ブルースシンガーでハーピスト、
チャーリー・マッセルホワイトのアルバムです。2002年リリース。・・・なんですが、実はこの人の事良く知りません(汗)。ポール・バターフィールドと並ぶ元祖白人ブルースマンの1人であり、内外に多くの信奉者を持つギタリスト、ロベン・フォードがプロとしての活動を始めたのがこの人のバンドの一員としてだったという事ぐらいしか。アルバムもこれ1枚しか持っていないんですよ。・・・まあ、今挙げた2人の名前を見るだけで、彼が
かなり偉い人だというのは理解できますわね。その彼が
TELARCレコードに唯一残したのが、このアルバムです。・・・このTELARCレコードという会社、別にブルース専門レーベルという事でもなくて、クラシックからロックまで幅広く手掛けているみたいなんですが、如何せん所属アーティストが地味な人ばかりなんですよ(笑)。ブルースにはかなり力を入れているみたいですが、その中で一番有名なのがジュニア・ウェルズといった感じじゃないでしょうか。・・・以前取り上げた
The Memphis Hornsのアルバムも、同レーベルから出ているんですが、このアルバムのように、地味ではあるけど実力派のミュージシャンにスポットライトを当てたようなアルバム作りを得意としているようです。まさにミュージシャンの味方ですね。
・・・で、この
“One Night In America”、アルバムのタイトルやジャケットの雰囲気から、“LIVEアルバム?”みたいな感じも受けますが、そうではなくてスタジオアルバムです。そして、これまたTELARCレコードの得意技という感じがするんですが、バックを務めるミュージシャンは普段から一緒に演奏しているバンドではなくて、かなりきっちりした演奏をする人達で固められているんです。このアルバムの場合は、
G.E.スミスや
T-ボーン・ウォークといった、Hall & Oatesのバンドでも活躍した人達が全曲でバックを務めています(G.E.スミスは、このレーベルのアルバムによく参加してますね)。・・・G.E.スミスって、POPSからこういうブルースまでしっかりこなす事のできる、ホントに優れたギタリストだと思うんですが、個人的には、ラフなところが少なすぎてそんなに好みではないんです。あと弾いてる時の顔も(笑)。ブルースのような音楽だと、特にそういうところが気になりますね。・・・つっても、上手いんですけどね。とても。・・・そういった人達に加えて、かつてのボスのアルバムに花を添えるように、
ロベン・フォードも数曲に参加しています。・・・それで、ロベンのギターは、やはり一発で彼と分かるんですよ。最近では“音が良すぎて飽きてしまうわ”とか僕に憎まれ口も叩かれている彼ですが(笑)、やはりこの音は最高です。彼のような音を追い求める人が後を絶たないというも納得ですねえ・・・。ハムバッカーによる音も勿論素晴らしいんですが、アルバム後半の2曲
“I'll Meet You Over There”、
“Ain't That Lovin' You Baby”に於けるシングルコイルの音(テレキャスですかねえ)が、これまた最高なんです。当然、自身のアルバムよりブルース魂を炸裂させていますし、ロベンファンの方が聴いても満足できるアルバムだと思います。かなり地味ですが。カントリー色が強い曲も結構入っているので、“コテコテのブルースはちょっと苦手で・・・”という方にもお薦めです。正直、地味ですが。