ノースカロライナ出身の若年寄バンド、
Cry Of Loveのデビューアルバムです。1993年リリース。・・・現代を代表する若年寄バンドといって多くの人がまず連想するのはThe Black Crowesかと思いますが、ドラッグ問題を抱え脱退を余儀なくされたマーク・フォードの後任として、Crowesにも一時在籍していた
オードリー・フリードがデビューを飾ったのが、このCry Of Loveなんです。・・・って、まあこんなのはCrowesのファンには良く知られた話ですが。・・・The Black Crowesは先頃活動を再開して、Summer Sonicで来日も果たしましたが、その再結成に、オードリー・フリードは呼んでもらえなかったんですよね。個人的には、それも仕方ないかな?という気がします。マーク・フォードがドラッグの問題をクリアできていれば、そっちの方がバンドにとっても良い話なんじゃないでしょうか。僕はマーク・フォード在籍時とオードリー・フリード在籍時のCrowesをそれぞれ1回ずつですが、観た事があるんです。ギタリストとしての腕はどちらも甲乙つけがたいという感じですが、ステージでのオードリー・フリードには華がないんですよね・・・。それに較べて、マーク・フォードは立ち姿が絵になるんですよ(これ、以前も書きましたけど)。やはりロックバンドには、こういったものも必要ですからねえ。オードリー・フリードファンの方、すみませんね。もし、いれば・・・。
・・・と、一向にアルバムの話を始めないし、オードリー・フリードを持ち上げる気配もないんですが、このバンド、
ホントに地味なんですよ。雑誌のレビューで彼等の音楽を例えるのに挙がっていたバンドの音楽が好きだったりしたので(バンド名も
ジミ・ヘンドリックスのアルバムタイトルから取ってますしね)、発売と同時にこのアルバムを買った覚えがあるんですが、そういった過去のバンドの音楽より更に地味な印象を受けたんです。これは結構凄い事だと思いますよ(笑)。それが良いか悪いかは別として。・・・僕は地味なバンドというと、Bad Company辺りを思い浮かべてしまうんですが、あのバンドの曲にはキャッチーなものがあったりして、意外とPOPな面も持ち合わせていたと思うんです(そうじゃなければ、アメリカでウケませんよね)。でも、Cry Of Loveには、そういったものもまるでありませんからね。オードリー・フリードを始めとして、メンバーはそれぞれ上手いと思うんですよ。
マッスル・ショールズ・サウンド・スタジオでレコーディングするという凄い拘りを持った人達みたいだし。でも、このアルバムには、フックのある曲がないと思うんですよ。残念ながら。カッコ良い曲は入っているんだけど、どこかで聴いたような曲なんですよね(マーク・フォードの
Burning Treeも似たようなもんでしたが・・・)。この言葉はあまり使いたくないんですが、オードリー・フリードのみならず、バンドの音楽にも華がないんです(笑)。オードリー・フリードがCrowesに加入したと知って、殆ど聴いていなかったこのアルバムを聴き直してみた事もあるんですが、地味な印象は変わらなくて、愛聴盤になったりはしませんでしたねえ・・・。今、久々に聴いてますけど、やっぱり地味ですねえ・・・。全然盛り上がらないレビューですみません(笑)。
・・・バンドもその華のなさに反省したのか、'97年にリリースされた2ndアルバムでは、ボーカルがLynch Mobにいた
ロバート・メイソンに変わっていました。でも、 “この人とブルースロックってどうなんだろうな?”みたいに思ったので、僕は聴いてません。・・・って、何だそれ(笑)。上手いバンドだと思うんですけどね~。オードリー ・フリードだって仲間うちでの評価は高いので、Crowesの再結成には呼んでもらえなくても、
Gov't Muleのアルバムに参加していたり、少し前に一度だけのソロLIVEを行なった
ジョー・ペリーのバンドにも参加したりしてるんですよね。そんな地味なギタリストが率いる、地味なバンドの地味なアルバムですが、70年代ロックが好きな人には、気に入ってもらえるかもしれません。いや、ボーカルかなり上手いな・・・。