今日も僕の住んでる町は35℃ありました・・・。気温と体温変わりません。クーラー病から回復したと思った途端に夏バテが始まってます。ホント、夏って最高ですね。 ・・・てことで、昨日から始まったヤケクソ企画
“I Love Summer 2005”第2弾です。1999年にリリースされた
イブライム・フェレールのワールドワイドデビューアルバム。夏→暑い→キューバという安易な発想ですが、夏なんてそれで良いんですよ。ややこしい事は考えたくありません。お願いだから早く秋になって・・・。暑いのはもう充分じゃないですか・・・。
“Buena Vista Social Club Presents”というサブタイトルからも分かりますが、このイブライム・フェレールというおっちゃんは、あのプロジェクトに参加して一気に名前を知られるようになったキューバの歌手です。勿論、僕もあのアルバムを通して彼の名前を知りました。
“Buena Vista Social Club”というアルバムは、最初は
ライ・クーダーのNEWアルバムのような捉え方をされていたところもあると思うんですが(レコード屋でもライ・クーダーのコーナーに並んでますしね)、ライ・クーダーはプロジェクトのまとめ役、サポートミュージシャンに徹していて、主役は完全にキューバのミュージシャン達でしたよね。
ヴィム・ヴェンダースが撮った同名の映画の中でも、ライ・クーダーはキューバのミュージシャンと一緒に演奏する事に喜びを感じているのが伝わってきて、海辺で息子のヨアキム君と地元のミュージシャンがセッションしているのを本当に幸せそうな顔をして聴いていたシーンが印象的でした。・・・いやホント、それぐらいキューバのミュージシャンの出す音は素晴らしくて、音楽を演奏できる喜びに満ち溢れたものだったと思います。アルバムにも、映画にも、まじで感動したっすよ。
あのプロジェクトは世界的にも大きな反響を呼んで(ここ日本ではやはり映画のヒットが効いたんですかね?)、そこに参加していたミュージシャンが世界ツアーまで行ないましたが、キューバのミュージシャンがそういう事をしたのって凄いですよね。ライ・クーダーは最初、キューバに入国するのも大変だったらしいじゃないですか。当時の大統領だったクリントンまで動いたらしいですよ。そうまでしてキューバに行ってレコーディングをしたライ・クーダーは凄いと思うし、あんなに素晴らしい演奏をしたキューバのミュージシャンも最高ですよね。ライ・クーダーにしてみても、“行って良かったなぁ・・・”という感じだったでしょうね。ライ・クーダー偉いです。・・・革命はあったわ、アメリカによる経済制裁は続いているわでミュージシャン達も大変な時期が続いていただろうに(コンパイ・セグンドも葉巻工場で働いたと言ってましたね)、音楽に対する情熱は失わなわず、アメリカのミュージシャンに呼ばれてあそこまで素晴らしい演奏を聴かせてくれた彼等はカッコ良いです。素敵です。・・・それにしても、映画公開後の日本でのブームは凄かったですね。来日公演のチケット買いに行ったら、いきなり枚数制限ができてたんですよ。珍しく人と一緒に観に行く事にしていた僕だったんですが、1人だけ席が違ったんですよね(笑)。“ブームになる前に来てくれれば、こんな事には・・・”と何度思った事か。ホント、日本人ってブームに弱くて嫌ですね。
・・・で、その来日公演のメンバーにも加わっていて、映画の中でもそのどこかチャラけたキャラクターで人気を集めたのがこのイブライム・フェレールなんですが、彼はあのプロジェクトで脚光を浴びるまでは、地元のミュージシャンやファンの間でしか知られていないような人だったらしいですね。でも、“それホントなのかな?こんなに凄いのに・・・”と思うほど、素晴らしい歌を聴かせてくれる人です。“Buena Vista~”がヒットしている時に、中村とうようが“イブライムは殆ど無名だったのにも関わらずキャラクターで人気を得て、プロジェクトの主役のようになったけど、本来はコンパイ・セグンドやオマーラ・ポルトゥオンド達と並んで語られるような人ではない”みたいな発言をしていたんですよ。それを見て僕は、“そういう話じゃないだろ、コンパイやオマーラの功績も素晴らしいけど、その歌が素晴らしければイブライムだって凄い人だろ、お前は石頭の保守派か!”と思いました。中村とうようの音楽に対する知識は凄いと思うけど、そんな事言うのって変ですよね。・・・まあ、確かにイブライムはコンサートでもはしゃいでましたけど(笑)。このアルバムは、例の映画の中でもレコーディング風景が伝えられていたもので、プロデュースは“Buena Vista~”と同じくライ・クーダー、あのアルバムに参加していたミュージシャンも多数参加しています。素晴らしい演奏と素晴らしい歌、ライ・クーダーに
“キューバのナット・キング・コール”と言わしめたイブライムの伸びやかな歌声が満喫できるアルバムです。オープニングの
“Bruca Manigua”という曲での気持ち良さそうな歌は最高ですよ。“暑くても俺は全然平気さ~♪”と歌っているんです(ウソ)。
ちょっとブームになり過ぎたのでアレなんですけど、Buena Vista関連のアルバムはやはりどれも素晴らしいんですよね。このアルバムと同じく、ライ・クーダーがプロデュースしたイブライムの
“Buenos Hermanos”も素晴らしかったし、コンパイもオマーラもルーベン・ゴンザレスもエリアデス・オチョアも。・・・なので、今週の残りはこれらのアルバムを紹介する事にします。・・・いや、これもウソですけどね。
追記 :イブライム・フェレール、8月6日に多臓器不全のためハバナの病院で亡くなってしまいました。享年78歳、ご冥福をお祈りします。