この辺りでも先週末ぐらいから、ようやく寒さが和らいできまして、気分的にも少し余裕が生まれそうな今日この頃です。皆さんは如何お過ごしでしょうか?確定申告はお済みでしょうか?僕はまだ済んでません(泣)。そんな感じで、
グロリア・エステファン。相変わらず節操がありませんが、何かとっても天気が良さそうじゃないですか、この人の音楽は(まあ、彼女の地元フロリダは、ハリケーンの本場だったりしますが)。・・・つっても、この人のアルバム、これ1枚しか持ってないんですけどね(笑)。僕が得意としている“クリアランスセールで安さに釣られて買ってみたシリーズ”の1枚です。購入のきっかけは“安く売られていたから”でも、聴いてみたらこれが思いの外良かったんですよ。・・・まあ、このクラスのアーティストになると、どんなアルバムでもある程度のクォリティは保証されているような気もしますけど(彼女の場合、ラテン音楽シーン・・・果てはアメリカショービズのスーパースターですからねえ)、それほど大きな期待はしていなかっただけに、このアルバムに収められた音の気持ち良さには、凄く得した気分です。聴いていてホントに気持ちの良いアルバムです。
・・・グロリア・エステファンと言えば、僕等のようなMTV全盛期を体験している世代にとっては、やはり
Miami Sound Machineで
“Conga”の人な訳ですよ。僕は流行っているものには関心の無いフリをする、ヒネた根性の持ち主なので、当時彼等のアルバムを買ったりすることはありませんでしたが、あの曲は文句なしにカッコ良かったですね。ラテン音楽の楽しさが沢山詰まった素晴らしい曲だと思います。僕みたいな、ロックばかり聴いていて、ラテン音楽にはまるで興味のなかった奴にまでそう思わせたMiami Sound Machineとグロリア・エステファンは偉いです。彼等はあの曲の大ヒット以前も地道に活動してきたグループなんですよね。・・・実はこのこと今知ったんですが(笑)。・・・で、“Conga!”のヒットのあと、グループはグロリア ・エステファンを前面に打ち出し、バンド名を
Gloria Estefan & Miami Sound Machineに変えましたよね。・・・そうなれば当然、次はグロリア・エステファンのソロ活動・・・となるのは世の常で、実際にそうなったんですが、最初に書いた通り、僕は彼女のアルバムって、殆ど聴いたことがないんですよ。・・・と言うのもですねえ、彼女のようなPOPスターのアルバム・・・
“This Is Showbiz!”みたいな音作りが成されたアルバムはどうも苦手なんです。特に90年代に入ってからのそれが。・・・まあ、“それ”というのは打ち込みの音なんですけどね。もう今までに何度書いたか分からないし、今どきそんなこと言っててもしょうがないんですが、打ち込みの音ってどうしても好きになれないんですよ。何か疲れるんですよねぇ・・・。やたらと派手で、不自然に音圧を出した音が駄目なんです。全然リラックスできないんです。このアルバムを買った時も、そういう音が来るだろうと予想していたんですが、聴いてみたら全然違ったんですわ。これが・・・。やっぱりラテンはこうじゃないと。
・・・で、この
“Unwrapped”というアルバムのどこが気持ち良いかというと、バックのアコースティック楽器の音なんですよ。2003年に出たアルバムですから、当然打ち込みの音も使われている訳ですけど、それは最小限に抑えられている感じです。チャランゴやクアトロといったラテン系弦楽器の音色も印象的ですが、オープニングナンバーの
“A Little Push”(ちなみに、このアルバムの歌詞はボーナストラックを除き英語です)が始まった時点で、“うわっ、カッコ良い!このアルバムの主役って実はこれなんじゃないの~?”みたいに思うのはドラムの音なんですよ。クレジットでその音の主を確認してみると、これが
マヌ・カッチェ・・・、スティングやピーター・ガブリエルとの活動でも知られる売れっ子ドラマーですけど、この人のタイコがもう最高。こんなに気持ちの良いドラムって滅多に聴けるもんじゃありません。マヌ・カッチェのドラミングを聴く為にこのアルバムを買っても損はしない・・・かもしれない。マヌ・カッチェ以外のメンバーも当然凄腕揃いですが、その殆どの人を僕は知りません(笑)。でも、ホント皆さん気持ちの良い音を出す人ばかりです。キーボードなんてアナログだらけですよ。ハモンドB3やウーリッツァーにフェンダーローズ、メロトロンまで使っているんですから。いくら時代遅れと言われようと、僕はやっぱりこういう音が好きですねえ。演奏者の顔が見える音の方が絶対に良いと思うんですよね。・・・そんな感じの気持ち良い音をバックに歌うグロリア・エステファンですが、この人こんなにハスキーな声でしたっけ?年齢を重ねて、こういう風な落ち着いた声質になったんでしょうかね?今まで熱心に聴いたことなかったんで、よく分かりません(汗)。・・・ゲストとして、
スティーヴィー・ワンダーや
クリッシー・ハインドが参加しているんですが、この人達が参加している曲はやはり印象的ですね。クリッシー・ハインドとグロリア・エステファンという組み合わせは少し(かなり?)意外な感じもしますが、これが結構はまっているんですよ。やはり自分のスタイルを持った人達はカッコ良いですねえ。
あまり
“ラテンラテンしていないアルバム”で、そういうのを期待して聴くと肩透かしを喰らうかもしれませんが、その分、幅広い音楽ファンにアピールするんじゃないでしょうか。ドラマー好きとか、メロトロンマニアとか、チャランゴフェチみたいな人達に。 ・・・写真が小さくてちょっと分かりにくいですが、ジャケットの背景になっているのは “耳なし法一になったグロリア・エステファン”です。指結構太いですね。