元アイドルのミュージカル女優、本田美奈子が亡くなってしまいましたね。僕は彼女のファンではありませんでしたが、アイドルの頃から声は出ていたし(あとヘソも)、その後オーディションを経てミュージカル女優に転身した彼女の頑張りは凄いと思ってました。何よりまだ亡くなるには若すぎますよね。ご冥福をお祈り致します。・・・で、
本田美奈子と言えば、ゲイリー・ムーアな訳ですよ。80年代を知る人からすれば、“お~、そうそう、そんなのあったな~”、その時代に生まれた若い人にすれば、“え?なんすか?それ?”という感じだと思いますが、彼女はゲイリー・ムーアのペンによる曲をシングルとして発表した事があったんです。
“The Cross~愛の十字架~”というタイトルで1986年に。その曲のゲイリー・ムーアバージョンが、このアルバムや
“Wild Frontier”のCDボーナストラックとして収録されている
“Crying In The Shadows”なんです。 ・・・ちなみに、この翌年'87年には、本田美奈子は
ブライアン・メイの作詞作曲、プロデュース、演奏による曲
“Crazy Nights”も発表しています。・・・けど、これはどんな曲だったか覚えていないですね~。音楽雑誌にブライアンと本田美奈子が2人で写っている写真が載って、“何だこりゃ~?”と思ったのは覚えていますが。まあ、どれも当時のジャパンマネーの凄さを物語る出来事とも言えますが、それが決してジョークにならなかったのは、本田美奈子の歌唱力がアイドル離れしたものであったからだと思います。・・・って、さっきから本田美奈子の話ばっかりなんですけどね。
・・・ゲイリー・ムーアには結構思い入れがあるので、こんな形で彼のアルバムを取り上げる事になったのはちょっと予定外でしたが(話が長くなりそうなんで、敬遠していたんですよ・・・)、今回はさらっと行きたいと思います。もう充分長いですが(汗)。 ゲイリー・ムーアという名前から多くの人がイメージするのは、ブルドッグのような顔を崩しながらギターを弾きまくる、殆ど人差し指と中指の2本ばかり使って速くて熱いフレーズを弾きまくる
“ど根性ギタリスト”といったものだと思いますが、彼はそういったプレイと同じぐらいバラードを得意とするアーティストなんですよね。ゲイリー・ムーアが好きな人には、彼のそういう面が好きだという方も多いと思います。ってか、そうに決まってます。そして、彼の書くバラードや、ギターの節回しは妙に日本人の琴線に響くんですよ。・・・まあ、ぶっちゃけた話、
演歌っぽいんです(笑)。アイリッシュである彼のメンタリティが我々日本人のそれに近いのか、実はマーティ・フリードマンのように本物の演歌ファンなのかは分かりませんが(いや、これはないでしょうけど・・・)、彼の音楽には日本人を惹きつける何かがあるんです。・・・で、これを嫌う人も世の中には結構いるんですが(笑)、好きな人も大勢いる訳ですよ。・・・彼の “演歌っぽさ”が良く分かる例として、マックス・ミドルトンが
ジェフ・ベックの為に書いた
“The Loner”という曲が挙げられます。コージー・パウエルのアルバムでデイヴ・クレムソンが弾いているこの曲に較べると、ゲイリーが自身のアルバムで演っているそれは、
おもいっきりコブシが効いてます。あれはもうコブシとしか表現しようがないですね。他に良い言い方があれば教えて下さい。・・・そんなゲイリーの演歌なギター(と歌)をこれでもかと言うほど堪能できるのが、この
“Ballads & Blues 1982-1994”です。って、こんな書き方したんじゃ、聴きたいと思わない人も続出しそうですね(笑)。擬似Cream、
BBMの未発表曲が1曲、ドラムにゲイリー・ハズバンドを迎えた新曲(当時)2曲が含まれていたり、
“Falling Love With You” はアルバムとは別バージョンだったりと、中々商売上手なベスト盤でもあります。
・・・やっぱりさらっとは行きませんでしたが、今回はこの辺で。次にゲイリーの事を書く時はもっと褒めたいと思います。・・・つい先日、華々しく来日したブライアンは、本田美奈子の病状を知っていたんだろうか?なんて事をふと考えたのであった。