1994年にリリースされた、
Primal Screamの4枚目となるアルバムです。・・・
前回のLynyrd Skynyrdから南軍旗、そしてこのアルバムと、自分でも呆れるほど単純に繋がってきた訳なんですが、良く分かっていないんですよ、このアルバム(笑)。・・・と言うのもですね、僕はPrimal Screamというバンドの熱心なファンでは全然なくて、彼等に関する雑誌の記事やインタビュー等に目を通したことも殆どないので(このCDもライナーの付いていない輸入盤だし)、彼等が突然こういうアルバムを作った理由が未だに分からないんです。・・・このバンド、元々は“ブリット・ポップ”と呼ばれたムーブメントの中から出てきたようなところがあったじゃないですか。まず基本的に、僕はその辺のバンドには全然熱心じゃなかったところがあって・・・まあ、それは今も変わらないんですが・・・当然、Primal Screamにも強い関心は持っていなかったんですよ。チョロっと聴いた音も、当時の好みとは違っていたように思います(チョロっとしか聴いていないので、記憶が定かではない・汗)。
・・・それで、このバンドの音楽って、結構コロコロ変わるような印象もありますよね。出てきた時はパンクと言うか、ガレージと言うか、そんな感じだったのが、急にハウス/テクノっぽくなったりして。僕は彼等にそんな風な印象を持っていて、このアルバムが出た時も、積極的に聴いてみようとは思っていなかったんですが、一緒にレコード屋に行った知人がこれを買いましてね。南軍旗のジャケットを観た時点で、僕の頭の中にはクエスチョンマークが出ていたんですが、音を聴かせてもらったら、ホントに “そんな音”じゃないですか。ちょっとビックリしながら、“このバンドって、こんな音だったっけ?”と質問したんですが、“いや、全然違いますね”という答えが返ってきました。やはり。“何か良く分かんないバンドだな~”と思いつつも、その音は素晴らしくカッコ良かったので、僕もそのあとアルバムを買いに行ったんですが。そして、どういう訳か、このアルバムはメンフィスで録音されたもので、P-Funkの親玉
ジョージ ・クリントンが参加していることなどを知った訳です(プロデュースが
トム・ダウドだと気付いたのは、そのずーーーっとあと・・・と言うか、結構最近・汗)。“南軍旗でトム・ダウド”とくれば、出てくる音がこんな風になるのは当たり前のことと今では理解できますが、そんなことにまったく気付いていなかった当時は、Primal Screamの変身ぶりに、“こいつら変なバンドだな~”としか思っていませんでした(笑)。
・・・まあ、冒頭に書いた通り、彼等が突然アメリカ南部に向かった理由は未だに分かっていませんが、あまり深い意味は無いんじゃないかとも思います(笑)。バンドのボーカリスト兼リーダー、
ボビー・ギレスピー(今もこの名前を確認しながら書いているぐらい、Primal Screamに入れ込んだことはない・笑)の興味がその時そっちに向いていたとか、その程度の話なんじゃないでしょうか。・・・つっても、ホントにそれだけで、ここまでカッコ良い音を作れるとは思えなかったりもするので、彼のロックに対する知識や愛情といったものはかなりのものだと思いますが、そんな感じのファン気質と優れた感性を持ったアーティストと、70年代に数々の名作を作り上げたトム・ダウド(
映画観たいなぁ・・・)という名プロデューサーが組めば、こういうアルバムが出来上がるってことなんでしょうね。マッスル・ショールズのミュージシャンの参加も効いて、見事な南部サウンドになっています。・・・ただ、僕がPrimal Screamの変化に驚いたのと同様、この突然の南部趣味に疑問を抱いたミュージシャンもいたようなんです。それは、“モノホンの南部人”である
The Black Crowesのメンバーなんですが(笑)。
クリスだったか、リッチだったかは忘れましたが、ロビンソン兄弟のどちらかが、このアルバムのことを指して、“いきなり南軍旗って、何だありゃ?”みたいに言っていたのを覚えています。Crowesにしてみたら、カチンと来たんでしょうね(笑)。イギリスでハウスだ何だと言っていたバンドが突然これですから。・・・対するPrimal Scream/ボビー・ギレスピーが、そのコメントを耳にしたかは分かりませんが、もし知っていたら、“わはは、あいつらマジになってんぞ、自分達も出てきた時はイギリスのバンドの猿真似だとか言われてたじゃねーか、アメリカ人って単純だよな~、すぐムキになる”ぐらいに思ったのではないでしょうか(笑)。
・・・Primal Screamを聴く時は、(ロビンソン兄弟のように)余計なことは考えずに、純粋にそこにある音楽を楽しんだ方が良いんじゃないかと僕は思います。オープニングの
“Jailbird”から
“Rocks”に続く流れなんて、最高にカッコ良いです。・・・このアルバムに続く5枚目の
“Vanishing Point”も、またカッコ良いアルバム(南部趣味は1枚で終わり)でしたね~。・・・その2枚ぐらいしか知らないんですが(笑)。