MTVの人気プログラム
“Osbournes”でも御馴染みの(そう言う僕は殆ど観たことないですけど・・・)オジー・オズボーンの愛娘、
ケリー・オズボーンのアルバムです。先日、レコード屋のクリアランスコーナーで見つけて買ってしまいました。どーもすみません。などと言っては彼女に失礼なんですが、やっぱりちょっと恥ずかしいんで、どーもすみません(笑)。これはオリジナルアルバムとしては2枚目に当たるんでしょうか?2005年にリリースされてます。・・・数年前にケリー・オズボーンがマドンナのカバー
“Papa Don't Preach”でデビューしたと知った時、“冗談半分、軽~い気持ちでCDを出しただけなんだろう”みたいに思っていたんですが、彼女は意外と真剣だったみたいですね。いくら両親が業界の大物であっても、本人のやる気なしでは、2枚もアルバム作れません。CDの売上げが落ちていて、レコード会社だって大変なんですから。
・・・実はこのアルバムには、安く売られていたという以外にも僕の購入意欲をそそるものがあったんですが、それは何かと言いますと、CDの帯に書いてあったプロデューサーの名前です。このアルバムのプロデューサーは
リンダ・ペリーなんですよ。リンダ・ペリーと言えば、90年代に自身のバンド
4 Non Blondesで“What's Up”というスマッシュヒットを飛ばし、バンドの方は殆どそれ一発で終りましたが(笑)、その後裏方に転じ、クリスティーナ・アギレラやピンク、グウェン・ステファニといった女性アーティストのソングライター/プロデューサーとして大成功を収めている人です。今や全米音楽業界には“女性アーティストを売りたかったら、プロデュースはリンダ・ペリーかブッチ・ウォーカーに頼め”という合言葉があるぐらいです。・・・すみません、適当なこと書いてみました(笑)。まあ、合言葉にまではなっていないかもしれませんが、結構近い感じのものはあるんじゃないでしょうか。そんな売れっ子にプロデュースを依頼したところからも、ケリー・オズボーンは結構真剣に音楽を演りたいのではないかと思った訳です。・・・まあ、“シャロン・オズボーンのゴリ押し”という線も充分考えられますが(汗)。
・・・そんな感じで、CDの帯に“リンダ・ペリーをプロデュースに迎え、80年代風エレクトロ・ポップで新境地を開拓”とあったので、とりあえず聴いてみようかという気持ちになったんです。“新境地”と言われても、今までどんな境地にいたのか知りませんけど、彼女がオジーとデュエットした
“Changes”の出来は悪いものではなかったし(と言うか、全英1位を獲得したらしい・・・)、“ひょっとするとリンダ・ペリーの歌も聴けたりして・・・”みたいなスケベ心も働いたし、“全然つまらなかったりしても、ブログのネタぐらいにはなるか・・・”みたいに思って、レジに持っていったのでした。国内盤新品で500円だったし(笑)。・・・そして、CDを聴く前に、曲のクレジットを確認してみたんですが、数曲でケリーの名前も見つかるものの、見事に全曲がリンダ・ペリーによるものでした(国内盤ボーナストラックを除く)。この時点で、ある程度満足できたんですが、一応聴いてみた方が良いじゃないですか。いや、当たり前ですけど(笑)。それで聴いてみたんですよ。第一印象は“こりゃブログのネタにしかなんねえな~” という感じだったんですよね。・・・と言うのも、良く考えたら、僕は80年代に流行ったエレクトロ・ポップってあまり好きじゃなかったんですよ(笑)。MTVで散々観させられて、曲は知ってるし、中には好きな曲もあったけど、アルバムをちゃんと聴いたりということは殆どしなかったんです。
僕は硬派ですから。そんな僕だったので・・・いや、今でも硬派ですけど・・・、最初はその程度の感想しか持ちませんでした。
・・・で、ブログで取り上げようと思って、何度か繰り返し聴いた今も基本的な感想は変わらないんですが(笑)、“こういうのもまあ良いかな”ぐらいには思います。“エレクトロ・ポップ”というぐらいですから、バックの音は殆どが打ち込みなんですが、“80年代風”なので、最近の音圧ドスドスの疲れるものではなくて、ドラムマシーンがトコトコバシャバシャ言っている、
チープと呼んでも良いような音作りです。・・・まあ、ケリー・オズボーンのようなシンガー(?)には、こういった音作りは正解なんじゃないでしょうかね?一聴して、彼女には宿敵クリスティーナ・アギレラ(ケリーが勝手にライバル視しているらしい・笑)のような声量も歌唱力もないことが分かりますから、80年代風の薄っぺらい音に分かりやすいメロディの歌を乗せるという、リンダ・ペリーが選んだ手法は正しいと思います。確かにこういう音を出すグループは、80年代に沢山いましたよね。キラキラしたシンセサイザーの音の上で、あまり上手くない女の子が歌っているバンドが(笑)。それでも、この
“Sleeping In The Nothing” に収められているのは、リンダ・ペリーのペンによる曲なので、フックのあるものも多いです。“リンダ・ペリー本人が歌ったらカッコ良いだろうな~”みたいに思う曲も結構あるんですよ。・・・そして、それを証明するのが
“Don't Touch Me While I'm Sleeping”という曲です。ちょっとビリー・アイドル風のこの曲では、ついにリンダ・ペリーの歌が聴けるんです(彼女は、このアルバムですべての楽器の演奏とプログラミングもこなしています)。特別クレジットはされていないですけど、サビのコーラスパートで。僕のスケベ心も満たされたというものです。いや~、やっぱりこの人の声はカッコ良いですわ~。
リンダ、表舞台へカムバッ~ク!
・・・こんなに長くなる予定ではなかったんですが、リンダ・ペリーのことを書いていたら、えらい長文になってしまいました(汗)。ってか、ケリー・オズボーンのアルバム紹介だった筈なんですが・・・。オズボーン家の次女(長女は家族と一緒にあの番組に出たくないんだそうですね・笑)も彼女なりに頑張っているし、リンダ・ペリーはガンガン稼いでいるということでよろしくお願いします。このアルバムには、“90年代に70年代風の音で出てきたリンダ・ペリーという人が80年代を演るとどうなるのか?” という、彼女のファンが長年抱いてきた疑問に対する答えがあります。・・・と適当に締めてみましたが、そんな疑問を抱いている人がいたとしたら凄いですね。