1995年にリリースされた、フロリダのR&Rバンド、
The Mavericksの4thアルバムです。・・・と書き始めたんですが、実はこの人達のこと、殆ど何も知りません。フロリダのバンドだということも今知ったし、正直言うと、今の今まで、The Marvericksだと思ってました(笑)。何故か“R”が1個余計に入っていたんですよねえ・・・。正しくはThe Mavericksです。って、お前が気をつけろよ。>BoosterMania ・・・そんな有様なので、彼等のアルバムも、これ1枚しか持っていなかったりするんですが、この人達のことは、ずっと上手いバンドだと思ってました。何だか言い訳がましいけど、ホントです。最初に耳にしたのは、クエンティン・タランティーノ脚本、ロバート・ロドリゲス監督のギラギラホラー
“From Dusk Till Dawn”の中で使われていた
“Foolish Heart”という曲なんですが、これがまた甘い曲で良かったんですよね。“歌上手いな~、演奏も気持ち良いな~”みたいな感じで。・・・最初にR&Rバンドという風に書きましたけど、ここで言うR&Rバンドというのは、
The Rolling StonesやThe Black Crowes、ましてやGuns N' Rosesみたいなバンドではなく、もっとカントリー/ロカビリー寄り、殆どオールディーズと言っても良いようなR&Rバンドです・・・と言うか、エルヴィスなんですけど。聴いた時の第一印象は。映画のサントラの次に彼等の音を聴いたのはどれも
エルヴィストリビュートのアルバムだったりするんですが、そこに収められている彼等の音は、それはもう見事にエルヴィスしてました(
“It's Now Or Never”収録の
“Love Me”なんて完璧)。
・・・ブライアン・セッツァーのような人気者も居るし、エルヴィスなんて世代を超えて熱狂的なファンを持つアーティストな訳ですが、ロカビリーという音楽自体は、洋楽を良く聴いている人達にも余り聴かれていないような気がするんですけど、そんなことないですかね?・・・と言うか、僕がそんな感じなんですけど(笑)。エルヴィスのカッコ良さに気づいたのも結構最近になってからだし(ブライアン・セッツァーはずっと好きでしたが)。ロカビリーのファンには、結構濃い人が多かったりするじゃないですか。ってか、大体濃いんですよ(笑)。プログレファンも濃いけど、ロカビリーファンの濃さは、それとはまたちょっと違って、色んな面に拘りを持った人が多いんです。音楽に関しても、服装に関しても、生き方に関しても。・・・まあ、多少先入観があるのかもしれないけど、あながち見当外れでもないと思いますよ。ブライアン・セッツァーのコンサートに行ったりすると、そういう人多いですもん(笑)。そういう人達を満足させなければいけないので、今、ロカビリーを演るということは結構大変なことなんです。キングの名を汚すようなことがあってはいけないんです。・・・別に汚したければ汚したって構わないんですけど(笑)、そんなバンドでは生き残れないんです。そう考えると、アメリカで人気者になったThe Mavericksは凄いですよ。こういった音楽の浸透度は日本とは比べ物にならないでしょうから、耳の肥えたリスナーが沢山居る訳ですよね。そういう人達は、プログレファンのように細かいことに拘ったりはしないだろうけど(笑)、耳に入ってくる音楽が気持ち良くなかったら、即ブーイングですよ。きっと。恐らく。多分・・・。なので、このアルバムに収められている音楽も、聴いていて非常に気持ちの良いものです。
“Music For All Occasions”というタイトルがすべてを現してますね。どんな時に聴いても気持ち良いし、どの曲も気持ち良いです。上手いです。殆どすべての曲を手掛けているボーカルの
ラウル・マロ(この人、ソロアルバムも沢山出してます)が、バンドの中心人物であることは明らかですが、彼を支える演奏陣も皆さん上手いです。
The Mavericks、向こうでは、カントリーロックというジャンルに入れられる場合が多いようですが(ロカビリーと言うと、ちょっと不良っぽいイメージも付きますからね)、ホントに気持ち良い音楽を演っているんですよ。・・・さっきから“気持ち良い、気持ち良い”って、まるで変質者のようですが(汗)。前途の
“Foolish Heart”で幕を開け、途中、名アコーディオン奏者
フラーコ・ヒメネス参加のTex-Mexな曲を挟んだりして、最後は
トリーシャ ・イヤーウッドという女性シンガーとの甘いデュエットで締めるという、非常に気持ちの良いアルバムです。・・・あ~、気持ち良かった。