1990年にリリースされた
ジョーン・ジェットのアルバムです。・・・と言っても、全編カバーのアルバム。しかももの凄くストレートな選曲です。こういう事が許されるのも、
“I Love Rock N' Roll”な彼女ならではという気がします。“I Love Rock N' Roll”なんて単純な曲(笑)を大ヒットさせた人ですからねぇ・・・。間違いなくあの時代を代表するロッカーでしたよね。女性だとかそういうのは関係なしに。僕なんて、彼女とマイケル・J・フォックスが共演した青春ロックンロールムービー
“Light Of Day”(愛と栄光の日々)、映画館に観に行きましたもん(笑)。これまたベタなストーリーの映画でしたけど、それでもカッコ良いと思わせるものが当時のジョーン・ジェットにはありましたよね。あと、この映画の主題歌はブルース・スプリングスティーンが作った曲で、それもカッコ良かったんですよ。・・・もひとつ付け足すならば、ジョーン・ジェットはやっぱり美人ですねえ。
・・・正直、僕は
The Runaways を真剣に聴いた事はなかったんですよね。自分でレコードを買った事はなかったし、 友人の家でレコード聴いても“ふ~ん”という感じでした。あのバンドに対してはやはり邪念の方が大きかったんですよ(笑)。写真は真剣に観ても、レコードを真剣に聴こうとは思わなかったんです。・・・まあ、今から聴こうという気もありませんけどね。そして、その頃のジョーン・ジェットは、シェリー・カーリーの下着姿や、リタ・フォードのムチムチした肉体の陰に隠れて(笑)、決して目立った印象はなかったと思います(・・・ちなみに、僕はドラムのサンディ・ウェストが好きでした)。なので、彼女がソロになって出てきた時には結構驚いたんです。妙にクールな印象に変わっていたし。しかもすぐに“I Love Rock N' Roll”でドカンと行ったでしょう?あれはプロモーションビデオもカッコ良かったし、なんと言っても、そのストレートな曲がカッコ良かったですよね。“ジョーン・ジェットカッコ良いじゃ~ん、ロッカーじゃ~ん”と、素直に思いましたよ。彼女のバンド
The Blackheartsもカッコ良かったし(ただし、どんな人がいたかまったく覚えてません・笑)。今も現役で頑張っているジョーン・ジェットは、
正真正銘のロッカーだと思います。
・・・そして、このカバーアルバムなんですが、最初の方で書いた通り、
選曲的にはもの凄くストレートです。まあ、タイトルも
“The Hit List”ですから当り前なんですが。普通ひとりのミュージシャンがカバーアルバムを作る時は、ちょっとひねったアーティストの曲を選んだり、有名アーティストの曲でもあまり知られていない曲を選んだりするもんですが、そんな事は微塵も考えずに、もう堂々と有名曲のカバーをしています。これは“I Love Rock N' Roll”と言った人の強みですねえ。オープニングは
“Dirty Deeds”(AC/DC)、次は
“Love Hurts”(これはNazarethのイメージでしょうね)、
“Pretty Vacant”(Sex Pistols)・・・と、ドッカンドッカン行きますからね。他にも
“Tush”(ZZ Top)、
“Up From The Skies”(Jimi Hendrix)、
“Love Me Two Times”(Doors)等々・・・。ジョーン・ジェットという人は、歌が上手い訳でも、ましてや声域が広い訳でもありませんが、どれも良い感じに歌いこなしているんですよ。“Love Hurts”なんて、彼女のそういう歌い方が、逆に切なさを感じさせます。CCRの
“Have You Ever Seen The Rain?”なんていう超有名曲も演っていますが、これも中々良いんですよね。それもやはり彼女がこういった曲を聴いて育って、愛情を持ってカバーしているからだと思いますね。ちょっと軽い感じのアルバムですが、それがかえってスカッとしていてこの季節に良いと思います。