昔、このグループが好きだった人は、今でもまだ好きで、思い出しては聴いていたりするんじゃないでしょうか?
・・・すみません、今回も中途半端に古いアルバムです。1990年というと、ついこの間のような気がするんですけど、もう15年も前なんですよねぇ・・・。どうも、僕がここで書きたくなるアルバムって、この辺りに出たやつが多いんですよ。特別、この頃に出てきたアーティストが好きという訳ではないと思うんですが、僕自身が今より熱心に、楽しみながら音楽を聴いていたのかもしれません。まあ、そんな個人的な話は置いといて・・・、今日、紹介するのは、
Edie Brickell & New Bohemiansの
2枚目にして、最後のアルバムとなってしまった
“Ghost Of A Dog”です。
僕、エディ・ブリケル、好きなんですよ。New Bohemiansがデビューしたのと ほぼ同じ時期に、イギリスからはFairground Attractionが出てきて、奇しくもそちらのボーカルもエディ(・リーダー)という名前でしたが(ブリケルの方は、本当はイーディと発音するらしいですけど)、僕はこの両グループが演っている音楽に、どこか似たものを感じていて、2人のボーカリストは、僕の中では
“アメリカのエディ、イギリスのエディ”という感じだったんです。まあ、2人のボーカルスタイルもまったく違えば、バンドの音楽も、それぞれアメリカとヨーロッパを感じさせるものではありましたが。 この2人は今でも現役な訳ですが、今でいうと、僕の中では、アラニス・モリセットとビョークがそんな感じで並んでます。アラニスとビョークの場合は、2人のエディに較べると、更に違いが大きくて、それぞれのファンに“それは違うだろう!”とか言われそうですが(笑)。
Edie Brickell & New Bohemiansというバンド名からすると、エディ(やっぱりエディだ、今更イーディとは呼びたくない)と、そのバックバンドみたいな印象も受けますが、元々、テキサスのダラスで活動していたバンド、New Bohemiansのステージに飛び入りして、歌詞をでっちあげながら歌ったエディをバンドがメンバーに誘ったという事らしいので(こんな話、すっかり忘れてました・・・)、このグループは、ちゃんとした
ひとつのバンドなんですよね。なので、アルバムの音も、凄くまとまったバンドの音に聞こえます。メンバーもそれぞれ腕達者だと思います。特に、名前は知らないギターの人・・・、さすがにこれはまずいか(笑)。え~、今ブックレットを見ましたところ、ギターは2人いるようで(笑)・・・俺、ホントにこのバンド好きなのか?クレジットを見るとですね、ケニー・ウィズロウという、エディと曲も共作している人が、ドブロやスライドも担当しているので、この人ですね。この人なんかは、かなり腕前のギタリストだと思います。・・・でも、左右両チャンネルから聞こえてくるギターのどちらも気持ち良い音なので、
バンドの皆さんが上手いと思います(笑)。
“俺はこのバンドの何を知っていたんだ?”と、自問自答したくなる展開になって参りましたが、要はそのバンドの音が気持ち良いか、聴いていて気持ちの良い音楽であるか、それが重要なのであって、メンバーの名前なんてどうでも良いんです! 知ってるに越した事ないけど・・・。大体、Fairground Attractionだって、エディ・リーダー以外は名前知らないもんね~。開き直ったもんね~。両バンドのメンバー、並びにファンの皆さん、ごめんなさい・・・(うそ泣)。いやいや、どうもすみません。
でも、ホントはネットで適当に調べただけなのに、昔から知っているような顔して書くのも、読んでくれてる人達にウソついてるみたいで嫌じゃないですか(笑)。
それで、ここからがアルバムの話なんですけど(またこの展開だ・・・笑)、1曲目からスッコーンと抜けたドラムとパーカッションの音に乾いたギターの音が重なってきて、そこにエディの奔放な歌が加わるんです。
“奔放な歌”という言い方で、読んでくれている人に伝わるのか、ちょっと分かりませんが、正式にトレーニングを積んだような歌い方ではまったくなくて、
上手な子供の鼻歌のような(笑)、ただ自分が感じたまま、歌いたいように歌っているという感じがする歌です(この辺は、下積みも長く、プロフェッショナルな歌を聞かせてくれる、エディ・リーダーとは違いますね)。あと、曲のクレジットを見ると、エディ独りで作った曲や 先ほど名前を出したギタリストと作った曲、バンド名義になっている曲・・・と、色々あるんですが、それはまあ、元になるアイディアを出したのが誰かというクレジットであって、どれもレコーディング前にバンド全体で何度もリハーサルを重ねて、膨らませていった曲ばかりだと思うんですよ。そうやって、エディが自由に歌えるような曲にしていったのではないでしょうか。そうじゃないと、こういう
“バンドの音”にならないと思うんですよね。・・・全然違ってたりして(笑)。
そんな奔放なエディを擁したこのバンドは、当時、ボブ・ディランやGrateful Deadといったアーティストの前座を務めたりしていました(Deadのジェリー・ガルシアとエディは、ベーシスト、ロブ・ワッサーマンのアルバム“Trios”で共演もしています)。バンド解散後、おじさまキラーぶりに磨きがかかったエディは(笑)、ポール・サイモンと25才の歳の差を越えて結婚してしまいました。その結婚後に出したソロアルバム “Picture Perfect Morning”でも、いつものエディ節は聞かせてくれていますが、(New Bohemiansのメンバーも参加しているものの)バックの音が妙にこざっぱりしていて、個人的には、バンドのアルバムほど何度も聴く事にはなりませんでした。僕の好きだった奔放さが、バンド時代より薄れているような気がするんです。エディの歌は、本当の
バンドサウンドの中にあった方が生かされるんじゃないかと思うんですけどね。まあ、この辺は、彼女の年齢的な変化みたいなものもあったのかもしれませんが・・・。曲調も静かなものが多いし。少し前に、もの凄く久々にアルバムを出していて、僕はまだ聴いていないんですけど、どんな感じになってますかね?