昨年リリースされた、
The Corrsのアルバムです。・・・最近、妙にPOPSづいていたので、“ここらでちょっと男らしく行こう”と思って、一昨日はブルージーなアルバムを取り上げてみたんですが、
キム・ウィルソンはさすがにやり過ぎでした(笑)。ジャケットの写真が強烈で、観ていたら、今度は爽やかなアルバムを聴きたくなってしまいました・・・。そして、The Corrsに2度目の登場をお願いした訳ですが、ブログを始めて間もない頃書いた
前回の記事を読み返してみたら、自分が今回とまるで同じことを考えながらThe Corrsを選んだという事実を思い出して、強烈に呆れてしまいました(笑)。“男っぽいアーティストの次はThe Corrs”、もういい加減年齢も重ねているので、今更性格や考えが変わることはないと分かっていても、これは凄い。進歩というものがまったくありません。学習すらしていないですね(涙)。・・・まあ、そんなことはどうでも良いんですが。
気を取り直してThe Corrsの話を始めると、
“Home”というシンプルなタイトルを持ったこのアルバムは、The Corrsのルーツでもある、
アイルランドのトラッドソングのカバー集になっています。元々は次女であるキャロライン(ドラムを叩くおねえちゃん)の発案で始まったらしいですが、ここに収められた曲は、数年前に亡くなったメンバーのお母さんジーンさんが、お父さんと一緒にバンドで演奏していた数々の曲・・・お母さん手書きのソングブックから選んだものなんだそうです(今知った)。・・・僕はケルト音楽というのは、我々日本人の琴線にも触れるものだと思っているんですが、ここで聴かれる音楽も当然そういう風に響いてきます。アイリッシュ・トラッドの旋律を聴いていると何故か郷愁を感じてしまうし、凄く落ち着くんですよね。こういう風に感じるのは僕だけではないと思うんですよ。日本とアイルランドではルーツもまるで異なるのに、これは何なんでしょうね~?不思議ですねえ。・・・僕はやっぱり彼女達(今回もお兄ちゃん無視・笑)には、こういうのを演って欲しいですよ。The Corrsのオリジナル曲にも良い曲は沢山ありますが、彼女達にはあまり洗練されずにいて欲しいんです。“
The Chieftainsみたいになってくれ”とは言いませんけど。・・・って、勝手なこと言ってますが。
このアルバムのプロデュースは、前回取り上げた
“Unplugged”と同じく、
ミッチェル・フルームが務めていますが、個人的な意見を言わせてもらうと、これがまた大正解なんですよ。前回の記事の中でも、“彼女達の音楽には、現代的なプロダクションより、もっとシンプルなもの・・・“Unplugged”で成されているような音作りの方が似合うと思う”という風に書きましたけど、やっぱりこういうのが良いですよ。・・・元はと言えば、デヴィッド・フォスターのバックアップを受けデビューしたThe Corrsではありますが、彼女達が本来持っている音楽性は、あの辺のプロデューサーが得意とする現代的でクリアーな音作りが似合う音楽とはかなり異なるものだと思うんです。 ・・・こんなこと言っては何ですが、誰もアイルランドのバンドにそういうのを求めていませんよね(笑)。アイルランド代表のサッカーだって、近代的な戦術とはかけ離れた凄く泥臭いものじゃないですか。エースストライカーのロビー・キーンがゴールしたあとに見せるパフォーマンスも全然垢抜けてないし(笑)。でも、あのチームのサッカーは観ていて凄く爽やかだし、応援したくなるものだと思うんですよね。・・・なので、The Corrsにも、もっと泥臭く行って欲しいんですよ。・・・まあ、美人姉妹(良いなぁこの響き・・・)が中心となったグループに“泥臭く行け”というのもアレなんで、そこまではやらなくても良いですけど、基本的にはシンプルに行って欲しいものです。
冒頭にあるように、このアルバムに収録されている曲の殆どは、アイルランドのトラッドソングをThe Corrsがアレンジしたもので、うち2曲はインストゥルメンタルです。トラッドソング以外では、
アンナ・マクギャリグル(僕はこの人の音楽聴いたことありませんが、マリア・マルダーやリンダ・ロンシュタットを始め、色んな人に楽曲を提供している人でもあるようですね)や、
リチャード・トンプソン、そしてもう1人、“アイルランドの英雄”
フィル・リノット(今回はアンドレアのMCに倣ってリノット・笑)が書いた曲も演っています。・・・フィル(とジミー・ベイン)作の曲とは、The CorrsのLIVEでは御馴染みの
“Old Town”、ついにこの曲がスタジオレコーディングされた訳です。感無量・・・。ホント良い曲ですよね~。テンポやキーボードの音色などがオリジナルと異なるとは言え、途中入ってくるラッパの音など、基本的なアレンジは変わりません。この曲はThe Corrsに凄く合っていると思うし、数々のトラッドソングと一緒にカバーされるような曲を書いたフィルは偉大です(勿論、アンナ・マクギャリグルとリチャード・トンプソンも)。The Corrsのメンバーのような若いアイルランド人にとっては、この曲もトラッドソングと呼べるものなのかもしれませんね。・・・と、The Corrsのアルバムを聴いて和みながら、フィルの偉大さを再確認する夜なのであった。
つい先程予選が行われたF1サンマリノGP、
ミハエル・シューマッハーがフェラーリの地元イモラで、通算66回目のポールポジションを獲得!凄い!セナを超えた!