今月はこのDVDも買いました。
Metallicaのドキュメンタリー映画
“Some Kind Of Monster”(メタリカ :真実の瞬間)。これも結構面白かったですね。・・・最近は映画館での上映を終えてからDVD化されるまでの期間が短くなっていて、そのすべてが良い事だとは思いませんが、この映画のように非常に限られた都市で上映されたものが素早くDVD化されるのは嬉しいですよね。DVDならではのオマケもいっぱい入っているし(まだ全部は観ていませんが)。・・・で、このドキュメンタリー、2003年リリースのアルバム
“St,
Anger”製作時のバンドをひたすら(2年半に渡って)取り続けたものなんですが、製作初期段階のバンドは、ジェイソン・ニューステッドが脱退したばかりだし、ジェイムズはアルコール依存症に悩まされていたりで、もうボロボロなんですよね。ボロボロと言うか、ガタガタと言うか。バンドとしてまったく機能していない訳ですよ。事を深刻に受け止めたマネージメント側は、バンドにセラピーを受けさせるという、我々日本人からすれば
“まじっすか!あのMetallicaがっすか?!”みたいな事を提案して、バンドもそれに従ってみるんです。・・・まあ、細かい事をいちいち解説していたらキリがない映画なので(何せ長いから・・・)、内容について触れるのは程々にしようと思いますが(Burrn!で丁寧にやってるし・・・)、“良くここまで見せたな~”という感じの非常に興味深いドキュメンタリーに仕上がってます。・・・と言うかですね、これはたまたまドキュメンタリーの対象がMetallicaなので、話が物凄く巨大になってますけど、映画の中で起きている事は、どんなアマチュアバンドにだって起こり得る話なんですよね。Metallicaが抱えていたのと同じ悩み・・・メンバーの人間関係が上手く行かないという悩みを持っているバンドなんていくらでもあると思うんです。僕が思うに、
これがバンドというものだと思います。それをここまでカメラの前に晒したMetallicaのメンバーは凄いと思うし、彼等の音楽に対する情熱もこれまた凄いと思います。それに、ヘビーメタルというアンダーグラウンドな音楽を演り続けてあそこまでビッグになったのは、もう文句なしに凄い事ですよね。僕は彼等の音楽の熱心なファンという訳ではありませんが、バンドマンとしての彼等は尊敬しますね。
・・・彼等の音楽に夢中になれなかった理由のひとつとして、僕は彼等と殆ど同世代だというのがあるんですよ。・・・で、彼等が出てきた時、“その音楽の基にあるものが分かりすぎてしまった”みたいな部分もあるんです。ハッキリ言えば、“NWOBHMの亜流みたいだな~”ぐらいにしか思えなかった訳です。ヨーロッパ人であるラーズ・ウルリッヒがNWOBHMのマニアであった事は有名な話ですが、自分と歳の近い奴が、かつて自分も好きだった音楽に影響された音楽を演っているというのが良く分かって、素直な人だったら“ついに俺達の世代が出てきた!”と喜ぶのかもしれませんが、性格のヒネた僕の場合は素直に歓迎できなかったんです。この辺、どうですかね~?>僕と同世代の皆さん ・・・また、彼等の初期のアルバムの音が、それこそNWOBHMのバンドばりに薄っぺらくて(予算が少なかったんでしょうねえ)、好きになれなかったというのもありますね。これはMetallicaに限った訳ではなくて、スラッシュメタル全般に言える事なんですけど。彼等のアルバムで音も気に入ったのは、ボブ・ロックがバンドに関わり始めた
“Metallica”からですかね(このアルバムから好きじゃないという人も沢山いるみたいですが・笑)。・・・あと僕の場合は、自分もバンドをやっていたというのもあって、自分と同世代の奴等が出てくると、とりあえずライバル視していたんです(笑)。自分とまったく違う音楽を演っていたり(Metallicaはこれに当てはまる)、自分より明らかに上手い奴であっても、とりあえずライバル(笑)。勝手にライバル。ライバル大勢いましたわ~。日本にも海外にも。向こうは気づいていなかったと思いますが。・・・でも、バンドやってる人って、みんなこんな感じですよね?お願いだから、そうだと言って下さい・・・(涙)。
・・・そんな感じで、僕は彼等の音楽に夢中にはなれなかったんですが、彼等の活動の仕方や音楽に対する姿勢には一目置いていました。ああいう激しい音楽を演っているのに、LIVEに措ける彼等からは、演奏を凄く楽しんでいるのが伝わってくるのも良かったですね。“良いバンドだなあ”と素直に思えるバンドでした。
“Some Kind Of Monster”の中でもそれは明らかでしたが、メンバーのバンドに対する思いは物凄く強いものだと思います。まあ、置かれている状況や、その時の精神状態などによって、それがバラついていた事もあったみたいですが。ジェイムズ、ラーズ、カークの3人は性格も見事にバラバラですが、非常にバランスの取れた組み合わせでもあって、観てると面白いですね(本人達にしてみれば、面白がられては困るんだろうけど・・・)。かなり頑固なジェイムズ、とにかくバンドの事を考えているけど直情型のラーズ、その2人の潤滑油的な存在でもある物静かなカーク・・・と、凄く良く出来てます(笑)。バンドが最悪な時期にカークがいなかったら、結構やばかったんじゃないかとも思いますが、新メンバーの
鶴次郎(DVDの中では
トゥルーヒロみたいに発音してましたね)はメチャメチャ良い人っぽいので、バンドも今まで以上に良くなって行くんじゃないかと思います。・・・DVDの内容にはあまり触れませんでしたが、まず真っ先に思ったのは、
“アメリカ人ってセラピーが好きだなぁ・・・
”という事(笑)。僕はフィルというセラピストがおもいっきり気に入りませんでした。セラピー期間中にメンバーが彼の事をちょっと持ち上げたりするもんだから(その時はホントに感謝していたんだと思いますが)、このおっさん、調子に乗るのなんのって・・・。ベーシスト選びにも口を出してくるわ、ツアーにも同行したがるわで、物凄く鬱陶しいです。ボブ・ロックはセラピー中に苦笑いのような表情を浮かべる事がありましたが、もし僕がその場にいたら爆発してますね。ラーズ意外と大人じゃん(笑)。・・・まあ、彼にしてみればMetallicaは凄い金づるな訳ですから、何としてもくっついていたかったみたいですが。・・・いやホント、彼等の金持ちぶりにはビビリました。ラーズはバスキアの画を何枚も持っているし(オークションで売ってたけど)、鶴次郎には“契約金として100万ドル支払うよ”とか言うんだもんな・・・(汗)。Metallicaの音楽が好きではなくても、楽しめるDVDだと思います。ラーズの親父さんも凄かったなあ。“あの父にして、この息子あり”って感じです。
デイヴ・ムステインも情けなくて面白いです(涙)。
Metallicaの熱心なファンでもないくせに、この長さは何なんだ?・・・と言うか、横にあるピックは何だ?・・・って、白々しいなぁ(笑)。カークが中々弾けないリフを考え、いとも簡単に弾いてしまう強力な右手の持ち主、ジェイムズ ・ヘットフィールドのピックです。その昔、横浜アリーナでゲット。ってか、観に行ってんじゃん。>俺 メーカー名は入っていませんが、恐らく
Dunlop製で材質は
Tortex、厚さは0.88ミリです。ピックスクラッチをした訳でもないのに、強烈に削れてます。しかもかなり上の方まで。Mの左の縦棒(って、分かりますか?)の辺りまで削れてるんです。こんなところにMetallicaサウンドの秘密が?!