ユニバーサルホラーを代表する映画
“Fraknenstein” の台詞や音楽を収録したアルバムです。・・・って、まあ、タイトル観れば分かりますが。フランケンシュタインが登場するユニバーサルホラーは数多く作られていますが、その中でも初期の3作、ボリス・カーロフがフランケンシュタインの怪物を演じた、
“Frankenstein”(フランケンシュタイン)、
“The Bride Of Frankenstein”(フランケンシュタインの花嫁)、
“The Son Of Frankenstein”(フランケンシュタインの息子)からの抜粋です・・・けど、僕は“The Son Of Frankenstein”は観てないです・・・。何とも中途半端ですみません。・・・ユニバーサルホラーを観た事のある人なら分かると思いますが、1930年代にはホラーとして成り立った映画も、今観ると怖くも何ともありません。英国ハマープロが50年代に作った映画とは大違いです。でも、あの時代に作られたユニバーサルホラーには何とも言えず上品で、美しいんですよね。その中でも、初期のフランケンシュタイン映画はロマンチックなシーンも多くて、僕は好きなんです。やはり女性作家による原作というのも多少は関係しているんでしょうか。・・・あとはやはり
ボリス・カーロフですねえ。ユニバーサルにはカーロフとドラキュラを演じたベラ・ルゴシという2大スターがいて、カーロフはティム・バートンの
“Ed Wood”の中で、マーティン・ランドー演じるルゴシに“うなっているだけの奴”みたいにも言われていましたが(笑)、そんな制約の中で色んな感情を表現していたカーロフは素晴らしい役者だと思います。
・・・こういう話をしているとキリが無いので、アルバムの紹介に移りますが・・・って、紹介も何もないんですが(笑)、1999年になってこういうCDを作ろうなんて事を思いついたのは、
ロブ・ゾンビ(ex.
White Zombie)です。ロックミュージシャンの中には、ホラー映画やモンスター好きな人も多いですが(例えば、
スティーヴ・スティーヴンスはモンスター雑誌の表紙やフランケンシュタインを、Metallicaのカーク・ハメットはミイラを、Def Leppardのフィル・コリンはドラキュラをペイントしたギターをそれぞれ持っていたりします)、その中でもロブ・ゾンビは別格みたいですね。芸名からしてゾンビですし、自らメガホンを取ってホラー映画を作ってるぐらいですから。・・・いくら自分もユニバーサル所属アーティストだと言え、こういうアルバムを作るというのは権利の問題やら何やらで色々大変だと思いますが、それでも実現させてしまったロブ・ゾンビの情熱には頭が下がります。・・・で、アルバムの内容はですね・・・内容と言うか感想としては、その昔、ゴジラ映画の物語や怪獣の鳴き声を収めたソノシートがありましたが、ああいうのを聴いている気になります。やはり“Music”より“Wor-
ds”の方が圧倒的に印象に残ります。しかも、映像は付いていないので(当り前)、いつの間にかただ流れているだけみたいになるんですよね(笑)。ヒアリングの勉強をしようという気になれば、結構役に立つアルバムかもれませんが。・・・それでも、フランケンシュタインが、山小屋で独り暮らしている盲目の老人と触れ合う有名なシーンの台詞、“Friends・・・Good・・・”なんてところを聞くと、そのシーンが頭に浮かんできたりします。あと、丁寧に作られたブックレットも素晴らしいですね。・・・とか何とか言っても、興味の無い人にはもうまったく意味のないアルバムだと思いますが(笑)、それでもあえて取り上げたのは、
CDレーベルアルバムにトラックバックしようと思ったからなんですよ。まあ、レーベル自体も映画のワンシーン(The Son Of Frankenstein)から持ってきただけの特別凝ったものではありませんが、こんなレーベルがあっても面白いんじゃないでしょうか。
The Words & The Music Of Frankenstein (1999)