ネットサーファーの皆さま、ボンソワール。・・・と、流行語大賞の授賞式に登場した、旧中津江村の村長さん風の挨拶から始めてみましたが、大型連休の中日、皆さんは如何お過ごしでしょうか?僕の場合、“名刺も持たない奴にゴールデンウィークなんてやって来ない”ということで、いつもと変わらぬ日々を過ごしています(泣)。・・・まあ、こういう状況は今に始まったことではないので、今更どうこう言ってもしょうがありません(なので、さっきの“泣”も うそ泣き)。自分には関係のない話と思っているだけです。・・・ただ、連休が始まると、テレビのニュースもそれ一色になって、行楽地に詰め掛けた一般人へのインタビューなどが頻繁に流れるのが鬱陶しいですね。特にうるさいのが“成田空港では海外への出国ラッシュが始まりました”というあれ・・・。“そんなの連休がなくて旅行も出来ない奴のヒガミだろう”と言われれば、それはもう仰る通りでございます(笑)。いくら“I Wanna Stay Home by
Jellyfish”な僕でも、たまには旅行してみたいです。ヨーロッパなんて良いですねえ・・・。などと、妄想だけ膨らんで行っても、現実的には実現の可能性は限りなく低いので、外国の音楽でも聴いて我慢するんです。 ・・・と言うことで、今日はフランスの
Tete、毎度毎度、長い前フリすみません(涙)。
・・・この
テテという、おフランス在住のシンガーソングライター、NHKの
“フランス語会話”で彼の曲が使われたことによって、日本でも広く知られることになり、昨年の春には来日公演も行っています。・・・けど、僕はそんなことまったく知りませんでした。僕はフランス語の挨拶こそ出来るんですが、第2外国語は中国語を選択していたので、“フランス語会話”は観ていなかったんですよ(でも、今にして思えば、偶然つけていたその番組の中で、彼の曲を耳にしていたような気がします)。・・・なので彼の存在を知ったのも最近のことです。レコード屋のワールドミュージックコーナーで見つけて、何となく買ってみたという感じです。視聴もせずに何となく買ってみたんですが、アルバムを掛けた途端に彼の音楽は気に入りました。この
“L'air de rien” は、2001年にリリースされた彼のデビューアルバムなんですが(ちなみに、右側で煙草をふかしているお兄ちゃんがテテ、左側のおっさんは顎鬚を伸ばしたモーガン・フリーマンです・・・これはウソですけど)、アコースティックギター1本をバックに彼が歌う、オープニングの
“Le meilleur des mondes”1曲を聴くだけでも、彼の音楽が持つ楽しさや優しさみたいなものはこちらに充分伝わってきます。・・・僕は、彼の音楽からは“優しさ”というものを一番感じますね。
テテ君は、
ギタープレイもホントに素晴らしいんですよ。テテはセネガル人の父とアンティル諸島出身の母の間に生まれて、2歳の時にフランスへ移住してきたらしいんですが、やはりアフリカの血というものは、彼のギタープレイにも強く出ていると思います。彼はアフリカにルーツを持つフランス人でありながら、
ボブ・ディランや
ジミ・ヘンドリックス、The Beatlesやレニー・クラヴィッツ・・・といった、イギリスやアメリカのアーティスト/音楽に強く影響を受けているらしくて(それ以外では、ボブ・マーリーからの影響も強いらしい)、それは彼の音楽からも確実に感じることができますが、彼のギター・・・素晴らしく
リズミックで、パーカッシブなギタープレイからは、そのルーツを感じます(“アフリカンでパーカッシブなギタープレイ”というと、ナイジェリア出身のキザイア・ジョーンズを連想する人も多いでしょうし、僕もこの2人のプレイには通じるものがあると思います。テテの方がプレイ的にも音楽的にも大分ソフトムードですけどね)。こういうのは真似しようと思っても、そう簡単にできるものではありませんからね。・・・逆に、そういったルーツを持つテテのような人にしてみれば、ギターを弾くと“そういう風”になってしまうというのは、ごく普通のこと、当たり前のことなのかもしれませんよね。
・・・今、レニー・クラヴィッツの名前を挙げて、実際、彼のことを
“フランスのレニー・クラヴィッツ”という風に呼ぶ向きもあるみたいです。彼の声質や、バンドスタイルの曲からは確かに似たものを感じます。でも僕は、テテがレニー・クラヴィッツに直接影響を受けたというより、その奥にあるもの・・・レニーと共通のものに影響されているような気がするんですよ。・・・まあ、その人達の名前もしっかり挙がっていますけど、僕がこのアルバムを聴いていて、その曲調やアレンジからずっと連想していたのは
The Beatlesなんです。アルバムは
“Eleanor Rigby”のカバーで終わるぐらいですから、そのことからもテテがThe Beatlesからいかに強く影響されたかが窺い知れるというものですが、そういうドンズバなものよりも、アルバムを通じて存在するシンプルで美しいメロディから、よりいっそう強く感じるんです。もう“フランス語会話より、みんなの歌で流しても充分いける”みたいな曲/メロディすらありますからね(・・・そう言えば、リチャード・ボナの曲が“みんなの歌”で流れたこともありましたね~)。 ・・・ということで、このアルバム、今挙げてきたアーティストが好きな人であれば、きっと気に入ってもらえるものだと思います。まあ、僕はフランス語は分からないんで(挨拶は出来る)、テテが何について歌っているのかも殆ど分かりませんが、こういう音楽を聴くと、“音楽は世界共通の言語である”というセリフを思い出しますね。・・・って、僕、クサいこと言ってますか~?(笑) ・・・それでは、また次回まで。再見。