2001年にリリースされた、
Stone Temple Pilotsの5枚目にしてラストとなったアルバムです。・・・STPと言えば、Velvet Revolverのボーカリスト、
スコット・ウェイランドが在籍したバンドな訳ですが、皆さんはVelvet Revolverお好きでしょうか?僕はそうでもないんですよね~。“Guns N' Rosesに較べてどう”とか、“あのバンドは寄せ集めといった感が拭えない”とかそういう話ではなくて、スコット・ウェイランドとスラッシュの相性が、僕にはイマイチに思えてしまうんです。・・・まあ、“GN'R云々”というのはやはり避けては通れないと思いますが、それよりもスコットとスラッシュの相性が気になるんですよ。スラッシュのギターって、結構相手(ボーカリスト)を選ぶと思うんですよね。スラッシュというギタリストは“シグネチャートーン”とも言えるものを持っていて、基本的にはそれ一発で全部演ってしまうじゃないですか。個人的にはそういうタイプのギタリストは大好きですが、こういう人って、ホント相手を選ぶと思うんです。音色そのものに存在感がありますからね。そう考えると、スコット・ウェイランドのようなタイプは、これまでスラッシュが組んできた他のボーカリストの中で見ても相性抜群とは言えないと思うんですよ。明らかに2人の間にマジックが存在していたアクセルは別格とすると、
Snakepitの2ndで歌っていた何とかっていう人・・・では余りにもいい加減か(笑)、ちょっと待って下さいね・・・あ、ロッド・ジャクソンか、この人なんて凄く男らしくて、スラッシュとの相性という面でも中々良かったと思います。
エリック・ドーヴァーも、ちょっとミスマッチな感じが悪くはなかったし(この人も相性抜群とは思いませんけど)。 ・・・と、こんなことを言うのも、スコット・ウェイランドというボーカリストをイマイチと思っている訳ではなくて(Velvet RevolverのLIVEを観たこともないですしねえ)、STP時代のスコットの方が彼らしいと言うか、ああいったバンドに居た方が、その良さが生きると思うからなんです。
・・・Stone Temple Pilotsはシアトル/グランジ勢がシーンを席捲している'93年にデビューしましたが、彼等の1stアルバム
“Core”は、そのシアトル勢との共通点をおもいっきり指摘され、“カリフォルニアから出てきたグランジバンド”のような言われ方もしました。実際、STPはシアトルのバンドからも影響を受けていたと思いますが ・・・と言うか、あの当時、そこから影響を受けずにいられたロックバンドなんて殆どなくて、あれを意識しすぎて失速に繋がったバンドも数多く存在しましたよね・・・彼等の場合、曲作りが上手かったですよね。デビューの頃から。今もVelvet Revolverのレパートリーになっている
“Sex Type Thing”のリフなんて凄く覚えやすいし、
“Plush”は素晴らしくメロディアスであったと思います。・・・ぶっちゃけ、僕はGN'RやSTPの曲は覚えていても、Velvet Revolverの曲は覚えていなかったりしますが(笑)、そういった曲作りの上手さが彼等の人気の理由だったと思います。・・・でも、この人達って、日本で盛り上がっていたことあるんですか?デビュー時以外で。アメリカと日本の温度差が結構あったように感じていたんですが、そんなことないんでしょうか?とりあえず僕の場合は、スコットがドラッグで捕まったりする度に“あぁ、またか・・・” と思って、バンドに対する興味も徐々に薄れて行きましたが(音的にも “あぁ、またこれか・・・”と思うことも無きにしも非ずで・笑)。だって、ボーカリストが刑務所に入ったり出たりして、存続しているのか分からないバンド以外にも面白いバンドは出てきますしねえ。・・・そんな状況の中、リリースされたのが'99年の
“No.4” で、“あれ、また出たの?解散してないの?”みたいな感じで2001年に出たのが、この
“Shangri-La Dee Da”です(今日は“No.4”を取り上げようかとも思ったんですが、あのアルバム、ジャケットが愛想無いんでこっちにしました・笑)。
・・・僕には、ヴェルヴェット・リヴォルヴァー(と書くと、馬鹿っぽくて面白い)でのスコットは、他のメンバーに合わせているのか、やけに男らしさ、ワルっぽさばかり強調しているように思えるんですが、彼はあまり硬派ぶった歌い方じゃない方が向いていると思うんですよね。“ちょっとPOPさも感じさせる曲で滲み出てくるワルっぽさ”みたいなのが良いと思うんですよ。悪ぶらなくても悪いんだし(笑)。その点で、このアルバムは良いんじゃないでしょうか。ヘビーな曲は少なめで、アコースティックギターを使った音作りも結構されているし。・・・今となっては、STPと言えば、スコット・ウェイランドが居たバンドということになっていると思いますが(そんなことないですか?)、このバンドの頭脳は、やはりギターの
ディーン・デレオだと思うんですよ。この人はスコットの現在のバンドメイト、スラッシュとは違って、曲にあわせて非常に多彩な音作りをする人なんですよね(最初の頃はそうでもなかったけど・・・)。“あの”エリック ・ジョンソンに、曲の中でのギターの使い方を絶賛されたぐらいの人なので、如何にハイセンスか分かるというものです。曲とスコットのボーカルを良く聴かせる為には、どういう音色をどこでどう使えば良いのか心得ている感じがします。簡単に言えば、 “ジミー・ペイジ・タイプ”ということにでもなるんでしょうか。このアルバムは、特にそういうのが分かりやすいですね。さっきも書いたように、ヘビーではない曲が多かったりするので(彼のそんな面が、
アラニス・モリセットの
“So-Called Chaos”への参加に繋がったと思います)。これはスラッシュが、余り持っていない部分ですからね。勿論、それが悪いと言っている訳では全然ありませんが、“やはりスコットにはディーン・デレオようなタイプが合っている”という風に思ってしまうんですよ。まあ、Velvet Revolverもカッコ良いバンドですけどね~。どう考えても。
・・・それじゃ次回は、“スコットじゃないボーカリストが歌っているSTP”
Talk Showのアルバムを取り上げます。・・・いや、適当に言ってみただけですが(笑)、聴いてみようかな。何度も聴いたことないので。ってか、その前にまず探さないと・・・。