ラテンロックバンド
Tito & Tarantulaの2ndアルバムです。1999年リリース。このバンド、少し前に取り上げた映画
“Desperado”のサントラにも参加していて、その記事の中では“サントラの曲が中々カッコ良かったので、あとで彼等のアルバムも買ってみたけどあまり面白くなかった”と書いたバンドです。でも、“今なら別の感想を持つかも”とも書いて、久しぶりに聴いてみたらやっぱりそうでした(笑)。中々カッコ良い。人の気持ちって変わるもんですね。・・・ジャケットを観れば想像がつきますが、
素晴らしくいかがわしいバンドです。例によって歌詞なんてまったく見ていないので(と言うか、このアルバム、買ってから殆ど聴いていませんでした・・・)、街を破壊している緑の坊主が何なのか見当もつきませんが(これがHungry Sallyなのか?)、この
意味不明でB級丸出しのところに、かつてのロバート・ロドリゲス映画と同じものを感じます。
今ちょっと調べたところによると、バンドとロドリゲス監督の繋がりは結構深いみたいで、'97年にリリースされた彼等の1stアルバム
“Tarantism”(未聴・・・)では、ロドリゲス監督がちょっとしたプロデュースも行なったみたいです。まあ、いかにも彼が好みそうなバンドですね。・・・そんな風に書いても、どういう音かまったく分かりませんよね。どーもすみません。・・・ラテンロックと言っても、最近向こうで盛り上がっている
Los Lonely Boysみたいに、誰もが口ずさめるような爽やかな曲を演っている訳でも、ましてや
SANTANAのようなラテン音楽とロックを融合させた素晴らしい音でもまったくなく(笑)、メキシコやテキサスの安酒場が似合いそうな(行った事ないけど)
ホコリっぽくてギラギラした音楽です(ロバート・ロドリゲス周辺を語る時は、ギラギラがキーワードです・笑)。・・・まあ、曲によってはちょっとピンとこないものも相変わらずあるんですが、良いなと思う曲はスライドギターの音とかも渋くて、ブルージーでもあるんですよね。そういった曲やアルバム全体から受ける印象は、
Porch Ghoulsのようなバンドのそれにも似てますね。“やっぱりロックは悪そうで、いかがわしくないと・・・”なんて思ってる人には気に入ってもらえるかもしれません。
・・・それで、ギターの音が中々良いんですよね。と言っても、誰が聴いても良い音だとか、ましてやロベン・フォードやエリック・ジョンソンが出しているような極上のトーンの訳はまったくなく(今日はこういうの連発です・笑)、
安っぽくてダーティな音なんですよ。アルバムの殆どで聴ける音は。何か“まともなギター使ってなさそうだなぁ” とか、“アンプも古そうだなぁ”みたいな音なんですが、そういった音が彼等の演っている音楽に非常にマッチしているんです。ロベン・フォードやエリック・ジョンソンの音はホントに素晴らしいと思うし僕も大好きですが、その人が演っている音楽にマッチしていれば、誰にでも好かれる音ではなくても、それは充分良い音なのではなかろうか?と、バンド活動から遠ざかって久しい僕は考えるのであった・・・。恐らくはアンプに付いているものをそのまま使っているようなトレモロの音も気持ち良いです。
・・・え~と、彼等のアルバムは、
Cockroach Recordsという、これまたB級丸出しな名前のレーベル(バンドのレーベルみたいです)から出ているんですが、CDのレーベルが更に素晴らしい趣味してるんです。あまりにも素晴らしいので、それもここに載せて、
kingdowさんのところへトラックバックしてみたいと思いますが、コメントは無理にして頂かなくても結構ですから(笑)。“変なの送ってくるな!”と言われたらどうするかな・・・。
Tito & Tarantula / Hungry Sally & Other Killer Lullabies