくに持っていないくせに、こういうのは色々持っているんです(笑)。インチキくさいものは嫌いではない・・・と言うか、むしろ好き・・・と言うか、ロックなんてそんなもんだと思ってますから。ロックミュージシャンがみんな、The Beatlesやエルヴィスのように偉大だったら困りますよね~。・・・ただ、このアルバムがインチキくさいかと言うと、そんなことはまったくなくて、もの凄く正統派で、素晴らしく丁寧な仕事が成されたトリビュートになってます(まあ、これはいい加減なロックミュージシャンとはちょっと違う人達が作ったものですからね)。・・・でもね、正直言うと、このアルバムに参加しているアーティストの名前殆ど知らないんですわ。
何故なら、僕はカントリー素人でもあるからだー!あっはっはー、自分のいい加減さに何だか楽しくなってきましたよ~。まあ、音楽聴く時なんて、そんなもんですよ。僕の場合。10年来のファンであっても、メンバーの名前1人しか知らないバンドなんてザラですから。曲のタイトルなんて気にもしてないし。・・・なので、このアルバムに参加しているアーティスト(全17アーティスト)で名前を知っていたのは、タニヤ・タッカー、ウィリー・ネルソン、フィル・キーギー、ランディ・トラヴィス、ヒューイ・ルイス(って、カントリーアーティスト?)、Little Texas、スティーヴ・ウォリナー、チェット・アトキンス、クリス・クリストファーソンぐらいですかねえ。・・・あ、こんなに居るやん。半分以上知ってりゃ充分だな。・・・そして、このアルバム、大きくアレンジを変えている曲は殆どなくて、 “耳に馴染んだビートルズナンバーが、別の人のボーカルで聴こえてくる”という感じになってます。これはこれで正解じゃないですかね。カントリーの人は、歌も演奏も素晴らしく上手いですから。非常に気持ち良くビートルズの曲を聴くことが出来ます。
・・・ホント、上手い人揃いで、曲は言わずと知れた名曲揃いなので、“これはちょっとどうかな~?”なんてものは皆無と言って良いアルバムなんですが、“カントリー調に演ってるだけ”という曲は無くもないです。つーか、結構あります(笑)。その人なりのアレンジや色を加えていて、僕が良いと思うものをいくつか挙げると、タニヤ・タッカーの
“Something”(これ、アレンジは殆ど原曲のまま)、フィル・キーギー&PFRの
“We Can Work It Out”(イントロや曲中に加えられたストリングスやコーラスのアレンジがナイス)、Shenandoahというグループの
“Can't Buy Me Love”
(余りにもカントリーチックな音が微笑ましい)、ヒューイ・ルイスの
“Oh! Darling”
(曲とボーカルスタイルがバッチリ合ってます)、スージー・ボッガス&チェット・アトキンスの
“All My Loving”(イントロのギターからして最高!)といった辺りですね。中でも、スージー・ボッガス&チェット・アトキンスの“All My Loving”は素晴らしいです。この曲がアルバム中、最も原曲とアレンジが異なりますが、チェットの軽やかなギタータッチ、スージー・ボッガス(この人、良く知りませんけど・・・)の伸びやかで優しそうな歌声、どちらも最高です。文句無しのベストトラック。この曲のおかげで、アルバムの全体の評価はグンと上がります。・・・まあ、トリビュート/カバーアルバムの常で、“こういうのを聴くぐらいなら、オリジナルを聴く”という人は居るでしょうけど(これは特にビートルズだし・・・)、そういう人は是非そうして下さい(笑)。
・・・観れば分かると思いますが、ジャケットにはジョン・レノンが書いたイラストが使われています。