このアルバムは結構売れましたよね~。日本やフランスだけではなく、ベルギーでも売れたようです。・・・10日ほど前にW杯も幕を閉じましたが、1ヶ月の間サッカーを観続けていた人達は今どうしているんでしょう?再開されたJリーグの試合を早速観始めている人、もうしばらくすると始まるヨーロッパのリーグ戦を楽しみに移籍動向を見守っている人、色んな人がいると思いますが、僕の場合、毎回そうなんですが、W杯が終わるとしばらくボーっとしてしまって、終わってすぐにはサッカーを観ようという気にはなれません。・・・でも、何となくテレビの前にいる癖がついてしまって・・・かと言って、面白いテレビ番組をやっている訳ではなくて・・・という感じで、このところ、少し時間があると、映画を観ていることが多いんです。それも過去に観た映画を観直すことが。先日はブログのネタにもした
“La Haine”や“Welcome To Sarajevo”を観ていたし(W杯出場国と関係のある土地を舞台にした映画が多かったりする・笑)、昨日は
“Everybody Famous”(原題は
“Iedereen Beroemd”)という映画を観てました。何と読むのかまったく分からない原題ですが(フラマン語?)、ベルギーの映画です。ジャンル分けするとすれば、コメディということになるんでしょうかね。これが中々面白いんですよ。結構力が抜けるんです(笑)。
・・・映画のストーリーを簡単に説明すると、ビンの製造工場で働くジャン(ルックス的には“禿げかかった
Moterheadのレミー”みたいな感じ)は、歌手に憧れる娘マルヴァを熱心に応援しているんです。彼女の為に自分で曲を作ったりもして。でも、それはどうも空回り気味なんですよ。そんな冴えない状況の中で勤め先の工場が倒産、職を失ったことを家族には打ち明けられず・・・と、完全に八方ふさがりになったところに、いつもテレビで観ていた人気歌手デビーと偶然出会うんです。・・・そこで、ジャンはとんでもないことを思いつくんですよね。娘を歌手としてデビューさせる為、彼女に自分の曲を歌わせる為に。・・・とまあ、大体こんな感じで(こんな適当で良いんか?笑)、物語は進むんですが、ところどころでホロッとさせ(僕はしてないけど)、しょっちゅう脱力させる、ハリウッド映画とは対極にあるような、ツッコミどころも満載の楽しい映画です。・・・で、その映画とヴァネッサ・パラディがどう関係あるのかと言うと、劇中、“町内のど自慢コンテスト”みたいなシーンが何度かあるんですが、そこでマルヴァが、ヴァネッサ・パラディの
“Be My Baby”やマドンナの
“Material Girl”を歌っているんですよ。それっぽい衣装をつけて(他の出場者は、フレディ・マーキュリーのような口髭を蓄えてQueenの
“I Want To Break Free”を歌っていたり、顔を黒く塗ってオーティス・レディングの
“Try A Little Tenderness”を歌っていたりします)。“Be My Baby”は映画が始まってすぐに流れるんですが、それを観た瞬間、ブログのネタ(今日の1曲)にしようと決めた次第です。
・・・1992年にリリースされた、フレンチアイドル、
ヴァネッサ・パラディのこのアルバム、
“Vanessa Paradis”とセルフタイトルがついていますが、通算3作目に当たるもののようです。英語で歌った初のアルバムということになるんでしょうか。プロデュースと、
The Velvet Undergroundのカバー
“Waiting For A Man”を除くすべての曲のコンポーズを手掛けたのは、御存知
レニー・クラヴィッツ。'92年というと、レニーの2nd
“Mama Said”と3rdアルバム
“Are You Gonna Go My Way”がリリースされたちょうど間の年に当たり、レニーの創作意欲も絶好調で時代の寵児的扱いを受けていた頃でもありますね。個人的には、レニーのアルバムでは、その2枚を含む初期の3枚が好きだったりしますが、当時のレニーの好調さを示すように、ヴァネッサ・パラディのこのアルバムも曲は粒揃いで、素晴らしい仕上がりです。自身のアルバムがそうであるように、ここでもレニーは作曲の他に多くの楽器の演奏をこなしていて(レニーの右腕
クレイグ・ロスも当然のように参加)、バックの音だけ聴いていると、彼のアルバムと殆ど変わらないような感じです(・・・でも、ヴァネッサ・パラディの声質に合わせて、多少軽めの音作りしてますかね)。曲調も如何にもレニーっぽい“レトロでLove & Peaceな感じ”ですが、歌っている人(声)がまるで違うので、レニーの100倍ぐらい可愛らしいです(レニーがヴァネッサ・パラディの100分の1ぐらい可愛いと言っている訳ではない)。
“Be My Baby”はアルバムの4曲目に収められた、特に可愛らしく元気な感じの曲で、モータウンのガールズグループ調の曲です。レニーが歌っていてもそこそこ良い感じに聴こえると思うんですが、やはりこういった曲は女の人(できれば若い方が・・・)の声で歌ってもらいたいものです。・・・でも、ヴァネッサ・パラディが僕の好み(面食い)に当てはまるかというと、これがちょっと微妙で、パッと見は確かに可愛いんですが、映画等で観ると、あのオデコとスキッ歯がどうしても気になります。って、何を言うとんねん・・・。
・・・そんな感じで、“Be My Baby”を含むヴァネッサ ・パラディのこのアルバムは、レニー・クラヴィッツが如何に優れたコンポーザーであるか、如何に優れたプロデュース能力を持っているかを示す中々の好盤だと思います。・・・まあ僕なんかは、レニーの魅力はやはりその声にあると思うんですが、それを“ちょっと濃すぎる・・・”という風に感じている人もいるかもしれませんよね。そんな人達にも、このアルバムや
クリー ・サマーのこのアルバムはお勧めしたいところです。 ・・・ぶっちゃけ、僕はレニーの最近のアルバムを繰り返して聴くことは殆どないんですが、クリー・サマーのアルバムは飽きずに何度も聴いてます。・・・と、ヴァネッサ・パラディやレニー・クラヴィッツの話を展開してきましたが、“Everybody Famous”を観て、一番印象に残るのは、映画のクライマックスで歌われる
“ラッキー・マヌエロ”という曲なんですよね~。観終わったあとは、しばらくその曲が頭の中で鳴ってます(笑)。