そしてまたまた続きです。いつまで経っても終わらない話に、いい加減ウンザリしている方もいらっしゃると思いますが、もうちょっとだけストラトの話をしたいと思います。昨日の記事の後半に書いたように、
素の音が非常にクリーンなストラトキャスターは、弾く人やその使い方によって、ホント色んな音を出せるギターなんです。ボロが出るといけないので、今日もカントリーやロカビリーアーティストの話はパスして、現代のロックギタリストのルーツであると思われるブルース系のアーティストから始めたいと思いますが、ストラトをストレートにアンプに繋いで、最初に
“キュィーン♪”と演ったギタリストの中で、僕が素晴らしいと思うのは、この間からちょくちょく名前が出ている
バディ・ガイや
アイク・ターナー、そしてジョニー“ギター”ワトソンといった人達ですね。それまでカントリー等の音楽で、クリーンな音のまま使われる事の多かったストラトというギターを、アンプにも多少無理をさせてヒィヒィ言わせたというのはデカイと思います(・・・ヒィヒィ言わせたなどという表現は少々お下品ですが、おブルースの皆さんの演っていらっしゃる事なので、このような言い方が丁度よろしいかと思います)。彼等の演っているブルースという音楽・・・“俺の女が出て行っちまった~” みたいな音楽(凄い偏見だ・笑)とストラトがヒィヒィ言ってる音が妙にマッチしてしまったんですねえ。・・・まあとにかく、彼等のようなアーティストがいなかったら、
ジミ・ヘンドリックスも、
エリック・クラプトンも、ストラトというギターを手にする事はなかったんじゃないかと僕は思います(クラプトンは“スティーヴ・ウィンウッドがストラトを使っているのを観て自分も欲しくなった”という風にも言ってましたが)。
・・・で、そこからジミ・ヘンドリックスへと、ストラトの使われ方はあまりにも飛躍的に発展してしまうんですが、ジミ・ヘンドリックスが示したストラトキャスターというギターの可能性は、やはりとてつもなく凄いものだったと思います。トレモロアームの大胆な使い方、エフェクターとの組み合わせ方、“ストラトというギターはこんなにも色々な音が出せるんだ”という最高の見本が、ジミ・ヘンドリックスの演奏だと思います。彼と同世代のギタリストは勿論、それ以降の世代でも、エレキ・ギターを弾く者で彼の影響をまったく受けていない人なんていないんじゃないでしょうか?たとえ直接的な影響はなくても、間接的には絶対ある筈ですよね。・・・と、いつの間にか、ジミの話になってますが(汗)。 彼が示したストラトの可能性を未だに広げ続けているのが、
ジェフ・べックであるというのは多くの方が同意してくれると思いますが、それ以外にもストラトで素晴らしい音を出している人は沢山いるんです。って、そんなの当たり前ですが。
ジミー・ヴォーンや
ロバート ・クレイといった人は、先ほど挙げたブルースマン直系とも呼べるストレートなストラトの音を、リッチー・ブラックモアやイングヴェイ・マルムスティーンは、ジミが使っていたものよりも歪みやすいアンプ+軽いタッチのピッキングで素晴らしいディストーションサウンドを、それとは逆にロリー・ギャラガーや
ゲイリー・ムーアは、気合と根性で(それだけじゃないけど・笑)熱血オーバードライブサウンドを・・・ここまで書いたんでもっと書きますけど・・・デヴィッド・ギルモアやエリック・ジョンソンは、ストラトらしさは残しつつも、エフェクターが乗りやすいという素晴らしい特性を生かして、1本のギターから素晴らしく多彩な音色を生み出しています(
エイドリアン・ブリューもストラトユーザーの1人ですが、あそこまで行くと話が別ですね)。みんなの大好きなエリック・クラプトンも、
スティーヴィー・レイ・ヴォーンも本当に素晴らしい音を出していると思います。最近のクラプトンはギターに細工して、ちょっとズルしてますが(笑)。
このように、ホント色んなギタリストがストラトを使って色んな音を出しているんです(・・・と言う割に、僕の好みの音を出しているギタリストばかり挙げてしまったので、かなり偏った人選になっていますが・汗)。・・・昨年2004年はストラト生誕50周年という事もあって、Fender社からは50周年記念モデルが何種類か発売されたりしました。そしてここ日本では、Guitar Magazine編集部が監修を務めた
こんなCDが発売されたりもしたんです。収録曲を見てみると、さすがにギター雑誌の編集部が選曲しただけあって、色んなギタリストの色んなストラトの音が聴けるCDになっていると思います。・・・が、これを買ってしまうような僕ではないんです。“こういうの買うより自分で作ろう!”という事になるんです(笑)。ホント、バランスの取れた中々素晴らしい選曲のアルバムだとは思うんですが、王道の曲があまりにも王道なんですよ。クルマの中でこれ聴いて、信号待ちの時に
“Highway Star”や
“Layla”が掛かったりしたら、さすがに恥ずかしいじゃないですか(笑)。某○菱自動車のCMじゃあるまいし。
“Misirlou”も映画の
“Taxi”みたいでちょっとアレですね。・・・で、今回は去年僕が作った
“ストラト生誕50周年おめでとうCD”の収録曲を皆さんに公開して、3日間に渡って続けた、いつにも増して自己満足度の高い話を終えたいと思います。・・・さすがに収録アーティストの多くはギタマガCDと被ってしまいましたけど、曲の方は意地になって変えました(笑)。
Dirty Girl / Jimmie Vaughan
Killing Floor / Jimi Hendrix
Burning Wheels Turning / Electric Sun
Summerland /
King's X
Savannah Woman /
Tommy Bolin
Under The Bridge / The Red Hot Chili Peppers
I Put A Spell On You / Mica Paris & David Gilmour
Falling In Love With You / Gary Moore
Cliffs Of Dover (Live) / Eric Johnson ←ここまでがA面(笑)
Somehow, Somewhere, Someday /
Kenny Wayne Shepherd Band
Lover's Will / Bonnie Raitt
They Don't Make Them Like You Anymore / Rory Gallagher
Think Just Like A Man / Burning Water
Crossfire (Live) / Stevie Ray Vaughan
The Forecast (Calls For Pain) / The Robert Cray Band
What Would I Do Without You / Eric Clapton
Wicked Game /
Chris Isaak
A Day In The Life / Jeff Beck
・・・全18曲収録で、Total Running Timeは79分36秒。御覧の通り、リッチー・ブラックモアやイングヴェイ・マルムスティーンといった人達には遠慮してもらいました。人気ストラトギタリストではありますが、全体の流れを崩してくれるので(笑)。“この曲、ストラトかと思っていたけど、実はテレキャスだった・・・”なんて事になると、もう笑ってごまかすしかないんですが、詳細を御存知の方がいても、その事は自分の心の中に留めておいて下さい。
“疑わしきは罰せず”と言うじゃないですか。それでは長々と失礼しました。次回、ある曲を紹介して“ストラト特集”を終えたいと思います。 ・・・って、
まだ終わらんのかー!今日で終わるんちゃうんかー!・・・いや、今思いついたんで(笑)。そう言えば、“ストラトCD”第2弾も作ったんだよなぁ・・・。